実力確認試験 中編
ハリスが近づいてきてるな、そろそろ会いそうだし、こっちから声をかけるかな。
「オークの様子はどうだった?」
ハリス「明らかに周囲の様子をうかがってる感じでしたね。あの様子だと巣が近くにあると思います。そいつらの会話を盗み聞いたら、♀が妊娠してるやらボスに対しての愚痴とか後は、キマイラは居ないかとか言ってましたから。」
カリス「やっぱりか…キマイラから逃げてきたのね。魔物の会話を理解できるのは大きいわ!でも不味いわね…オークの繁殖力はゴブリンに次いで強いから…場所とかは話してたかしら?」
ハリス「場所は俺が見つけてるぜ!簡素だったけど門まで建築してましたよアイツら、会話を盗み聞いた奴は丁度門から出てきた奴らで跡をつけてきたんだ!」
カリス「そうなのね…キマイラの縄張りは西の奥地だから、縄張りに間違って入って追いやられたのでしょうね!後は巣の現状の確認をしたいわね…その前にお昼にしましょ!携行食は持ってきてるわよね?」
「持ってきてますよ!従魔は食べるのが早いので焼いた肉ですけどね(苦笑)とりあえず食べましょう!」
ボルト「よっしゃ飯だ!やる前に腹ごしらえ〜♪」
ナズナ・メリナ「ボルト!はしたないわよ!」
シャリス「ナズナとメリナの言う通りよ!私達はもう子鬼じゃないんだから!もう少し言動を考えなさい!」
「はは、別に大丈夫だよ!ボルトらしいし、リラックスしてた方が良いからね!」
ボルト「ご主人あざっす!」
シャリス「む〜…ご主人は優しすぎます!」
カリナ「シャリスちゃん、今はリラックスしてた方が良いわよ?これから神経を使う事をするんだから!私はギルドに連絡を取るわね!」
カリナ『こちらカリナ応答願います!』
バラッシュ『こちらバラッシュ!カリナ君!何か進展があったようじゃの?』
カリナ『マスター!?はい!オークが浅い所で発見される理由がわかりました!キマイラから逃げてきたようです。そのキマイラはアリストの従魔達が倒しましたけどね…場所は街から西へ40〜50分ほど歩いた距離です!斥候をしていたものによると近くに巣がある模様!簡素ながら門を建築されているという話なので、上位個体やキングがいると思われます!至急応援を願います!』
バラッシュ『なんと…アリスト君の従魔はそこまでの強さなのか…オーク達はその予想であってそうじゃな!街の住民には街の外には出ないよう通達を代官に出してもらって、後発でAランクパーティに向かってもらうぞ!たまたまなのじゃがSランクパーティ【スカルスミルトン】が街に帰ておっての話をしたら向かってくれるそうじゃ!』
カリナ『本当ですか!?それは心強いです!私はアリストと巣に近かづいて、もう少し情報が手に入らないか向かってみます!』
バラッシュ『あまり無茶をするんじゃないぞ?もう現役のSランク冒険者じゃないのじゃからな?Sランクパーティに連絡の魔法具を持たすので連絡を取って合流してくれ!後は、任せるぞ?」
カリナ『わかってますよ!巣の近くの潜伏できる場所で待機しながら連絡を取りますね!マスターも対応お願いします!では!』
カリナ「連絡がついたわ!マスターが出るとは思わなかったけど…後発でAランクとSランクパーティが向かってくれるそうよ!」
「Sランクパーティ!?街に来てたんですね!どんな人たちなんだろ?」
カリナ「【スカルスミルトン】ね、元々はゴロスルで活動してたんだけどAランクに昇格してから王都で活動してたのよ!まさかSランクに昇格して帰ってくるとは思わなかったわ!」
「地元の人達なんですね!心強いです!従魔達を見てなんと思うやら…」
カリナ「大丈夫よ!私がいるし!話せばわかってくれるわよ!」
「そうですね。上位ランクになったら柔軟な思考じゃないとやっていけませんよね!」
カリナ「そうよ!まだアリストは若いから難しいかもだけど、出来るようになるわよ!話はここまで!ハリス君!潜伏できそうなとこってありそう?」
ハリス「見つけてます!俺かさっき潜伏してた所なら簡単には見つからないと思います!」
カリナ「それじゃそっちに移動しましょう!着いたら【スカルスミルトン】に連絡してみるから!」
ーオークの集落近くの林ー
ハリス「ここなら簡単には見つからないですよ!」
