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生きていて感じたこと

作者: りんたろう

私は友達を作るのが下手だ。

人と人は所詮は他人同士だと子供の頃から感じていた。

もちろん話す人はいる、彼女だっている。

だけど、何かが違うと今も感じている。



私は自分のことなどどうでもいい。

生きようが死のうが、自分の人生なのだから。

だが、他人は別だ。

その人にはその人の人生や考え方がある。

私なんかに大切な時間を使わせてしまっている。

心の奥でいつも考える。

部活で高校3年間、汗水垂らし、涙を拭い、肩を組んで笑いあった友。

そんな彼とも大学勉強に打ち込めない私は距離をとるようになってしまった。

いつからだろうか、彼の目を見ることが出来なくなった。

怖かったのだ。

私は彼と関わる権利があるのだろうか。

そう考え始めると隣を歩くのが申し訳なくなった。

私と関わることで彼の人生を邪魔してしまうのではないかと。

彼は強いひとだ。

自分で決めたことは納得いくまでやりきることの出来る。

そんな彼に私が何か出来ることはあるのか。

彼の傍から離れることしか思い浮かばなかった。

彼と対等にいることが出来ない私は彼から離れることにした。



今までの短い人生で何度このような場面にあったことだろう。

その度に私は友を失い、自信をなくした。

だが、不思議なことに人との関わりを求めてしまう私がいる。

1人は寂しいのだ。

誰かから必要とされていたい。

そばを離れないで欲しい。

無条件で愛してくれる人はいないのか。

大きな矛盾を抱えて生きてきた。



大学に入り、たくさんの友達が出来た。

その中でも唯一、こいつは友達だと自信を持って言えるようなやつができた。

そいつは勉強ができない俺に呆れつつも気づけば横にいてくれた。

嬉しかった。

そいつにだけは見捨てられたくない。

これまで逃げ続けた私も変われるだろうか。

まだ分からない。

頼む。

私を1人にするようなバカな真似はもうやめてくれ。

寂しいくせに人との関わりを断つようなことをするのをもうやめてくれ。



そいつの横を堂々と歩けるような、笑って死んでいけるような人生にしてくれ。

矛盾だらけの私は私に強く願った。



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