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12.半年ノ成果

「準備はできたな?よーし出発だ!」


召喚者全員がダンジョン内の攻略済みの広場に集合し、準備が終わったのを確認してオキド団長が指示を出す。


森羅たちが召喚されて半年ほどがたった。毎日の訓練や、最低でも三日に一度行われるメメントモリ大迷宮における実戦訓練によって、召喚者たちは大きく実力を伸ばした。


メメントモリ大迷宮は大迷宮というだけあって広大であり、発見されて長い時が経つ現在でも、未だその底は確認されていない。召喚者たちが膠着を始める前の最大到達階層が、過去の勇者がたどり着いた100層であった。その勇者たちは隔絶した実力を持っていたため、現在100層まで到達できるものはおらず、一般の冒険者であれば10層以下、王宮騎士が訓練に使用する際でも20層までしか潜らない。


そんななか、現在召喚者たちは25層までたどり着いている。王宮騎士の中でも実力のないものはついてこず、団長や副団長など一部の実力者が召喚者とともに25層まで潜ってきている。また、召喚者の中でも実力の足りていない者は上の階層や王宮の訓練場で訓練している。すでに召喚者の間でも大きな実力の差が出てきており、比呂たちトップの勇者パーティーを他のパーティーに合わせて訓練を遅らせることは出来ないのだ。


迷宮内は、20層あたりまではそれぞれ上下の階層に繋がる魔法陣と、階層によっては複数存在する巨大な広場だけで構成されており、言ってみればある種の闘技場、のような形になっていた。そのため、召喚者たちは出現する魔物を倒しながら進むだけで、ほとんどトラップに悩まされることもなく下の階層へと潜っていくことが出来ていた。


だが21層からその構造が大きく変わり、ときに広い通路、ときに狭い小部屋などを持つ、まさに迷宮と呼ぶにふさわしい様相へと変わっていた。


何処にトラップがあり、どこからモンスターが出現するかわからないそんな場所であるので、必然それまでの階層とは違って召喚者たちの口数も少ない。


そんななか、龍陽は軽く森羅に声をかける。


「また副団長に小言言われてたのか?」


「ステータスの無い俺がついてきているのが気に入らないらしい。足手まといだと」


「ここんとこずっと言われてるだろ。言い返せばいいじゃねえか」


「どうせ今日で終わりだ。わざわざ文句言う必要もないだろ」


「ああ、そうだったな」


龍陽は思い出して少し残念そうな顔をする。森羅と一緒に鍛えることができるのは今日が最後なのだ。


「全員警戒!」


オキド団長の声に、二人共会話を打ち切って前方に集中する。今現在いるのは細い通路であり、左右からの襲撃は考えづらい。とすると、オキド団長が注意するように指示したのは前方に広がる空間だろう。森羅たちのパーティーは召喚者の中では最後尾におり、後ろには護衛の騎士が二人いる。後方からの襲撃を警戒するために前に日向子と茜は前側にいるが、更にその向こう側には残りの5パーティーと他の騎士がいるので、前方からの奇襲はそれほど警戒しなくて良い。


「よし!召喚者は前に出ろ!戦闘だ!」


「よし、みんな行くぞ!」


オキド団長の言葉に、比呂が率先して飛び出す。比呂及びそのパーティーの現在の実力はオキド団長に大きく迫っており、騎士の中でも勝てるものはそうはいないレベルになっている。

他のパーティーの実力もそれほどではないが、そのへんの冒険者では戦う技術や能力ではなく、単体の戦闘能力で遥かに敵わないレベルまであがっている。そのため、新しい階層での初めての戦闘ではあるとは言え物怖じすること無く前に出ていった。


「私達とまどか、大樹のパーティーはいつもどおり前に。他のパーティーは後ろで待機、状況を見てスイッチ!」


戦闘に立つ比呂に変わって、雫が指示を出す。比呂は勇者という天職もあって最前線で戦うことが多く、星夜と肩を並べて敵とぶつかっているので、遊撃役をつとめている雫がリーダーとして指示を出すことが多い。雫は感情が激しやすい比呂とは違って冷静なので、単純な戦力だけでなく比呂のストッパーとして全体を支えることにも貢献しているのだ。


