ケルさんの過去話 顔合わせ編
とりあえず地図をもって生徒会棟という所まで来た。
学校の敷地内にある森の様な所に隠れるように、どでかい建物はそこにあった。
「で、でかいな……………。」
もはや、生徒会棟の方が普通の校舎よりも大きいのでは?と錯覚するほどだ。多分このサイズの生徒会室?は小説ですら見ることは少ないだろう。
「そーいや生徒会会長とかって誰なのか分からないんだよな………。集会の時も校長の話だけだし。まぁ、まだ生徒総会やってないんだけどな………。」
まだ入学してから5日しかたってないので仕方ないと思うが。
「で、ここに今いるんだよな………。生徒会のメンバーが……。」
多分全員年上だな……。
ちなみに生徒代表挨拶は名前で一番早い人が一番になる。例えばあの次にまたあで始まる人とか。はっきりいってとばっちりが多いのがこの高校だ。
「失礼しまーす。」
初めてなのでこの言葉。言いながら生徒会棟に入った。
「な、なんでケルルがここに来るの!?学年トップは私とタンタンのはずだよね?ケルルって確か学年5位だったと思うんだけど……。」
「あぁ、遅くなる用事って生徒会のことだったのか、剣。」
最初に会ったのは幼なじみである、鋭美 剣だった。
「たしか生徒会に推薦されるのは中学時代の運動部トップと入試で最高得点をとった奴らだったよな……。剣はフェンシングで世界最年少のメダリストだったからな……。」
2年前、見事オリンピックで銅メダルをとったのだ。確か、次のオリンピックでも日本代表になっていたし、フェンシングは一番最初にやられるんだったな……。まぁ、頭の方は平均より下のクラスなのだけど。
「もう!!なんでケルルはここに来たの!!」
「聞いてないのかな?確か湯峰先生が今日監査として任命した人を連れてくるとか言っていたな………。」
「タンタン~。会長なんだからこーゆーのは早めに言ってほしいよ~。」
「私はかわいい物にしか興味がないから。この余る予算で限定版のかわいい子抱き枕を買いたい。」
そんな馬鹿なことを言っているのは確か、新入生テストで1位だった丹波炎樹だ。
よく見ると剣は副会長、丹波は会長の腕章をしていた。
「あれ?二人とも一年生………だよな?」
「あのね、ケルル。実は前の会長さんは受験に専念したいからって辞職して、副会長の人は一年間サッカー留学してくるってことでいなくなっちゃって………。それで一年の私達二人が推薦されたの。」
「少し得した気分だよ~。かわいい先輩もいるし、ギャルゲ貸してくれる人もいるし。」
おい、それが学年トップの言うことか?
「あ、監査の人ですね?僕は書記の未出 透です。」
至ってまじめにやっている雰囲気だな………。
「二年生です。年上ですが、透君と呼ばれると心が落ち着きます。未出と言われると、未提出の課題があるとか思っちゃって………。」
残りの二人は多分三年生だ。
「広報をやらせてもらっています、一ノ瀬マリアと言います。マリアと呼んでください。」
金髪なのでハーフなんだろうか?珍しい。クォーターの俺が言えたものではないが。
しかしなぜか十字架のペンダントをしているし、シスターのかぶるベール?をかぶっている。
キリシタンなんだろうか?
「いえ、私は真言宗です。」
そういってマリアは翡翠色の数珠を取り出した。
この人は変人だと感じた。まぁ、顔はかわいい方なのだと分かるのだけど。
「よーっしゃ!!イリナちゃんルート終了!!やっぱり学校で堂々とギャルゲーできるのは良いことだ!!な、丹波!!」
「そうですね!あ、これのシークレットの解放したらこちらとシークレット通信して新婚編を見れるようにしましょう!!」
おい丹波、かりにも生徒会長だろ……働けよ。
「あ、新入りか?おっちんは八谷 雷人。会計やってる。あ、いまやってるのはラブレ簿だ。丹波と協力して進めてる。」
へぇ~。いや、ゲームはやる時間がないので買ってないのだが。
「で、君の名前は?剣ちゃんは知ってるらしいけど。」
あー、いつも憂鬱になるんだよな………自己紹介の時。
この名前のせいで。
「日向 三狼と言います。」
いつもと同じように時が止まる。
「あ、サブローという相性があるのでそちらをお使いくださ……。」
とりあえずこれを言っておく。まぁ、悲しいことに本名がケルベロスなのはなぁ………。就職とかで絶対に落とされそうな名前だしな……。
「良い名前ですね。日向さん。」
「日向と呼ぶのはだめか?まぁ、私ははっきりいってかわいい物以外に興味はないけど。」
上がマリアで下が丹波だった。
「あー!!おっちんもそんな名前が良かった!!アニメ関連なら最高の名前じゃん!!」
「君は名前と顔が一致しているから大丈夫と思いますよ。」
慰められてるのかが分かりづらい………。
「さて、監査としてやるべきことあるので八谷さん、予算の帳簿見せてください。」
「別に良いけどな………。」
そして見せられた帳簿でこれからは顔を出すだけにしようかと本気で思った。
「このあまりの金額って……………。」
「気にするな。ちょくちょくこの生徒会棟の設備に投資するぐらいで後は余ってるんだよ。テレビに移るわけでもないのに体育祭や文化祭の予算上げてクォリティあげても意味ないだろーが。」
八谷さんがあきれながら言った。
「では、これからはたまに来ますので。」
とりあえず知梟迎えに行かないとな。
これが、監査になってから初めての一日の終わりだった。
まぁ、まだ名前だけの人もいますので、そろそろ出します。ケルさんの過去編ですが。




