~桃喜多香奈子の憂鬱~
私の名前は桃喜多加奈子と言います。漫画・ち〇かわをこよなく愛する、一介の「ヤバ校」の現番長です。世間的には「黒鬼」なんて呼ばれておりますけれども、ちい〇わのキャラクターみたく、もっとかわいいあだ名を付けられたかったよってのが正直な気持ちです。
私の普段の姿は正にゴリラそのものなんです。いえ、比喩だとかそう言う意味では無くてですね、どこからどう見てもゴリラなのです。どうせなら、ちいか〇に出てくるキャラクターの様な愛らしい外見(ry
この奇妙で厄介な私の体質の理由ですけれど、どうやらご先祖様が誰かしらに掛けられた呪いが原因らしいのです。その呪いが代々受け継がれ、私の家系はずっとこの屈強な外見に悩まされてきました。そう、これは一族全員が逃れることのできない運命でして、思春期に差し掛かると体に劇的な変化が現れるのです。ええ、勿論、例外なく、男女を問わず、みんな、まんま、ゴリラのような外見になってしまうのです。
ですが唯一救いなのは、ひと月に一度だけは元の姿に戻る事を許されておるのです。ええ、この私とて、この貴重な一日だけは、本来の超絶美少女に戻れるご褒美デーなのです。
その私の家系ですが、先祖代々が最強の格闘一家なのです。古来よりありとあらゆる流派の武闘家たちに挑み、そして沈めてきました。その事により、同時に色々な人達から恨みも買った事でしょう。それらの怨念が呪いとなって、我等の家系に纏わり着いたと言うのが一番有力な説なのです。
ゴリラと違わぬ見た目とパワー……しかし、そのお陰で私の腕っぷしの強さは折り紙付きなのです。元々幼い頃から喧嘩で負けた事もなかったですし、思春期を迎えてからは、より一層喧嘩に明け暮れる日々がスタートいたしました。
そうして、ここいら近辺では一番ヤバイ高校の死立夜刃㋼☍業高等学校(通称「ヤバ校」)へと入学する事となりました。
私の家系では、年齢が小学校に上がる歳に達すると、武者修行の為に世界中を旅せねばならないという掟があります。ええ、正直な所、その武者修行で世界中を転々としていたお陰で、小中学校とまともな教育を受けていないのが現実です。特に勉学面は知識が皆無に等しいのです。ええ、平たく言うと私はアホです。
おまけに月一意外の姿はゴリラとして生きているものでして、どうやら知能はどっちかと言うとゴリラ寄りとなってしまっているのです。本当に最悪の極みなのです。
ちなみにですね、私的な〇いかわでの推しキャラはと申しますと、気は優しくて力持ち系のオ〇さんや島〇郎さんですね。ええ、やはり私も格闘家の端くれですからして、己の肉体をフル活用しているパワー系のキャラクターに惹かれちゃうみたいです(笑)。
とまあ、そんな訳でして、こんなお馬鹿な私を受け入れてくれる高校と言えば、ここ「ヤバ校」しかなかったって訳ですよ。いやはや仕方なしからのお恥ずかしい限り。いえいえ、高校に入学できただけでも、有難いと思わなければなりませんよね。
そいでもってですね、そこで当時「うおおおぃ」が口癖のリーダー格っぽいデブ野郎さんとか名乗る、ふざけた雑魚野郎を入学初日に速攻でボコった訳なのですが、そいつがなんと当時の「ヤバ校」の番長だったのですね。はぁ、あんなにも弱っっちぃのに番長とは片腹痛いですね(笑)。
それで、この私がその元番長と入れ替わる形となり、現「ヤバ校」の番長となりましてね。それからはとてもスピーディーに、「ヤバ校」はおろか、近隣の平和をも統制してやったりましたよ。そんなものですから、「ヤバ校」の「黒鬼」ってな通り名は、瞬く間に世間に広まったってな寸法ですね。
それはそうとですね、ゴリラではない時の私の容姿の事ですよ。自分で言うのもなんですけれど、黒髪ロングの正統派清楚系美少女で可成り可愛いのですよ。その姿で街を歩こうものならば、誰しもが振り返りますし、ナンパ目的で何人もの殿方にお声だって掛けられるのですよ。有体に言えばモテるのです。
そこでですね、この私の一番の想いとしては、せめて美少女の姿でいられる貴重なこの時間だけは、普通の女子高生として平温に暮らしたいと言うのが切なる願いであったりするのです。そう、野蛮な不良共とは一切の絡みのない、ましてや「赤鬼&青鬼コンビ」とも全く接点の無い一般人でありたいのですよね。
ですから、この件は私の大親友である、蘭丸ちゃんと響輝ちゃんにはちゃんと説明して了承を得てはおりますです。そう、「私が美少女時の間は、二人とも赤の他人って設定で御願いね」ってね(笑)。でもそこは愛する親友である「赤鬼&青鬼コンビ」ですん。快く受け入れてもらいましたとさ。愛してるぜ、二人とも。チュッ(^ε^)-☆Chu!!←ディープキス