集団の先頭がたどりついた場所はそれまでの狭い通路とは違って、そこそこの広さを持つ部屋になっている。20層から下はすべてこの構造を持っており、トラップもそれまでの階層と比べて桁違いに多いので先に進むことが困難になっているのだ。


広場の奥から姿を表したのは、長い腕を持ち鱗のある一つ目の二足歩行の巨人と、岩のような鱗を持った狼である。


迷宮にはそれぞれに内部の特徴や出現するモンスターの特徴に違いがあるが、このメメントモリ大迷宮のそれは、一貫性が見受けられないことで有名だ。浅い階層では動物タイプの魔物が多く出現するが、場所によってはゾンビや低位のスケルトンといったアンデッド系統の魔物が出現し、少し深くまで潜ると今森羅たちの前にいるような固有の種が現れる。おかげで冒険者が様々な素材を集めることのできる場所として栄えてはいるが、戦い方を様々に変えなければならず、なかなかに大変な場所である。


実際に今出てきた魔物も、森羅たちにとっては初めて目にするものだ。


「行くぞ!」


比呂がモンスターに向かって駆け出すと、その体から白いオーラが立ち上り他の召喚者へと広がっていく。比呂の持つ技能“勇者の気”は、勇者として自らのステータスを強化するだけでなく、共に戦う仲間のステータスも上昇させる力がある。仲間を率いて戦う、まさに勇者の力だ。


森羅はそれを拒絶する。それはあくまで借り物の、勇者のおまけとしての力。そんなものに興味はない。


ここ数ヶ月の訓練によって個人の戦闘技術だけでなく、連携を身に着けた召喚者たちは順調に戦闘を運ぶ。


「“金剛力”!」


「“絶盾”!」


それぞれのパーティーの前衛職が前に出て、突っ込んでくる狼とその後ろからゆっくりと迫る巨人を止める。その間に後衛の魔法使いたちが魔法を詠唱する。


それぞれが複数の魔法属性の適正を持ち、高い魔力を持つ召喚者たちの使う魔法はすでに王宮に所属する魔法使いの操る魔法を超えるほどの威力を持つ。


「熱を放ち、渦を巻いて焼き滅ぼせ“炎渦”」


「空を駆け、刃となりて敵を切り裂け“風刃”」


同様の魔法陣で同じ詠唱をしても、魔法の威力は魔力量や属性適正、練度に左右される。召喚者たちの魔法は、魔物を打ち払うのに十分な威力も持って宙を駆ける。


魔法を察知して前衛が下がったところに、モンスターに向かって魔法が直撃する。それぞれに炎の魔法と風の魔法、同時に着弾したことで炎が一層激しく巻き上がる。


ゴウゴウと燃え上がる炎の渦から、雄叫びが一つ。魔物は、死んでいない。炎の渦を突き破るようにして幾体かの一つ目の巨人が飛び出してくる。鱗の一部は焼け焦げているが、本体にはほとんどダメージがない。彼らの強固な鎧は、召喚者たちの魔法では破れなかったのだ。


「各自攻撃して!」


雫がすぐに次の指示を出す。召喚者の中には武器を使って戦うものの、盾を用いて防御をするのではなく、剣や槍によって攻撃する者も多くいる。先程まではタンクの後ろでじっとしていたそういったメンバーが、今度は攻勢に出る。魔物の攻撃を受け止めるタンクと強力して魔物を攻撃し、腕を、脚を、そして命を奪っていく。


巨人の体表を覆っていた強固な鱗は先程の炎でもろくなっており、召喚者たちの攻撃を阻むことはない。


強力な攻撃を打ち込んだ魔法使いは、今度は前衛に支援魔法をかけたり回復魔法をおくることで支援している。


(出番はなさそうだな)


