実力確認試験 前編
前日装備を整え終えたアリスト達は早めに宿に戻って休み実力確認の試験に備えた。
ー宿屋ミスリル亭ー
ミフネ「アリスト君おはよう!今日は早いのね?」
「あっ!女将さんおはようございます!今日は冒険者ギルドのギルドマスターの特例で実力確認試験があるんです!合格すればBランクに昇格です!」
ミフネ「そうだったのね!良かったじゃない!いつも頑張ってるものね♪合格することを祈ってるわ!」
「ありがとうございます!」
ミフネ「朝ご飯はどうする?作り終わったから出せるわよ?」
「食べたいですけど、時間もあまりないのでいいです。」クソ!試験がなければ食べたかったのに!ミフネさんの料理はいつも美味しのにな(溜息)
ミフネ「それはしょうがないわね、それじゃ行ってらっしゃい!何も聞いてないけど今日中には戻って来れるの?」
「僕も予想つかないですけど戻って来れると思います。試験官が副ギルドマスターですからね!行ってきます。」
ー冒険者ギルドゴロスル支部ー
中に入るとギルドマスターであるバラッシュと今回の試験官であり副ギルドマスターであるカリナが待っていた。
「おはようございます!遅かったですか?」
バラッシュ「おはよう!大丈夫じゃよ!試験内容の最終確認をしていただけで、むしろ速いくらいじゃ!他の奴らにも見習って欲しいのぅ」
カリナ「おはよう!まさかギルドマスターに私の役職をばらされるとは思わなかったわ(溜息)今日はよろしくね?」
バラッシュ「それはカリナ君が言わぬのが悪いんじゃろ!?儂はいつも言っとるじゃろ!副ギルドマスターになったのだから、しっかりせいと!」
カリナ「わかりましたよ!これからは、しっかりしますぅ!」
「え〜と?試験の内容を教えて欲しいんですけど?(あたふた)」
カリナ「ごめんね!アリスト!折角指定してた時間より早くきてもらったのに!」
バラッシュ「アリスト君すまんのぅ…カリナ君!説明を!」
カリナ「はい、今回はマスターの特例でBランク昇格に値するかどうかの実力確認試験を行います!内容は、オークの討伐よ!最近街の西側の森の浅い所での目撃が2〜3日前から多発してるの!これは確認も含まれてるからもし巣や上位種のジェネラル・キングが発見されたら無理に討伐せずに街に戻るわよ?」
「もし遭遇した場合は?どうするんです?」
カリナ「私が通信の魔法具を持っているからそれでギルドに連絡するわ!実は他の複数のBランクパーティも参加してるの!そちらはクエストとしてね!だから無理をする必要はないわ!」
安心とまでは言わないけど無理する必要が無いのはいいな!オークジェネラルはAランクの強さでオークキングはSクラスだからな(汗)ランクの理由は遭遇すると決まって取り巻きが50匹ぐらい居るせいなのと標的自身が強いからなんだけどね(苦笑)
「安全マージンがあるのはわかりました!ただ他のパーティより早く出る理由は?」
カリナ「よく気づいたわね!それは一緒に出てしまうとオークに遭遇する確率が落ちて最悪出会えないからよ!会えなかったら試験をする意味がないからね!」
「了解です!それじゃ早速向かいましょう!従魔達が興奮してて(苦笑)」
ボルト「顔に出してないのによく気づきましたねご主人?」
シャリス「雰囲気でわかるわよ!まったく(溜息)すみませんご主人」
カリナ「せっかちなのね、わかったわ!それじゃマスター行って参りますね!」
バラッシュ「気をつけて行ってきなさい。緊急事態になったら連絡するんじゃぞ?Aランクパーティも待機させとるからの!」
ーゴロスル西側の森入口ー
カリナ「それじゃ試験を開始するけどひとつだけ!ここから私は口を挟まないからアリストのいつも通りの探索を行って!」
「わかりました!ハリス!先行してオークを探して!隊列は先頭はメリナ次にボルト・ナズナ・僕で殿はシャリスで!行動開始!」
従魔達「はい!」
カリナ『しっかり統率が取れてるわね、Cランクパーティだと上手く統率が取れなくてもたつくのにそれが無いわ!信頼されてるのねアリストは!』
ー30分後ー
「おかしいな?気配探知してるけど魔物はおろか動物の気配すらないなんて…メリナ・シャリスはどう?」
メリナ「私も気配を感じませんね…おかしいです。」
シャリス「私もです。試しに千里眼で周囲の確認をしますか?」
「うんやってみて!」
シャリス「では、千里眼!…止まってください!魔物や動物すらいない理由がわかりました!」
「え!?わかったのかい?」
「気配探知の範囲外に3匹います!キマイラです!」
カリナ「何ですって!?不味い!ギルドに連絡するわ!」
うわ〜よりにもよってキマイラか…S〜SSランクに認定されてる魔物じゃないか!流石に僕らだけじゃどうしようもない化け物だよ!ハリスが心配だな。
カリナ「シャリスちゃん、襲いかかってきそうなの?」
シャリス「問題ないですよ?ハリスが押さえ込んでるので!ただ三匹同時は戦いづらいので加勢に行きたいんですけど構わないですか?」
カリナ「は?………本当なのそれ!?わかったわ行きましょう!」
ー西の森中心部ー
シャリスの誘導のもと奥へ急いで進んでいくと切り開けた広場に出た!そこの中心部で獅子の容貌に尻尾は蛇、獅子の顔と並んで羊の顔と翼がある獣とハリスが戦闘していた!