カリナ「そうね!集落も見えるし!早速連絡をしてみるわね!」
カリナ『こちら副ギルドマスターのカリナ!【スカルスミルトン】応答願います!』
パリストン『こちら【スカルスミルトン】リーダーパリストン!カリナさんお久しぶりですね!話は聞きました!まさか戻ってきたら街の近くにオークが集落を作って不味い状況なんだってマスターから聞いて、メンバー達にも話して急いで向かってます!Aランクパーティ【トールの鉄槌】も一緒に行動してます!」
カリナ『久しぶりね!Aランクパーティは【トールの鉄槌】だったのね!私は今、オークの集落近くの林に身を隠してるわ!そっちに誘導するから向かってきて!』
パリストン『わかりました!誘導お願いします!』
ー20分後ー
パリストン「メンバーを代表して、初めまして!俺は、Sランクパーティ【スカルスミルトン】リーダーのパリストンだ!今回は緊急依頼で、来ている!よろしくな!」
ドリトン「メンバーを代表して、お初にお目にかかる!Aランクパーティ【トールの鉄槌】リーダーのドリトンだ!緊急時の増援部隊になる!よろしく頼む!」
「初めまして!僕はCランク冒険者のアリストです!後ろの子達は従魔です。よろしくお願いします!」
カリナ「よく来てくれました!紹介はいらないと思うけど一応、冒険者ギルドゴロスル支部副ギルドマスターのカリナよ!アリスト君の特例Bランク昇格実力確認試験の試験官として同行してるわ!」
パリストン「早速で悪いんだが…状況はどうなってるんだ?」
カリナ「今、アリストの斥候が出来る従魔が集落に偵察に行ってるわ、その情報が入り次第作戦を練ってどうするか決める予定よ!」
パリストン「そうか…ならウチのメンバーにも斥候が出来るのがいるから、行かそうか?」
カリナ「やめた方が良いわ!ここから目視で確認しただけで上位個体と思われるオークが4体確認できたわ!討伐するかしないかは斥候の従魔が戻ってからよ!」
パリストン「マジか!?かなり危険な状況だな!人数を増やすより戻ってくるまで待ってた方が良いな!」
ハリス「戻りました!お?人間が増えてる!俺の紹介よりも手に入れてきた情報を話しますよ?ウチら以外は悲報かも知れませんがね?上位個体に最上位種がいます。」
パリストン「悲報?キングだろ?悲報じゃないだろ?」
ハリス「言い方を間違えましたね…オークの最上位種はキングじゃないんですよ!」
カリナ「え!?違うの?それが本当なら名はなんて言うの?強さは?」
ハリス「名はオークロード、殆どはキングから進化できずに討伐されるか縄張り争いで死ぬんですけどね。見た目はかなり人型に近く知性もあり、キングが可愛く思えるほど強いです(嬉)」『姉さん!標的が現れましたぜ!』
パリストン「キングは最上位種じゃないのか…カリナさんどうします?討伐に行きますか?」
カリナ「私は正直行きたくないけど…シャリスちゃんは?この中で一番強いのは貴方だから判断は任せるわ!」
シャリス「私が判断して良いのですか?(ソワソワ)わたしは行きたいですね!それに中に人間の反応があるから助けないとどうなるかわからないですよ?」
カリナ「はぁ…一番起こってほしくない事が…わかったわ、突入する作戦を練りましょ!」
やっぱりこうなるのか…従魔達がうずうずしてるな皆やりたいって雰囲気ダダ漏れじゃないか…僕が作戦と言うかこうすれば従魔達が喜ぶだろう提案をするかな!
「僕から提案が!上位個体は僕達が受け持つので、皆さんは捕まっている人達を救出したのち討伐に回ると言う事で良いですか?」
ドリトン「大丈夫なのか?まだCランクだろ?従魔達は見たことない奴等だけどやれるのか?」
カリナ「あぁ〜…強さは私が保障するわ!キマイラを討伐するほどだからね…個人で(苦笑)」
パリストン「はっ!?マジかよ!俺達でさえ倒せるかどうかの魔物を個人でだって!?わかった!やれるなら任せるぜ!」
最後までお読みいただきありがとうございます!
後編にする予定がボリュームが多くなったのでもう1話追加しますσ(^_^;)次回こそ後編になりますのでしばらくお待ちください(汗)
全国でコロナの感染が止まらずですが皆さんも感染しないよう気をつけて下さい!
ではでは(=゜ω゜)ノ