後方で控えて、決められたパーティーが崩れ次第交代するはずだった森羅は、軽く息を吐く。


先程の複数人で同時に放った魔法によって岩のような肌を持った狼はほとんどが倒れ、炎に耐えた一つ目の巨人も前衛の手によって倒されている。戦闘中に前のパーティーと入れ替わる必要はないだろう。


「日向子さん、障壁準備しといて」


「え?」


「良いから早く」


森羅と並んで戦闘を見守っていた龍陽が日向子に声をかける。指示したのは、守るための魔法。それはすなわち敵がまだ残っていることを示している。


「なにか見えたか?」


「あの煙の中」


そう言って龍陽は、先程渦巻いていた魔法の炎の残り滓である、分厚い煙を指差す。


「魔力がときどき見えるんだよな。多分まだ全部生きてる。何してるかはわからないけど」


龍陽が言い終わらないうちに、煙を突き破るようにしていくつもの岩の塊が飛び出してくる。それぞれが直径50センチほどあるそれは、その勢いもあっていくら召喚者とはいえあたったら大怪我をするだろう。


「その壁で、私を傷つけるすべてを拒絶して“空絶壁”」


障壁魔法を準備していた日向子が、前で戦闘しているパーティーの、後衛の頭上に障壁を張る。そこに煙の中から飛び出した岩が直撃して砕け散る。


「煙の中、まだ生きてる!手の開いてる近接組は攻撃を!後衛はもう一度魔法の準備!」


指示が飛び、一度落ち着きかけていた戦闘が再び動き始める。とはいえ、まだ前衛も大きなダメージを受けておらず、後衛も魔力を多く残しているので崩れることはない。


強いて言うなら、倒れたと思っていた敵の不意打ちに憤った比呂が突っ込んでいったことぐらいだろうか。


「この魔物ども…!空駆けるは剣の軌跡“飛翔斬”!」


風を切り裂く比呂の剣によって、未だに立ち込めていた煙が吹き払われる。その中からは、再び投擲の姿勢に入った巨人が姿を表した。赤い岩を持った個体や、手元に今まさに岩を形成しようとしている個体が見える。


一つ目の巨人は、魔法を用いて岩を作り投げ出していたのだ。


「障壁展開!後方はなんとしても止めて!前衛は各自回避!」


打たれ弱さで言えば、どんな前衛よりも魔法使いである後衛のほうが遥かに弱い。だからこその、後衛を守れという指示。


前衛が接近して、煙の中から突っ込んできた個体よりもはるかに多い投擲姿勢に入った個体に辿り着く前に、再び岩が放たれる。


今度は、日向子の障壁に加えて他に二人いる障壁を張れる召喚者によって障壁がはられ、岩の直撃を食い止める。


「あれ、まずくないか?」


「まずいな」


岩が障壁に当たる直前、森羅と龍陽は走り出す。


そして、岩が直撃する。多くの岩が障壁にぶつかって砕け散る中、赤く熱を帯びた岩がその形を解き障壁に潜り込む。


その中でも、直接に後衛に当たりそうなものを見極めて、後衛と障壁の間に割り込んだ森羅と龍陽は斬る。同じく気づいていたオキド団長やレディア副団長も割って入っている。


赤熱した岩だったもの、つまり丸まっていた岩の肌を持つ狼は再び大地に立ち、群れをなして森羅たち邪魔者をにらみつける。


強力な魔法を打ってきた敵を倒さねばならないのに邪魔をするもの。それが岩の肌を持つ狼にとっての森羅たちだ。


「障壁の透過とはまた…。どうやったかだな」


「魔力の波長を合わせてるな。しかもさっきの炎の熱をまとめて魔力に変換している。個体は強くないけどこんな能力を持った魔物がいるんだな」


森羅よりもはるかに多くのものが見えている龍陽が分析する。障壁を越えたことは脅威だが、先程までの戦いを見ていれば、障壁を突破した20程度の狼は直接的には脅威にならない。


