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  作者: 枯葉花
8/8

日向

扉が開いて、まだまだ薄暗いところに立ってる俺に光が当たった。

ラフな服装な彼女は、扉を開けてすぐ俺を睨んできた。

「なんで、」

「お、俺!翼があったら、真っ先にお前のとこに飛んでく!」

彼女がなんか言ったら心が折れると思ったから、すぐに切り出した。

「・・・・え?」

「真っ先に、お前のとこに飛ぶと思う!」

「うん。・・・えーと。ありがと?」

俺はくすっと笑いながらお礼を言った彼女の眼が、赤い事に気付いてしまった。

「・・・・。」

「何でそこで黙るの・・・。」

「ごめん。でも、俺。泣かしたんだなぁ、って思って。」

「っ!な、泣いたわよ!めちゃくちゃ泣いたわよ。で、訪ねてくれたと思ったらよく分からないこと言い出すし・・・でも、その、簡単に好きって言わず、お前の所に飛んでくとか?言うとこ、ろめちゃくちゃ好きだけど・・・。でも、でもぉ!」

彼女は、ちょっと泣きそうになってる。だから、俺は必至で弁明したほうがいいと思うんだけど。でもさ。こんな時なのに、彼女の泣き顔可愛いなんて思ってる俺って、酷いかな?

すっげー可愛く泣くんだな。俺の彼女。

「好きって言って欲しかった・・・・。」

とうとう涙を零した彼女が可愛くて可愛くて、胸が苦しくなった。触れたい。触りたい。

俺はそっと手を伸ばして、玄関先に立ってていつもより上にある彼女の手をつかんだ。

びっくりして俺を見つめる彼女にかまわず、思いっきり手を引いた。

「キャッ?」とか言いながら俺の肩あたりに落ちてくる彼女。・・・悲鳴もかわいいな。

どんっと衝撃があって、すぐ暖かさが広がった。さっと腰に手をまわして、抱きしめる。

「な、何?急に、そんなキャラじゃない、でしょっ!」

キャラ?知るか。俺はお前に触れたいんだよ。

耳に顔を寄せて、囁く。


「・・・好きだ・・・。俺の、光莉(ひかり)。」


「今、名前呼ぶのって、反則・・・・。」

かわいい俺の彼女は何か言ってるけど。彼女を抱きしめてるっていう状況や、今言った言葉とかのせいで、俺は壊れそうだった。ていうか胸、胸が当たってるのが普通にわかる。・・・熱い。

恥ずか死ぬ。

ああ、けど、幸せだなぁ。俺、幸せだ・・・。


太陽がまだ抱き合ってる俺らを温かく照らした。


俺の心は、光莉(ひかり)が温かくしてくれた。


とうとう完結しました。


この話はフィクションです。なんか聞き覚えあってもフィクションです。



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