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  作者: 枯葉花
5/8

日没

日が沈み始めた。あれほどきつかった日差しは急に衰えて、少し寒くなってきた。

特に野外にいるからその違いは切に感じる。

「寒くなってきた。」

「ん」

少し肩を出してる彼女の服だと余計寒いだろう。

ココは、俺が上着を差し出して着とけよ。とか言う所だろう!

「寒いだろ!」

「え?今、そう言った」

「・・・おう」

よく考えたら俺急いで来たから、上着脱いだら半袖だ・・・!寒い絶対寒いよ。

だけど、俺はやるって決めたらやる男だ!

「手、繋がないか!」

彼女は、俺の顔があまりにも(いか)つくなってたのか、少し戸惑いながらも手を出してくれた。

「ん」

可愛い!手が絡んで、うっ、俺急に汗かいた気がする。ていうか前も思ったけど女子の手って柔らかいなぁ。

しばらく無言が続く。

何か話そうと思うが、昨日さんざんネタを出した挙句、朝から今までほとんど何もしてないに等しい。

「ねぇ、私から告ったよねー」

「・・・うん」

誠に遺憾ながら、そうですね。

「私の事、ちゃんと好き?」

「・・・うん」

めちゃくちゃ好き。

「ホント?」

「・・・うん」

そりゃもう。

「変な間があったよね」

「・・・そう?」

言葉が出るまでに、ちょっと時間がかかるんだよな。ホントはめちゃくちゃ考えてるから。

「今も、あるよ。本当は私が告ってきたから、断る理由がなくて、受けたんじゃないの?」

「違う!」

なんでそっちに行くんだ!

「いっつも、否定だけは早いよね?」

「・・・そう?」

何で俺そう?しか言えないんだよ、本当に違うから早いんだとか他にもっと言い用があっただろうが!

「そうだよ。本当は、私の事何にも思ってないんじゃない?」

「・・・うう。チ、違うって。俺、本当に」

俺、本当にお前のこと好きなんだよ!

「ほら、グダグダじゃん。」

「・・・う」

「ごめん、私、今日変だよね。さっきも、さ」

さっきって、あれか?あの、会いたかったか?否か?みたいなヤツ。別に、あれは俺が悪かったと思うし。これも俺が悪いと思うし、謝る必要はないんじゃ。

「俺の方こそ、ごめん」

「やっぱり。同情だったんだね?ごめんね、付きまとっちゃって」

ずっと家の前で喋ってた俺も俺だと思うが、彼女はまた家に入ろうとした。待て待て!デジャヴとか言ってる場合じゃない!

掴んだ手は―――振り払われた。振り返った彼女は泣きそうな顔、じゃなくて泣き顔だった。

「さすがに、つらいよ!」

そう言って、彼女は扉を閉めた。


そうして、俺の光は沈んだ。

彼女の家は目の前にちょっとした公園があって、前で喋りやすい環境なんだよな。

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