******


「っ!後ろに…!」


狼が数体魔法壁を突破したのを見た雫は軽く舌打ちをする。前方では一つ目の巨人を倒すのにはそれほど時間がかかりそうにない。だが、後ろでは魔法使いたちが危険にさらされている。団長や副団長、それに控えのメンバーが残っているのでどうにかなりそうだが、逆に言えば戦いに参加していただけのメンバーでは対処できなかったことを意味する。


雫にはこだわるプライドなど無いが、もし命がけで戦っていたらすでに数名犠牲者が出てしまっていると考えると、苦い思いがする。


「一つ目巨人を倒し次第反転!後方の狼を始末して後衛を救出!」


目の前で両腕を振り上げた一つ目巨人を切り裂きながら雫は声を張り上げる。仲間を守らなければならない。そのために、もっと強く、もっと速く。


雫個人の能力で言えば、多少時間はかかっても一人で一つ目巨人を討伐することはできるし、ここから離脱して高速で後衛を救いに行くことができる。だが、現在雫は召喚者全体の指揮官として指示を出す立場にある。その役目が、雫の能力を制限してしまっていた。


******


「シンラ、リュウヒ。俺達は魔法使いを守る。魔物を倒すのはお前らに任せたぞ」


オキド団長が狼と魔法使いの間に立ちふさがりながらそう指示を出す。戦闘はすでに終わりに近づいており、森羅たち二番手のパーティーには出番がなかったので急遽出来た魔物を森羅たちに任したのだ。


「日向子さん、障壁はっておいて」


「わかった。無茶はしないでね」


「この程度なら倍いても無茶にはならんでしょ」


龍陽が駆けつけてきた日向子に障壁を張るように頼む。その間に茜は魔法陣を完成させ、放つ。


「火よ、球となり、熱を放ちて敵を焼け“火球”」


茜はその場で魔法陣を描きあげているので、他の召喚者と比べて複数の魔法を同時に操るのに長けている。以前は一度に三つが限界だったが、今では威力がそれほど高くない“火球”であれば、まさに弾幕と言っていい量を放つことも可能だ。


「あ、馬鹿…」


龍陽がとっさに魔力のを鞭のように伸ばして、数個だけ叩き落とす。


「ちょっと龍陽君!?何で止めるの!」


茜が後ろから叫んでいるのを聞きながら、森羅は先程の龍陽の言葉を思い出す。


『炎の熱をまとめて魔力に変換している』


先程龍陽はそう言っていた。森羅より遥かに魔力に関して秀でている龍陽の感覚は、森羅では捉えられなかった何かを捉えたに違いない。


「魔法を撃つと逆効果な相手か?」


手が回らずに止められなかった“火球”が着弾し、再び狼の周囲が大きく燃え上がる中、それを見ながら龍陽は答える。


「そんな感じがするな。さっきはあいつらの魔力量が増えてただけだから、多分魔法を吸収する能力なんじゃないか?物理でゴリ押せば楽な相手だと思う…」


ワァオォーン


場を支配するように、重なり合った狼の遠吠えが響く。同時に、ただ燃え上がっていた炎が収束し、勢いを持って形を成す。


「これは?」


「パワーアップしたな。盛大に」


「だろうな」


激しく燃え上がる炎の中に、狼の目が光る。炎が狼の体をかたどっていることからも、その異変は、狼が魔法を利用した結果だとわかる。


「近づけるか?」


「なんとかする」


体内の魔力を高めながら尋ねる龍陽に、森羅は短く返す。龍陽は、体を魔力で覆い鎧とする戦い方の特性上、凍てつく寒さの中でも灼熱の炎の中でも一切問題なく戦うことができる。龍陽がいる場所は、常に自分の魔力によって覆われた場所へと変化するのだ。