キマイラ「ガァー!」
シャリス「ハリスよくやったわ!メリナとナズナは援護をボルトと私は1匹ずつやるわよ!行動開始!」
「「「はい!」」」
ハリス『姉さん達の到着か…ようやく全力を出せるぜ!すぐに終わるなよ?身体強化!!特級短剣技・分割斬!!』
シュン!………斬!
ボルト『ハリスめぇ〜1人だけ美味しい思いしやがって!俺は最初から全開だぁー!身体強化!!特級剣技・雷神!!』
バチバチ!チュドン!!!
メリナ「!!ご主人とカリナさん!シャリスねぇが全力を出しますので!もう少し離れていてください!」
「わかったよ!カリナさん離れましょう!」
シャリス『ふぅ〜ようやく全力を出せるかもしれない奴が来たわね!すぐに死ぬんじゃないわよ?リミッター解除!!ハァァァァァ!特級鈍器技・鬼神の鉄槌!!』
スゴォゴゴゴ!ズドォン!!!
え〜…ナニソレ?…鑑定でスキル確認した時、そんなの無かったよね?種族固有能力なのかな?全身から真っ赤なオーラ出てるよ?離れてって言った理由もわかったよ!鳥肌がヤバい!あんなの間近でされたら萎縮しすぎてショック死しちゃうよ!
カリナ「……何がどうなってるの?キマイラは最低でもSランクに分類される魔物なのよ!?それを一撃って…それに従魔達も急に雰囲気が変わって何を喋ってるのかわからなかったんだけど?」
「それは魔物語ですね。皆は本来話す言語は魔物語なんです。僕は喋れませんけど、言語理解を覚えたので理解できます。」
カリナ「そう…なのね…理解しきれたわけじゃないけどヤバいわね」
報告とマスターからはAランククラスの強さと聞いていたけど、話以上よ!Aランクなんかじゃないわこれ!SSランククラスの強さよ!どう報告したものかしらこれ?
従魔達「ご主人!どうでした!」
「皆凄かったよ!ただし!僕を驚かせたかったんだろうけど、ちゃんと、話をしてね?驚きを通り越して言葉を失ったよ!」
従魔達「「はい…そうします」」
カリナ「気落ちしてないでオークがなんで浅い所まで来たのか調べましょ?予想はついてるけど」
「そうですね、キマイラの死体は僕のアイテムボックスに入れときますね!余裕で入るんで!」
カリナ「そ…そう?お願いするわ、もう少し森を探索してオークと遭遇しなかったら昼休憩して再度探索しましょ!」
アイテムボックスの容量凄いわね!色々荷物を入れてるはずなのにさらに入れられるなんて…私は無理よ!
ー30分後ー
魔物や動物の気配はあるけどオークの気配は…あった!2匹いるな!近くにハリスが居るし誘導してくれるでしょ!
「カリナさん!オークの気配を捉えました!近くにハリスが居るので、誘導してくれると思います!」
カリナ「了解よ!それを倒したら、昼休憩して巣や上位個体がいないか確認して、ないなら街に戻りましょ!」
最後までお読みいただきありがとうございます!
次回は試験後編です!色々な発展が出来すぎて着地点が大変ですけど、頑張って書いていきます!
ではでは(=゜ω゜)ノ