西日
日が西から射す。今日初めて外に出たので、眼に突き刺さるようだ。
「会いたかった」
そう言って笑った彼女にフリーズした。可愛い・・・。
「・・・そんなこと、無かった?」
そんなわけないさ、俺なんて朝っぱらからお前の事しか考えてなくて、お前しか目に浮かばなくて、そういや宿題あったけどしてねぇや、お前の事しかん考えてなかったからな!
そんな事言ったら、ちょっと引かれるかな、流石に。それに宿題やってないって言ったら真面目な彼女の事だ、絶対早く切り上げられる!言っちゃだめだ。
そこまで考えて、自分が長らく無言になっていることに気付いた。
「そっか、ごめん。今すぐ会おうとか言って・・・」
彼女は、そう言って踵を返した。待て待て!
とっさに手首を引っ掴む。それが痛かったのか、ショックだったか彼女は泣きそうな顔をしていた。
「違う!違うから、俺、会いたかったって言ってくれたのが嬉しくて、えと、俺もずーっとお前の事ばっかり考えてたから!」
彼女は安心したように笑った。でもその笑顔のまま
「嘘っぽい」
と言った。
「本当だって!俺が、話すのにちょっと時間がかかること知ってるだろ!?」
必死になってフォローしてるのに、彼女はクスクス笑ったままだ。
「焦ってる時、良く喋るよねー?」
考えてることはもっと多いんだけどね。うう、機嫌直ってるのかどうか判断がつかない。
「ごめん、本当にお前の事ばっかり考えてた。今って返ってきたとき嬉しかった」
言ってから恥ずかしくなった。すぐ顔に出るタイプなのでこの熱さは、顔が赤くなってることだろう。
「うん。でも、不安になるから、早く答えてよ」
「ごめんなさい」
正直に謝ったらまた彼女は微笑んだ。
よく笑う彼女で、俺は彼女の笑い方が好きだ。
それを口に出せるのはあと何年先か・・・いや、その時まで付き合っていられるだろうか・・・。
彼女は、俺より少しだけ背が低い。少しだけなのが悲しい。