一方森羅は、そういった力は持ち合わせていない。凍てつく寒さの中では凍えるし、灼熱の炎の中では焼け死ぬだろう。


だが、相手はただのモンスターであって、太刀打ちの出来ない環境などではない。ならばあ、どうにかできるし、どうにかするのだ。


「困ったら呼べよ」


「誰が」


包囲を広げるように動いていた炎の狼が、二人が剣を抜くのを待っていたかのように一気に迫りくる。


龍陽は、その只中へと突っ込んでいく。工夫もコツもない。正面から全力でねじ伏せる。炎を纏っているとはいえ相手は実体を持った狼である。そうである以上、纏った炎の熱も、魔法から奪った魔力で放つ火炎も通用しない龍陽は、炎の狼たちにとってはまさに悪夢のような相手だった。


炎を物ともせず突っ込んだ龍陽は、狼の牙や爪すらも特に防御することもなく弾いた上で、容赦なく斬る。魔力ののったその斬撃は、炎の下に隠れた狼の岩の肌すらも容易に断ち切る。


一方森羅は、突っ込んできた狼に包囲されることのないように動き続ける。炎に対する耐性の無い森羅は、狼に囲まれて近づかれた時点で爪や牙を受けることもなくおしまいだ。


飛びついて来た狼を躱した森羅は、側面から素早く斬る。が、斬れない。岩の肌は、凡人が普通の剣を使ってもせいぜいがかける程度だ。


「斬れないか」


自分では硬化した岩の肌は斬れないと判断した森羅は、詰めてくる狼から一度距離を取る。視界の端では参戦しようとしている他の召喚者たちをオキド団長が制止しているが、集中した森羅の気には止まらない。


文字を呼び起こし武器と成す。


「“斬・岩・剣”」


岩を、斬る、剣。この世界に来たばかりの頃に森羅が思いつきで生み出した、『斬』『鉄』『剣』の三文字。この三文字が、森羅の能力に新しい可能性をもたらした。


森羅の生み出した武器は、その文字の組み合わせによって通常とは異なる特殊な力を発揮する。例えば、『斬鉄剣』ならば鉄は必ず斬れる剣を。『炎纏剣』ならば炎を刀身に纏う剣を。龍陽いわく魔力によるものではないそれは、その特殊な力の代償として森羅の生み出した他の特殊な武器よりも遥かに早く消滅する。最大でも一時間、といったところだ。他の武器が六時間ほど保つことを考えると、あまりも短い、だが、強力な剣。生み出せる武器には制限があるようだが、岩や鉄を斬るだけの剣ならばいくらでも生み出せる。


はじめ持っていた剣を床に置き、目の前に生まれた新たな剣を掴む。


そのまま、突っ込んできていた狼に一太刀、返す刃でもう一体。わずかな抵抗で岩の肌を切り裂いた剣は、そのまま狼の体を真っ二つに両断する。階層を深くするごとに出現するモンスターの体そのものの頑丈性が高くなっているが、森羅とて剣術を磨く身。生身の狼であれば、斬れる。


炎の熱の影響を最低限に抑えるために、狼への接近を最小限に抑えて一体ずつ倒していく。唯一自ら近づいて斬る際に腕や服が焼けるものの、痛みに慣れてきた森羅は気に留めない。


焼けるような痛みを抑え込んで最後の一体を斬り伏せる。炎によってかなりの火傷を負ったが、火によって熱せられた剣が狼の肉を切り裂くのを楽にしたと考えると火傷しただけはある、といったところか。


森羅の方へとやってきていた狼は六体のみ。他はすべてより脅威だと判断した龍陽の方へと行っていたようだ。


すでに戦いを終えて傷一つない様子で待っている龍陽と拳を打ち合わせ、森羅は他の召喚者やオキド団長が待つところへ戻る。


森羅は己を、最もステータスが低く能力も大したことのないスペックで言えば最弱の召喚者、とうそぶいているが、このとき、炎で焼かれながらも顔色を変えずに狼を斬り伏せた森羅に、騎士団員たちは感心を、他のオキド団長に止められて見守っていた召喚者たちは驚愕の念を抱いていた。

この小説を読んでくださっている方はどういうルートでたどり着かれたのでしょうか。自分の書いているもう一つの小説と合わせて気になっております。


感想を書いていただける際にはそういった話もしていただけると嬉しいです。

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