風紀委員長登場
相変わらずの不定期進行ですいません………。
黒江は僕と逆方向の家で、僕の家よりも近い。なので、いつもなら黒江の下履きが黒江の下駄箱に入っているはずなのだけど、今日は下履きではなく上履きが入っていた。
「今日は黒江は休みなんだなぁ……。」
「ちょっと平和に感じるね、御蔭。」
珍しく黒江が学校を休んだ。僕の所に熱がでたのでナースコスで看病しにきてほしいという意味の分からないメールが来たので無視してそのまま学校の昇降口に入る。
下駄箱を開けるとドサドサッと盛大な音を立ててラブレターが出てきた。正直上履きの中にも入れられてるような気がする。ノノも同じだ。紙の無駄だと思いつつ、その中の一つを無造作に開くと、一目惚れしました、返事は体育館裏に昼休憩に来てください。という内容だった。速攻で破りたくなったのだが、これで来てもらっていないのが6回目です。と書かれていたので少し疑問に思う。
まず、クラスが違う。なので呼ばれたこともないのは当たり前だ。だが、転校して来たというのが始まってもう一週間ほど経っていたのでラブレターがこの中に入ってた記憶は無かった。そんなときだ。
「おはよう。あ、今日は黒江さんお休みなのね、無許可の焚き火取り締まらなくていいのは助かるわ。あと、それを処理するならゴミ箱じゃなくて清掃委員会室の近くにあるリサイクルボックスに入れときなさい。焚き火で燃やすのは納得しないわ。あ、自己紹介がまだだったわね………。」
この姿で会うのは初めてだし、ノノも会ったことが無い人だ。一週間の間にこの人に会わないのは正直楽かもしれなかったけど。
「私は直葉 楓、副委員長から聞いてるかも知れないけど……。」
副委員長は同じクラスの織田さんのことだ。もっとも、あんまり仕事しないのでたまに忘れるけど。
風紀委員長のことを男の時は直葉さんと呼んでいたのでこれからも直葉さんと呼ぶことにする。
ケルさんには簡単に僕が天埜 御蔭だと打ち明けたけど、この人に打ち明けると多少面倒になりそうだ。
直葉さんはSF関連に弱いので混乱した挙げ句勝手に性転換するのは校則違反です!!と言ってくるだろう。そしたら他の人にもだだ漏れである。
直葉さんは黒い髪を短くしていて、髪留めをしているぐらいだ。身長は157ぐらい。ちなみに胸はCとそこそこ有る。
さて、これを処理するために僕とノノは直葉さんとともに清掃委員会室まで行くことにした。さすがに鞄の中に入りきらないし、燃やすこともできない。というか黒江が燃やしていたのはこのラブレターの山だったのか……嫉妬って訳でなく僕ら二人に悪い虫が着かないように……という意図なのだろうか?と感じる。黒江はレズだしね。
清掃委員会室に着いて手に持っていたラブレターの山をドサドサとリサイクルボックスの中に入れる。入れると中がラブレターで埋まってしまった。リサイクルボックスの中には他にもぬいぐるみやなんかが入っていてこれどうやってリサイクルするのかが分からない物だなぁと感じた。
直葉さんは三年生で彼女の弟は一年生だ。名前は柳だったと思う。この姉弟、校則を破っている人を見ると口うるさくなるのだと言うことを忘れていた。地毛だと説明しようと髪の話題になる前に言おうと思ったのだけど……。
「地毛なら先に言いなさいよ……他の人のほとんどは染めてるからついあなたも同じなのかと……。」
と、疑り深く探られる。あー、いやだなー、と思いつつ話題を変えるために僕は髪の色では染めてると疑うよなぁ、と思う人の話題を挙げる。
「湯空については?」
そう言うと直葉さんは顔を赤らめた。
「ゆ、湯空ちゃんはいいの!かわいいし、あれ地毛らしいし……、あの性格だと髪染めることも知らないだろうし、身長低いから同い年に見えなくてタンちゃんがあんなに言うのも分かるし抱きつかれたいし胸に顔うずめてもらいたいし………………。あの副委員長の子が羨ましいくらいよ!!あの子のお菓子に私勝てなかったし……。」
タンちゃんと言うのは丹波先輩のことだ。直葉さんと丹波先輩は幼なじみに近い関係らしい。一言で言えば腐れ縁、でもそこそこ仲良しな関係とのこと。
言い忘れたが、直葉さんにはロリコンという残念な属性がある。特に湯空にご執心であり、男の時は何回睨まれたか……丹波先輩の羨望の眼差しも一緒に。
昇降口に戻ると、「みーねー!!」と湯空が僕に向かって飛び込んできた。湯空は抱きついた途端僕に何回も頬ずりをする。あぁ、さっきの話題転換のせいで地雷フラグを建ててしまったようだ。直葉さんの顔が固まった。
結局直葉さんに僕が天埜御蔭だとばれてしまう事になった。まぁ、今は紫苑飛鳥という名前なのに湯空にみーねーと呼ばれていることでばれたんだけど……。
その日の放課後、生徒会棟で事情を説明し終わった。すると、直葉さんは口をプルプル震わせて……。
「こ、こ、こ……。」
え~っと、これって……。
「校則違反です!!勝手に性転換するのは校則違反です!!!!!!!!」
と生徒会室棟の窓ガラスが全部震えるくらいの声で叫んだ。もっとも、生徒会棟は防音ばっちりなので、他の人には聞こえていないだろうけど。
「それに、湯空ちゃんを膝に乗せて!!私に変わりなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!」
今度の叫びは窓ガラスにひびが入りました。
これからどうやって隠していけばいいんだろう………?
どんどんばらていく自分の不甲斐なさに少し悲しくなり、湯空の頭を数回撫でる。
「ふにぁ~。」
湯空の言葉で僕は一時的に和んだ。すぐに直葉さんが叫んだため、ほんとにどうしようかなぁと考えることになった。
しばらくしたら新展開にします。
後、補足になりますが、この作品の中は4月30日です。
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