あっ、その二人とは、喧嘩最強で名を馳せる「赤鬼&青鬼コンビ(眞田蘭丸&綾小路響輝)って言うんです。幼稚園からの幼馴染でーす(笑)。海外から帰ってきて、二人がそんなに有名になっているって聞いて驚いちゃった(笑)。
そうそう、その「ヤバ校」にて、忘れてはならない、私の一の舎弟・右腕には、忠実なる下部である猿渡小鉄ってのが居るのです。その小鉄なのですけれど、入学初日の教室で真っ先に子分になりたいと言ってきたのですよ。んまあ、私も小鉄とは初めて会った時から嫌な感じはしなかったですからね。そこはかとなく小鉄から溢れ出る親近感から、私もその申し出をすぐに受け入れたのですよ。
ふむ。何せ小鉄は生粋の猿顔ですし、私とて通常時はまんまゴリラの見た目なのですよ。そう、いつかどこかの古い文献で読んだ事が有ります。どういう理由かは分からないが、『類人猿』は『猿人類』といずれひかれ合うのだと。その理論からすれば、私と小鉄が仲良しこよしになったのも納得です。要約すると猿とゴリラって事ですね(笑)。サルゴリラ(笑)。
しかしながら、ヤバい猛者が幾人も集う「ヤバ校」です。都合の良いゲームの様に、大元の元番長を倒せば「ヤバ校」が従ってくれれば容易かったのですけれど、そうもいかなかったのですね。当り前ですけれど。
そうです、「ヤバ校」のトップを狙っている輩は他にもゴロゴロいたのです。番長を倒したとしても、次から次へと覇権を狙う輩が現れるものだからして、結局完全に私が「ヤバ校」を統率するのには、何と一年もの期間を要してしまったのです。ふぃー、その間にずっと付き従ってくれた小鉄には感謝の念が尽きないのです。主に私がゴリラの時の通訳として大活躍してくれました(笑)。
とは言え、悪の吹き溜まりとは言うものの、殆どが格闘素人の不良共を完全に沈黙させるのにここまで時間が掛かってしまった形です。私もまだまだ未熟者と言う事ですね。反省です。
そうして、何やかんや二年生となった私と小鉄です。
桜舞うあの季節の新学期、私にとって忘れられぬ衝撃的な出会いが訪れたのでした。
この日は幸運にも、私が月一の美少女になれる日だったのです。こんな貴重な一日なのに、しみったれた学校になんか行ってられるかよってな話ですよ。
ええ、そうですよ。だから街へと繰り出す為に、「ヤバ校」とは真逆の進路を取っていたのですよね。
そして、あの日は朝から私にずっと付きっ切りの小鉄に、学ランの方が似合うと無理やり着せられそうになっていたのです。ホント冗談じゃないし。
この私は月に一度しか着られないセーラー服を着たかったのです。そんなしつこくて阿呆な小鉄曰く、「「ヤバ校」番長たるもの、学ランをビシッと着こなして堂々としてへんとアカン。それに女子が学ランとか萌えるやん。素敵やん」と。てか、お前の趣味を押し付けるなよと(笑)。
ついでに付け加えますと、私は大のセーラー服好きでしてね。「ヤバ校」に入学した理由も、女子のセーラー制服が可愛かったからなのであります。
その私がセーラー服好きの理由って言うのも、これまた私が大大大好きな漫画で「明〇ちゃんのセーラー服」ってなタイトルの物が御座いましてね。物語冒頭のあらすじとしては、ブレザー指定の学校だけれど、ちょっとした手違いがあり、主人公がたった一人だけセーラー服を許可されているってな感じなのですよ。これにバッチリやられましてね。それからセーラー服に首ったけですよん、私ってばさ。
そして、何と何と、ここ「ヤバ校」で採用されているセーラー服のデザインがですね、その「〇日ちゃんのセーラー服」の劇中で出てくるセーラー服と酷似しているじゃありませんか。んまあ、これが決定打となりましたね。
そいでもってまあ、その漫画になぞらえまして、通り名も「桃喜多ちゃんのセーラー服」みたいに改名したいのが本音でして。……てか、今更だけど何だよ「黒鬼」って。全然可愛くないし、禍々し過ぎるわ(笑)。
でもね、「桃喜多ちゃんのセーラー服」だと、微妙に語呂が悪くって高らかに言えない所が、近々での悩みどころだったりしますのよね。それに私が着れるのは体質の問題で月一ですしね。ウエーン(泣笑)。
その私の特異体質も知っていながら、小鉄はちっとも乙女心を分かってはくれないのです。優秀な右腕であることは認めますけれど、そこだけは劣っているのですよねえ。
そして、運命のあの出会いが訪れる訳です。
