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輝け! 黒の十四軍  作者: ぷぺんぱぷ
3-3.世界が二人を分かつまで
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4.エルフィン、ギガ放題

「V代表、黒の十四軍が侵攻を開始しました」

「知っていますよ。現在対応中です」


 黒島、秘密結社VOID本拠地。

 Oの言葉にVが答えた。

 フラットウェスト社の秘密地下はまるっと黒島に移転している。

 かつては黒の十四軍の本拠地であった黒島は今や秘密結社VOIDの本拠地。鬼の居ぬ間に何とやらであった。


「黒の十四軍、やはり来ましたね」

「こちらも準備は進めていました。現在エクソダスを輝き探索の端末に使い、発見しだい輝き追放を行っています。今のところ毎時千の異世界転送ペースです」

「……甘いですね。主戦力は主に海上。現在の数は四千万」

「よんせんまん!?」


 毎時千の異世界転送ペースと言ったVの言葉を、輝きアクティブソナーを行ったOが否定する。

 エクソダスはゲーム機なので海上にはほとんど無い。

 素っ頓狂な声を上げたVにOが呆れて言った。


「こんなものではありませんよ。相手は黒の十四軍、そしてエルフィン・グランティーナなのですから」

「なんというデタラメ……」

「エルフィン・グランティーナは私が対応しましょう。V代表は他の者達を」

「お、お願いします」


 Oが迎撃の為に歩き出す。

 そして出口で立ち止まり、Vに言った。


「V代表。私が迎撃している間、くれぐれもエクソダスで妙な事はしないように」

「わかっていますよ。エクソダスはオカルトの皆さんの心の拠り所ですから」

「お願いします。それでは」


 Oは退室し、廊下を歩きながら呟く。


「わかっていますよ、ですか……しかしあなたには、理解できないでしょうね」




 一方、エクソダス世界。

 エルフィン実家では黒の十四軍の皆が沸き立っていた。


「我も出来ました!」「俺も出来た!」「出来ましたわ!」「俺もだ!」「出来たねにーちゃん!」「でき、た」「屍輝き異世界転送!」「出来たです!」「できたでしゅ!」「やったです!」「バッチリですぅ!」「コツを掴めばちょっと遠くに輝き転送するのと変わらない」「出来たでぇ」『『『ヤッター!』』』

「私も出来れば良かったのですが、世界の壁は厚かったですな」

「嘆くなA。お前ら諜報軍は我らがバンバン投げ込んでやる」

「お願いします」


 残念な事に諜報軍のAは出来なかったがあやめを除く軍団長が、エルフィンの指導のもと輝き異世界転送を会得。戦力大増強だ。

 しかしバウルやクーゲルシュライバーが輝き異世界転送すればさすがにバレる。

 でかいからだ。


「あなた達の輝き異世界転送特訓の為にVOIDに準備の時間を与えてしまいました。その分しっかり働いて下さいね」

「当然だ。大吉様のぶるるんの誇りを見せてやろう」

「ぶるるんの誇りって、なんだ?」


 胸を張るブリリアントに首を傾げる大吉だ。

 結果的にVOIDに時間を与える事になったがエルフィンだけしか世界を渡れないのは心許ない。弱点が存在した以上、この準備は仕方の無い事だった。

 しかしここからは速攻だ。

 相手はエクソダスというゲーム機で何億人もの命を握っている。その気になればすぐにでも大虐殺が可能なのだ。


「エルフィン、頼むぞ」

「わかりました。私の輝き分割の真価を今、見せる時!」


 べべべべべっかーっ!

 エルフィンが輝き分割し、輝き異世界転送で世界を渡る。

 その数、四千万。

 いきなり世界を渡ったエルフィン四千万は……いきなり帰還した。


「「「O四千万にやられました!」」」

「Oつええ!」


 四千万エルフィン、同じ数のOにこてんぱん。 

 輝き分割とはいえエルフィンの初こてんぱんに唖然とする大吉だ。


「しかし今のは小手調べのへなちょこエルフィン四千万。相手の力量は大体わかりました。食らえO、輝き分割アーンド輝き異世界転送!」


 べべべべべべっかーっ!

 エルフィンが再び輝き分割し、再び世界を渡る

 今度は一億。日本の人口よりちょっと少ない位だ。


「ようし、我らも出撃だ!」

「大吉様、便乗で諜報軍を移動させましたので世界を中継いたします」

「頼む」


 ブリリアントら軍団長が軍団をバンバンぶん投げ、便乗した諜報軍が戦況を輝き映像で大吉に示す。

 世界は、すごい事になっていた。


「「「エルフィン、百人パンチ!」」」


 べべべちこーんっ!

 エルフィン百人のパンチがO百人をこてんぱん。


『『『『ならばこちらは千人キック!』』』』


 べべべべちこーんっ!

 今度はO千人がキックでエルフィン千人をこてんぱん。


「「「「「ならば一万人エルボー!」」」」」

『『『『『『十万人チョップ!』』』』』』

「「「「「「「百万人、メガコークスクリューブロー!」」」」」」」

『『『『『『『『十メガダブルキック!』』』』』』』』

「「「「「「「「百メガショック!」」」」」」」」


 攻撃のたびに桁がひとつずつ上がっていく。


「一億では足りません。十億、ギガです!」

『ならばこちらもギガで応えましょう!』

「「「「「「「「「ギガ、アタック!」」」」」」」」」」

『『『『『『『『『ギガ、クラッシュ!』』』』』』』』』


 べべべべべちこーん! 

 世界、どこもかしこもエルフィンとOだらけ。

 その有様に、大吉は世界を百人の村にたとえた本を思い出す。

 世界の人口はもうすぐ八十億に届く勢い。つまり八ギガ。

 そしてエルフィンがギガ。対決する黒曜の騎士Oもギガ。

 全部合わせて十ギガの内エルフィンとOがそれぞれ一割。

 世界を百人の村にたとえると十人がエルフィン・グランティーナです。そして十人が黒曜の騎士Oです。

 と、この本に載せたらまさかの個人名が登場だ。デタラメである。


「くっ、Oもなかなかやりますね!」

「エルフィンと互角とは、Oも相当のデタラメだな」

「そんな事はありません! 二百六億八千万戦で勝ち越し八! 私すごい!」

「そりゃ誤差だろ」

「ええっ!」

『『『『『『『『『スキあり!』』』』』』』』』


 べべべべべべちこーんっ!


「ああっ! 大吉様のツッコミで八億の負け越しに! 大吉様誉めて! エルフィンは誉めて伸びる子なのです!」

「すごい! 頼りにしてるぞエルフィン!」

「「「「「「「「「がん、ばり、ます!」」」」」」」」」


 べべべべべべべちこーんっ!

 殴られ、蹴られ、叩かれ、輝き、こてんぱん、そして輝き分割。

 エルフィンもOもギガ放題な戦場は一進一退。

 そんな映像に、大吉は呟いた。


「しかしお前ら、どっちも剣使わないのな」

「私やOのパワーに対応出来る剣なんてありません」


 どうでもいい事だが漫画剣、ただの飾りであった。

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