2.樹獣狩り
「さて一色、湊·····。俺たちでチームを組もう!」
藍太郎が真っ先に一色と湊を確保した。
それもそのはず。入学試験1位とそれを破った謎の男。組まなければ損だ。なんせこの樹獣狩りは成績に入る、かなり重要な行事なのだから。
2人は藍太郎の誘いを了承し、次にサポート役を探す。
「僕、いい人知ってるよ」
「本当か?」
湊が辺りを見渡し、声をあげた。
「皐月〜!」
すると、向こうの方からこちらに走ってくる人影があった。
「どうしたの湊?もしかして勧誘?」
皐月と呼ばれるその女性は活気のある声で、いかにも体育会系って感じだ。
「正解。チーム組まない?」
「いいよ、組もう!」
二つ返事で了承がもらえた。これでチームが出来上がった。
「はじめまして!私は大佛皐月。樹力は一目瞭然!見た景色にある物全てが分かります!」
「俺は大鴉藍太郎!樹力は衝撃波だ。よろしく」
「黒神一色だ。よろしく」
一通りの挨拶を終え、一色たちは出発しようとしていた。
そこに補助で来ていた凛が、こっちに来た。
一色に凛が挨拶をした。
「来てたんだ、一色」
それは喜びが溢れ出る様な声だった。
「ほぼ無理矢理ですけどね。凛はどうしてここに?」
3人はキョトンとした顔で2人を見た。
一色がそれを見て、凛は子供の頃からの付き合いの長い人だと言った。
「湊くんと藍太郎くんと皐月ちゃんだよね?」
凛が3人の名前を呼んだ。
「一色をよろしくね!」
「「「はい!」」」
そう言って凛は森の方に行った。
「優しいね、凛さん」
「あぁ、そうだな」
一色の顔には笑みが溢れていた。
「それじゃあ出発だな!行くぞ!」
「おー!」
藍太郎と皐月の掛け声ともに4人は森に入った。
ここで一旦樹獣について説明しよう。
樹獣とは、世界樹の守護を目的とした獣のこと。見た目こそ獣だが、体は木や動物の死体でできている。
小戦級、中戦級、大戦級に階級が分かれ、ほとんどが小戦級で、中戦級は群れに1匹か2匹程度。
大戦級は、現在までの記録で、6匹確認された。
討伐には覚醒者が2人は必須になるほど強い。
他の等級も侮ってはいけない。
それほど樹獣は恐ろしいものなのだ。
「あのちょっと大きい木の下。いるよ。群れっぽいね」
皐月が樹獣を見つけたようだ。
「どうする?走る?それなら僕が皐月を担いでいけるけど」
「それで行こう」
3人が走り出し、あっという間に樹獣の前に着いた。
「湊は皐月を守りながら攻撃。藍太郎は俺と近接でやるぞ」
「「了解」」
まずは、藍太郎が手前にいる樹獣を殴り、木っ端微塵にした。後に続き、一色が剣を作り切りかかった。
湊が2人に合わせるように、火の矢、水の弾を放ち、援護する。
順調に樹獣の数を減らし、残りも少なくなる。
「奥!中戦級が攻撃しようとしてる。範囲攻撃かも!」
皐月が声を上げ、一色と藍太郎に警告した。
「藍太郎!湊たちのところまで下がれ!」
「分かった」
そう言って藍太郎は下がった。
3人を背に一色が立ち、盾を作り出した。
その瞬間、辺りが突然作り出された岩によって破壊された。
一色の盾が無ければ、全員尖った岩で串刺しになっていただろう。
「かなり強いぞ。気を付けろ」
一色が鎧を纏い、樹獣を睨む。
刹那、樹獣が地を操り攻撃を仕掛けてきた。
湊がそれを氷で防ぎ、藍太郎、一色が横から飛び出していった。
樹獣は先の同じような範囲攻撃を仕掛ける。
しかし、さっきの様に上手く足止めはできない。
一色は向かってくる岩を砕き、藍太郎は高く飛んだ。
一気に距離を縮めた一色が大剣を作り出し、横薙ぎを放つ。
それは華麗に躱されてしまう。
「藍太郎!」
しかし、それは2人の想定通り。
「おらぁ!」
避けた着地点ぴったりに藍太郎が着地し、拳を放った。
周囲の空気が揺れる程の衝撃波と共に、樹獣は砕け散った。
どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。