そんな制服の押し問答中な、渦中の私を助けに来てくれた白馬の王子様こと、ナイト一本気進君ですよ。……小・中学校と世界中を武者修行で廻っていた私です。色々な猛者と生死を賭けた戦いの中で、勝つ事だけが正義であったし、その事にかなり執着していました。もっと言えば、他の事に関心を向けている余裕なぞも無かった訳でして。そう、バトルの流れで、誰かを助ける事はあったのですけれど、助けられることは初めてだった私なのですね。ええ、秒で彼に一目惚れ。私は進君に恋をしてしまいましたのよ。言わずもがな、初恋でありますのよ。いやん、超好きぃ(笑)。
何より進きゅんってば、顔とか私の超好みでしたしね。ふむ、所詮は顔ですかって? うん、そりゃそうでしょ(笑)。んまあ、中身も大切とは思いますけれど、あの悪名高き「ヤバ校」生徒に単身で向かって来てくれた時点で合格ですことよ。世界中をぐるっと廻って来て、世の中のピンからキリまでありとあらゆるクズ人間を見てきた私が言うのだから断言できますよ。物理的な武力で言えば、あんまり強くは無いけれど、進きゅんは正義の心を持ってると確信していますわよ。それは目を見れば分かるもの♡
しかもその進きゅんは、蘭丸ちゃんと響輝ちゃんと同じ「テク校」に入学するって言うじゃありませんか。これって超絶赤い糸で結ばれ的な、かなり運命の出会いじゃんって感じなのよね。
あっ、もうこれ結婚するしかないでしょ。ひゃー。
……ああん、ここに来まして、もうそろそろシンデレラタイムの終了の時間みたいです。ええ、そうですね。間もなく私はゴリラの姿に戻ってしまうのですよぉーヤダー(涙)。
こうなってしまうと語彙が「ウホ」くらいしかなくなってしまうのが難なのよねえ……。だから猿語を理解しつくしている小鉄の通訳は可成り優秀なんですよ。それか最悪スマホで筆談になっちゃうんですよねウホホ。
ほらね? この通り語尾に「ウホ」が浸透してきちゃっていますでしょう? 最終的には「ウホ」しか喋れなくなっちゃうんです。最悪でしょう? (苦笑)。
まあいいやウホ。進きゅんはどんな手を使ってでも、私のものにするんだウホ。待っててね進キュンウホホーイ。ウホホ。
何だか最後は私の回想にて、感動系っぽく終わらせようとしたけれど無理だったみたいウホ。
……あっ、これはちょっと恐縮至極な案件なのだけれども、ここで私がよく見る夢の話を聞いてくれるかしらウホ。そう、その夢ってのはね、私がとても疲れている時だとか、ちょっと軽く寝込むくらいの風邪をこじらせた時なんかに必ず見る夢なのですウホ。うんうん、皆まで言わなくて良いですウホ。私だってよく分かっていますともウホ。他者が話す夢の話って、とんと面白かった試しがないですものねウホ。それを承知の上で語らせて下さいウホ。ざっくりと内容を話しますと、その夢の中では、妖怪と人間が共存している世界に私は住んでいるみたいなのですウホ。同じ夢をあまりにも頻繁に見る物ですからね、その夢で見ている世界は並行世界の私だと感じているんですよウホ。んまあ、根拠も何もないから。単なる女の勘としか言いようがないのですけれどもねウホ。それでね、その世界線では、この私が呪いでゴリラになるだとか、その様な生易しい物では無くてですね、ガチの醜くて狂暴な妖怪と成り果てちゃうのですウホ。ただ、こっちの世界での月一美少女縛りの私同様に、あっちの世界の私が化け物になるのは月に一回だけの模様なのですウホ。そこの所が不幸中の幸いかなって感じですウホ。けれど厄介な事に、その妖怪に変化せし際には、私の自我も完全に失われてしまっちゃっているんですウホ。意識も消失してしまい、兎にも角にも暴れ回るものだから、私が変身している間の24時間は、ずっと自宅の地下室に設置されている檻の中での監禁生活を余儀なくされるんですよねウホ。それでね、この私には少し年上の兄が存在していてね(こちらの現実世界にも実在しています。現在は大学の二年生です)、あっちの世界ではその兄ががっつり呪術師でありまして、私の呪いを解く為に日々奔走してくれているっぽいのですよねウホ。そうして、毎回その夢のラストで兄が、「いつか必ず元の姿に戻してやるからな……」と、ガチで涙するのですウホ。そんな兄の姿を身て、牢屋の中から化け物の姿となった私も、兄をじっと見詰めながら静かに涙を流すんですウホ。
ここでいつも私は目を覚ます訳ですけれども、決まって現実でも涙を流しているんですよねウホ。
どうでしょうかウホ? この様な夢のストーリーならば、もうちょっとお涙頂戴系に出来たのではないかと思いますがウホ。実際の話でないのが残念ですウホ。
んまあ、いくらifの話をしても仕方が無いですウホね。切り替えていきましょうウホ。
え? もう終わりですウホか?
……だそうですウホ。
はい、そんじゃあま、潔く、これにて終了ですウホ(笑)。バイバイですウホ~(笑)。




