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輝け! 黒の十四軍  作者: ぷぺんぱぷ
2-2.黒の十四軍、オカルトを討つ
66/142

6.黒島広報動画投稿者、爆誕

「田中竜二です」

「ノエル・アレグレットです」


 昼、黒島トラックターミナル。

 ブリリアントから解放された二人は土下座で頭を下げた。

 田中竜二は京都出身の会社員。

 ノエルはフォルテと同じくサキュバスだが、かなり若い。

 二人は赤面し、着衣も少し乱れている。

 輝き返却の時の二人は何をしていたかを何となく察し、頭を下げる大吉だ。


「な、なんか……すみません」

「い……」「いえ……」


 イチャコラしている間にブリリアントに殴り込まれたらしい。

 そりゃ、ぶぶ漬けも出すだろう。馬に蹴られて死んでしまえなアレであった。


「大吉様、この二人の処遇はどのように?」


 二人の背後に立つ金剛竜ブリリアントが大吉に問う。

 まあ、オカルトは国際条約案件。大吉がどうこう言うものではない。


「谷崎さんに伝えて政府の判断待ちだな。たぶん黒島住まいになると思うけど」

「「ええっ!」」


 大吉の言葉に二人が叫ぶ。


「俺達まだ誰にも迷惑はかけてないぞ?」

「そうです。竜二様との愛を全身で「待って!」私の唇が「やめて!」竜二様の可愛らしい「それ以上は言わなくていいから!」」


 全てを語ろうとするノエルを大吉が必死に止める。

 さすが愛に生きるサキュバス。

 愛は最高で至高で神聖だからぶっちゃけも堂々としたものだ。


「可愛らしい?」「あの男の何が可愛らしいんだ?」「なんだろ?」

「ぐぅあああああっ!」


 そしてぶっちゃけられた竜二は恥ずかしさに悶えまくり。

 観客の自衛隊が可愛らしいとは何ぞやと首を傾げている様に恥ずかしさ倍増だ。

 大吉がちらとフォルテを見ると何ともうらやましそうな顔をしている。

 しかしフォルテは大人のサキュバス。言う事は常識的だ。


「まだ若いですわね。竜二さんをご覧なさい、恥ずかしさにのたうち回っているではありませんか。愛とは相手を思うもの。二人の間では恥ずかしく無い愛でも時には秘める事も必要なのです」

「は、はい……」

「そして二人きりの時に愛を爆発させるのです! これぞおあずけプレイ!」

「なるほど!」

「まともな話だと思っていたのになぜプレイに!?」


 二人のサキュバス会話に頭を抱える大吉。

 常識的だと思ったらそんな事はなかった。愛を深める行為だった。


「とにかく、お前らは黒島に住んでもらう事になるだろう」

「悪い事は何もしてないのに」

「愛し合っているだけなのに」

「まあ、何かされてからでは困るからな」

「あんたは黒島と本土を行き来してるよな? 不公平だぞ」

「そりゃあ……どうしようもないから?」


 不公平だと言う竜二に大吉は答えた。

 実際超絶ハイパワーだから、どうしようもない。

 黒の十四軍がその気になれば十秒かからず全世界こてんぱん。あまりに強烈過ぎて大吉に配慮をお願いするしかないのである。

 大吉が二人とそんな会話をしていると、谷崎が役場からやって来る。


「井出さん、Aから聞きましたがまたオカルトが現れたそうですね」

「もうブリリアントが捕まえました」

「早っ!」


 前回は昼食中に解決。

 今回は谷崎が各所に連絡を入れている間に解決。 

 相変わらずのスピード解決。

 谷崎はもう一度各所に連絡を入れると二人に質問を始めた。


「ノエルさん。年齢はおいくつでしょうか?」

「十三です」

「すると、田中さんは青少年保護条例違反ですね」

「それオカルトにも適用されるの!?」

「オカルトだからと公然と行為に至られても困ります」


 谷崎もすっかり慣れたもの。


「今回は、歓迎するか?」

「いやぁ、またダメなんじゃねーの?」

「しかし黒島入植者第二号だ。一度くらい俺らの洗礼を受けねばな」

「「「おいでまーせー、おいでまーせー、くろーしまー」」」

「うわぁ!」「竜二様! 竜二様ーっ!」


 そして自衛隊も慣れたもの。

 ひゃっほいと竜二を担いで連れて行く。

 そして三日後。


「よろしくお願いします!」

「……あー、よろしく」


 ついでに大吉も慣れたものだ。

 やっぱりダメだったか。

 ただでさえ従業員余ってるのに、実作業一時間程度なのに従業員が一人増えた黒島支店だ。


「そういえば二人とも、自動車免許持ってるか?」

「「いいえ」」


 従業員が増えてもぶるるんを運転出来る者、店長の大吉だけ。

 やはり畑か、それともイカか、いやいや谷崎さんの役場に出向させようか。

 そんな事を大吉が考えているとフォルテが世話を名乗り出る。


「同じサキュバスのよしみです。惑軍で世話しましょう」

「いいの?」

「はい。政府の方から黒島に関する情報をもっと流してくれと要望がありまして、谷崎さんと準備を進めていたのです」

「まあ、ヒマを持て余すよりはいいか」


 こうして竜二は、黒島広報担当の動画投稿者となった。


「うわっ! 投稿一時間で視聴が億を超えるぞなんだこれ!?」


 当たり前だ。オカルト報道ほぼ独占なのだから。

 何億回視聴されてもそれで儲かる訳ではない。

 チャンネルは日本国政府のものだから広告収入なんぞない。もしあっても全て国庫に納められるので竜二には一円の得もない。

 それでも見られているという実感はやりがいにつながる。

 竜二は黒島を駆け回り、黒の十四軍ののんびりライフを動画投稿しまくった。


「入植者第二号の竜二です」「サキュバスのノエルです」

「入植者第一号の雄馬です」「光の白騎士リリィ・カーマインです」


 助手はもちろんノエル。

 そして同じくヒマな雄馬らもレギュラー出演者。

 動画内でもイチャコラする二組のカップルに視聴者達の質問殺到。

 ノエルは愛を赤裸々に語り、リリィは恥ずかしげに語る。

 そんな様にべっかと輝きながら首を傾げるエルフィンだ。


「大吉様、なぜ私にはあのような質問が来ないのでしょうか?」

「輝き分身なんぞするからだ」

「ええっ!」


 色恋沙汰は地雷も多い。

 だから何万にも分身する強烈オカルトにそんな質問出来る訳が無い。

 皆、自分が大事。

 ダメ無限力なんぞに関わりたくは無いのであった。

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