一応完結のための報告電話
あのオンラインゲームが配信されてから二週間たち、直葉さんが湯空に襲いかかるのが二日に一回のペースに減った頃、僕の家の電話が鳴り響いた。
「はい、もしもし?」
『あ、国際電話だと高いけん、あの無料通話サービスのやつで「ロシアン裕一」で検索して電話してくれへん?』
そう言ってその電話はきれた。
そういえばアイツまだロシアにいるんだよな………。ってかなんでまだ残ってんだろ?交換留学の期間はとっくに過ぎてるのに………。正月や盆にすら帰ってこなかったしな。
僕はそう思って、あの無料通話サービスをダウンロードし、ロシアン裕一で検索し、電話をかけた。
このサービスはどこでも何時間でも通話が無料なかわり繋がるまでにかなり時間がかかる。
コール音がだんだん鬱陶しくなっていく。
てゆーかなんでこのコール音は一般的なプルルルルルルル的なのじゃなくてチャルメラなんだろうか?と設定を勝手に変えたテクノを今すぐシメようかと思いつつ、僕は何分か待った。
『って、ようやくかかったなぁ、一年ぶりやの、御蔭!!つーか声変わりしちょるんか?めっさ高くなりおって~。』
あ~、当事者じゃないからこんなこと言えるのか…。
「いや、お前がロシアに行っている間にこっちではとんでも無いこと起きまくったんだぞ!!」
とりあえず叫んでおいた。まぁ、後から説明しろとか言いそうだけど。
『なんや姉貴に彼氏でもできたんか?まっさか許婚の先輩を認めたとか?』
「誰だよ?その許婚?ってかいたのかよ?」
『普通会社の重役とかならおってもええやろ?まぁ、その人パシりにされてなけりゃあいいんやけど。』
「どうなってるか聞きたいからその人の名前くらい教えろよ。」
『たしか、未出 透さんやな。多分知ってるで?御蔭も。』
「まぁ、知ってるけど……………って、未出さん?あの!?会長がそんなそぶり一切見せてないよ!?」
『姉貴はそんなの得意やで?まぁ、最近姉貴と連絡してへんから知らんけど。姉貴にパシられんのはもういややねん。同士のお前なら分かるやろ?』
「分かるけどさ…………。」
これまでの会長のパシリがどれだけ辛かったか………。
『せやから俺は一生ロシアで暮らすけん!!最近国籍も変えたし、婚約者もできとんのや。ロマリアっちゅー俺の師匠の娘さんで、めっさ美人で料理上手やねん。』
「お幸せにっと…………。つーかお前の方聞いて衝撃的だけどな、こっちだって波乱万丈なんだよ!!」
『マジ!?つか御蔭、俺の結婚話とかは無視か!?』
「いや、結婚話よりも僕は今女になってんだよ!!」
『別にええんや無いの?家事うまいやん。婿選び放題やん。菓子作り上手いんやから。俺が女になったとこでなんかできる気はせぇへんしなぁ。ま、気にすることないんやないの?気にせず生きてきゃあ。』
とりあえずこの他にも学校であったことを話した。
「第一、コスプレでもそのジャンルが制服なら許すってどうなんだよ?」
これは僕が狐耳としっぽができたときに丹波先輩が無理矢理可決した校則だ。
そのせいで大量のコスプレイヤーが湾沖高校に出現したのである。クラスの中に某週刊マンガのバスケマンガと恋愛マンガと殺し屋マンガの制服などが混ざっているという異様な光景がそこにはあった。この高校の将来が少し心配になったのも事実だ。
『ぶっひゃっひゃひゃひゃひゃ!!そりゃ笑うわ!!あんの会長さんそんな事できたんやなぁ!!つか学ランしかなかった俺らの時代にゃあなんか感慨深いもんかんじんなぁ。』
そういえば裕一はまだ丹波先輩が広報に移ったことを知らないんだっけ。
「確かにあんな暴挙行ったけど今は広報だよ、丹波先輩は。」
『あー、笑っちょったら腹痛くなったわ!!ちょいと御蔭の女になった姿想像したら笑えてくるわ!!ゴスロリに狐に軍人!?俺としてはナースとかあったら笑いもんや!!』
「あーもういいよ!!ってか今回話してきたのは婚約の話と国籍の話だけか?惚気ばっかになりそうでうぜぇんだけど。後ビザはどうしてたんだ?つーかいつ婚約決まった?後今どこらへんのロシアだ?ってかおじさんに報告してるのか?」
『国籍変えたんがイアノフ帰って来てから三ヶ月たった頃やなぁ。アイツ日本語めっちゃ話しとったで。後、土産の赤福が恋しかったわ~。定期的に芋ようかんと一緒に送って貰うように頼んどいてな!!おふくろに!!』
「国籍については分かったけど、他のは!?」
『あ、今いんのはヨーロッパ州の近くや。で、御蔭、質問やけど、婚約って両親の承諾とかいるんか?』
「未成年だからいるんじゃないの…………?僕は詳しくないけど。」
『そーいや、なんか長男だから家継げとは言われてへんけどなんかなぁ。未出さんが姉貴と結婚せぇへんかったら俺ピンチだな駆け落ちルートまっしぐらだよ親父知り合いに探偵いるから逃げきれる気しないんやけど。』
その時、電話の向こうから声がした。
『ユーイチ、誰と話してるんデス?』
『日本の親友や。』
『シンユー………新しい裕一は日本にいるデスカ。』
『いや違うで!!そーいや、今日の晩なんやっけ?』
『ユーイチの好きなボルシチデス。』
『おー!!ロマリアー。分かってるなぁ~。』
『ユーイチの好きな物はいつでも作れマース。、ニホンゴも上手くなってきたし会話できますネ!!』
それから数十分ほど惚気が続いたので電話を切った。
「………はぁ~あ、やっぱこの体で一生過ごすのか………。」
『正確には一ヶ月単位で入れ替わりますけどね。マスター。』
「まぁ、あの馬鹿やろうなアイツも気にすんなとか言ってるし、前向きにいきますか!!」
しかし、何度やっても体の急な変化に慣れない僕であったとさ。
未完。
未完と書いてありますが、実際ネタはあるんですが、物語の時期などの関係で、いっそのことサザ○さん時空的に進める方がいいのでは?と判断し、まことに勝手ながら本編完結として、今後は作中内の時期がいったりきたりするようになります。
ようするにオプニマスマンガ風になります。
普通の進み方を望んでいる方には申し訳ありませんが、とりあえず本編完結の形という名の一区切りとし、夏からいきなり冬になったかと思えば秋に戻ったりなどの処置とさせていただきます。
今後とも、「birthday・time」は他作品の更新もあるため遅くはなりますが、更新していこうと思いますのでよろしくお願いします。




