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birthday・time  作者: 架世 凪鎖
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ケルさんの過去話 監査任命編

湾沖高校に入ってから5日目の昼休憩の事だ。

「一年の日向三狼君、今すぐ生徒指導室湯峰まで来てください。」と、校内放送が入った。

急に呼ばれたのでクラスが騒然とする。

「サブローお前たばことかやったのか?」

やらねーよ。不良じゃああるまいし。

あぁ、ちなみにサブローという愛称は最初の自己紹介でなんとか定着させた。本名で呼ばれるとなんか中二臭くて恥ずかしいからだ。

「え………じゃあドラッグ?」

買う余裕もないしそもそもやる気ねぇーよ。

「成績悪いのか?そうなのか?」

いや、いい方だぞ一応。つーか必死に肯定させようとしてくるな……。さてはこいつ頭悪いな?

「サブロー君遅刻する事多いよね……。それでじゃない?」

と、好き勝手言ってくるクラスメイト達だ。

とりあえず生徒指導室まで行くことにした。




「おー、よく来たな。日向。」

「湯峰先生、何の用ですか?」

湯峰先生は、俺のクラスの担任だ。

教科は世界史で、はっきり言えば一年生ではやらない科目だ。

一年でやるのは現代社会と日本史で、二年から地理と世界史をやるのが普通だ。

なぜ一年の担任なのかは不明だ。

黒い髪を無造作に伸ばし、元ヤンのような目つき、胸はまな板なので、一見男にも見えそうな感じだ。ちなみに下の名前は薫。年齢は27だという。

性格はおおざっぱさがよく目立つ。クラスの委員長を見た目だけでグルグルメガネをかけたがり勉っぽいやつにとっとと決めてしまうぐらいだし。

「いやー、新入生テストで結構成績がいいのにもかかわらず遅刻が多いお前にいい話があるんだ。内申のためな?これやってくれれば遅刻の分くらいは取り返せるだろうし。」

「で、その頼みごとって何なんですか?」

湯峰先生は深いため息をついてから言った。

「生徒会の…………監査、やってくれ。私は監査委員の顧問でもあるんだがよー、委員がいないんだよ。志願してくるやついないし。まぁ、存在してるなんて思ってる奴もいないだろうしな………。まぁ、名ばかりだが、今日からお前を監査委員長に就任させる!!ま、とりあえず生徒会棟にたまに顔出す程度で良いけどさ。」

なんかいきなり有無を言わさず押しつけられたんだが。

確か委員長の時もこんな感じだった。



「まぁ、部活に入ってないお前ならやってくれるだろ?あぁ、やらなかったら遅刻の回数を書き足すぞ。コルト脅してお前の英語の成績1にするぞ。そしてホモッサの特別講習受けさせるぞ。」

「せめてコルト先生にトラウマ与えないでください。」

「なんだお前、担任より教科担当の肩を持つのか?」

「いや、コルト先生は怖い物が苦手と言っていたので………。」

「担任を怖いもの扱いかぁーー。良い度胸だな。よし、彩蓮いろはす脅して日本史と現社のテスト、平均0点になるように難しくしてもらおう。」

「やりますから、監査やりますから、他の先生脅すのやめてくださいよ。で、生徒会室ってどこでしたっけ?」

これまで一回も生徒会室を見たことが無い。どこにあるのだろうか?

「あ、室じゃなくて、棟だからな。あと、塔でもないが、でかいぞ。後、生徒会棟のことは他言無用な。知る権利があるのは生徒会と、監査、後は風紀委員長ぐらいだな。」


補足だが、コルト先生ことコルト・スチュアートはALTの先生の一人で、金髪の女性で、一年生の英語の授業を受け持っている。怖いものが苦手らしく、教科書でホラーっぽい話になると、授業中に何回も失神するらしい。ドジっこでもあり、25歳独身という人だ。俺は何度か助けたこともある。まぁ、席が一番前の真ん中だからサポート役になることが多いだけなのだが。日本語学校で学んだらしいので、日本語は上手に話せるらしい。授業中はほとんど英語で進行するので聞くことはあまり無いのだが。教壇に隠れる身長なので、英語の授業では黒板に文字を書くときに持ち上げるか踏み台がないといけないのである。

ホモッサ先生もALTの一人だ。

まぁ、ホモッサはニックネームで、本名はメリッサ・グラオーガ。金髪ブロンドでイケメンの部類に入る…………………………真性のホモ。変態気質で、彼の授業を受ける男子は赤点を確実に回避したがるらしい。赤点での特別講習の内容が想像できるからだ………。よくこの高校コイツを採用したな………。聞けばマサチューセッツ州出身で、同性婚ができる環境で育ったからこうなったらしい。口癖は「ホモこそが真実の愛!!」で、好みのタイプは黒人のボディビル体型。とりあえず結婚はしている29歳で、奥さんは腐女子的な人らしい。

ALTの先生は部活などの顧問はしないらしい。



彩蓮先生の下の名前は羽衣うい。24歳で、現在お見合いに毎週失敗している現社の教師で、団子の髪の人だ。

ペタンク部の顧問でもある。そろそろ同好会に格下げになりそうだけれど。マイナーなスポーツだし。

この人は過去に何があったのかは知らないけれど、湯峰先生には逆らえないらしい。かわいそうに……。


「それで、ここに生徒会棟があるんですね………。」

「あぁ、生徒会のやつらと顔合わせをしておけ。それが初仕事だ。」

「はい、分かりました。」

「後、遅刻についてだが………あれは妹を送っているかららしいな?」

「小学三年生になりますけど、まだ心配で、母から送るように頼まれているんですよ……。もうそろそろ親友もできるでしょうし、一緒に行く子ができるとは思うんですけどね………。」

母さんが妹の知梟のことを溺愛しているのだ。魔狼姉さんにはそれほど愛情をかけていないのにな………。



「それじゃあ、生徒会監査として、これからがんばってくれよ。」

まだ真面目に監査しようかなと思っていた頃の話だ。

しばらくケルさんの過去話シリーズになります。


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