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birthday・time  作者: 架世 凪鎖
16/43

フードの子再登場

少し暗い話になりますが………シリアス書くのがやはり苦手な自分だな……と思います。

僕はその場で立ち尽くしていた。

雨の中、フードをかぶった少女はただ一言こう言った。

「私を………助けてください。」と。

僕と同じくらいの年の彼女は雨で濡れただけとは思えないほど顔を濡らしていた。泣きながらここまで来たのは分かった。なぜなら、彼女の目がひどく赤くなっていたから………。

その目がとても悲しそうに見えたからだ。演技じゃない。本心でこの人は言っていると僕は思った。演技ならすぐに追い出すけど、今回は違う。


さすがに玄関前でその子を家に上げた。

風邪をひかれたら困るからだ。僕はその子に風呂に入るようにいった。最初は怯えたけれどその子は風呂に浸かると言い風呂に向かった。


「タオルここに置いておきますね…………。」と言いながら風呂に行くとその子はもう上がっていた。

そして、僕は見た。

髪はボサボサとしてただ伸びているだけに見えた。美容院とかはおろか、床屋みたいに切るだけのこともやれてないのだろう。

体を見ると、それはひどかった。

彼女の背中が、痣や傷だらけだったからだ。タバコをつけた火傷のような痕もあった。誰にやられたのだろうか?それを思うと少しだけ心が痛んだ。

「すいません……服も借りてしまって………。」


彼女は今も少しだけ体を震えさせている。携帯電話のマナーモードぐらいの勢いだ。僕は、彼女に今日持って帰ったシュークリームを渡した。生地がサクサクとしたクッキーシューだ。彼女は腹が減っていたのかすぐに食べ終えた。


「………すいません………あの時も助けてもらったのに、また………。私、逃げてるんです。でも、お金が無くなって………どうせすぐ裏切って逃げてしまうと思われそうですが、そんなことできません。でも………あの家はもう限界でした。」

どうやら親から虐待をうけ、挙げ句の果てに捨てられるように売られかけ、そこから逃げてきたらしい。商店街の時からなので、数日ぐらい逃げていたらしい。しかし、逃げ切れそうになく、ここに逃げてきた………と。


「ここには前から行きたいと思っていた町なんです。あのNoaさんの……本名杠ノノさんがいるからって……。」

親の仕事の都合でタレントやアイドルの個人情報を見ることができたらしい。その時はまだ希亜がトップアイドルになる前だったので確認できたという。しかし、あの時は希亜がトップアイドルになるとは思わなかったので、記憶の片隅に会ったぐらいだという。

「あのぐらいのアイドルなら私の両親がやったような真似はしていないんだと思います……。」

まぁ、希亜の父親の権力で枕営業やらせないようにして、それから仕事を枕でなく実力ではいあげられたのが希亜だからなぁ………。もう引退したけど。


「こに匿ってもらうのに、お礼はします。掃除でもなんでも………私がこんなこと言える立場じゃあ無いんですけど………お願いします。私をここに匿ってください。」

「うん、分かった。匿うけど、裏切らないでね?」

そう言うと彼女は、

「当たり前です。」と初めて笑った。



それからしばらくして……。

「匿ってもらうお礼は、女の子として生活するためのアドバイス………頼めるかな?」

「え~っと、なんでですか?あなたって女の子ですよね………、もう分かっていると思うんですが………。」

まぁ、当然の反応だと思う。

「つい最近まで男の子だったんだ……………あれから他の人に色々教えてもらったけどやっぱりね……四六時中一緒じゃなかったから……。」

彼女はそう言って微笑んだ。そんなときだ。またインターホンが鳴った。


僕は彼女に玄関から見えない位置に移動してもらい、玄関を

開けた。そこにはいかにも悪そうな男といかにも遊んでいそうな女がいた。多分、彼女を探していたのだろう。たぶん、彼女の両親だ。


「お宅にこんな女がいませんかぁいね?」

「いえいえ、いませんけど?」

そうはぐらかすと、男は怒鳴り、家に土足で上がろうとする。



その時、僕の意識は別のものに取り付かれたように途切れた。









気付くと、警察が家に来ていて、あの男女二人を逮捕したという。男は僕が相手の持っていたスタンガンを使って気絶させたらしい。これには一応正当防衛が働いたらしい。それに向こうのやっていたことにも関係があったらしい。予想通りあの男女は彼女の実の親だった。義理ならまだ虐待してしまうのは分からないこともないが実の娘を虐待するなんてどうかしてると思った。彼女が怯えていたのも無理はない。


あの女も僕がやったのかと警察の人に聞くとどうやら違うらしい。あの女は勝手にこけて気絶した………それだけだ。だから、僕に罪は無いらしい。と聞いていると右腕が少し痛い。よく見ると少し腫れていた。


警察に彼女をどうするか聞いてみると、このままここで世話てくれるなら問題なしと言ってくれた。とてもありがたい。


そして、晩御飯のとき、彼女は初めて自分の名前を言ったのだ。

茅美かやみ あかねです……17歳4月3日産まれ、ふ、ふつつかものですがよろしくおねがいします!!」

守る人が増えたのだ。僕は同居人に自分の名前を言った。

「天埜御蔭です。これからよろしくお願いします。」

次回は茜視点での今回の補足編です。

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