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没案 夜  作者: 晴日 アオ
2回め
4/20

3 ヘイオン1

高校は自転車で30分。

文系よりで可愛い制服ではなく、私服の学校だ。


今日は入学式で、一年生一同が体育館に集まる。

ただ、集まったみんなは私服で自由な格好だった。

親の説得を押し返してでも、私服で来ればよかった。


お偉い先生による謎の読み上げが終わり、クラスに向かう。


その前に一騒ぎあった。

誰かの上履きの履き間違いが起こったようだ。

体育館を出て、とめられた。

自分の上履きを確認して、安心。

皆、確認している。


不思議だった。


喋っている声が聞こえる。


誰と誰が喋っているのだろうか。

もう、友達ができたのだろうか。

置いてかれているような焦りを感じる。

誰かと喋らなければいけないのだ、という圧力を感じる。

でも、まだだれも知らない。

話せるわけがない。


じゃぁ、今話している人たちは、


ココから動けないのがもどかしい。

惨めで、逃げ出したいのに。


先生は、見つかりました。

と言って、教室に向かう流れを再開させた。


足が動き出して、安心した。


こんな考えができるようになった。

きっと、中学が同じ子がいたのだろう。

だから、大丈夫だ。


私も楽しくやれるだろうか。


不安だけど、頑張っていこー


ヒトミと楽しんだ記憶が蘇る。

高校も、一緒だったら良かったのにな。


クラスに着いた。




席は名前順で、前から3列目の廊下寄りとなった。


私はまだ、誰とも喋れていない。

先生だけが喋っているように感じる。


ぼんやりと、

昔読んだ15少年漂流記がどんなのだったか思い返していたら、

とっくに色々終わっていて、解散ということになった。


次の日、私は誰かと話そうと決心した。




登校して、席につくと、

座ったことを後悔した。


これではしゃべりにくいではないか。

また、立って誰かに喋りに行くのも恥ずかしいし。

というか、誰と喋れるのだろうか。


そこに座っている人だろうか。


どうやって、話しかければいいのだろうか。


こんなので、楽しい明日はあるのだろうか。


何もできないまま、朝礼が始まってしまった。


そして、高校案内が始まった。

先生が先導して、教えてくれる。


私は、耳に意識を集中させないようにして、

趣のある建物を見ていた。

虫の巣窟でありそうだ。


中学の頃はもっと強かった気がする。

なぜ、弱くなったのか。


ヒトミと過ごした日々は幸せだった。

でも、それはなぜだっただろう。

思い出せなくなってきた。



教室に戻って、耳を開放した。

そしたら、喋り声が聞こえてきた。


楽しそうだ。

嫌でも目にうつってくる。


楽しそうな一団がいる。



私は、その枠から外れている。


こどくだ。


寂しい。


下を向いて耐えた。

垂れ下がってきた髪が見える。


ヒトミとかわした約束、

それは、高校にいっても、一緒に遊ぶこと。


でも私は今が耐えられそうにない。


誰か助けて。

情緒不安定!!!

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