ザイン盗賊団
【盗賊団のアジト】
《上空》
「沙葉たちの配置は?」
『出来てるわ』
『本当に大丈夫だよな』
「あたしと弥一郎さんは共に上空から行くわ【盗賊団アジト殲滅作戦】始め!」
アジトがあると思われる山に向けてロゼッタとアルタイルは風属性の中でも上位の技を放った。
『ちょっアニキ、いなり!手加減しろぉ!飛ばされる!』
『この山を禿げ山にして良いと上から許可は得ているからこちらも技を放つわ!』
『えっ待って沙葉!』
「見方の技が効かない場所に避難してるわよね」
『予想より範囲が広いんじゃー!』
「上から見ているが平気そうだなー放って良いぞ、沙葉さん」
『あっアニキも酷い!』
『了解しました、ロディーヌ【地獄の黒炎】』
ボッと黒い炎が山を燃やし始めたロゼッタたちが放った風もまだ吹き荒れ黒い炎は物凄い勢いで盗賊のアジトが有るであろう場所も燃え始めた。
【盗賊のアジト】
《モニタールーム》
「ちょ!えげつないですか!」
「アジトの扉を閉じろ!黒い炎が入る前に!」
「裏の入り口もこれだとバレてそうだ…」
「うひぃ~!」
「お前ら!少しは落ち着きやがれ!」
「おっお頭~!」
「こうなると思って他の出入り口を作って置いた!」
「うぉおおお!お頭最高ー!!」と叫んでいたしたっぱたち、そこへ挂帆が止めを刺す事を言った。
「それが本当ならこのアジト崩れるよ?」
「副リーダー!どういう事ですかい!」
「このアジト作った時に、これ以上掘ったり何処かに穴を開けると崩れるって言った筈だけど?」
「「「えっ」」」
「ざっザインお頭本当ですか?」
「ここにほら有るだろ?」
ザインはモニタールームに有る積み上げられた木箱を退かすとモニタールームに有るには不自然な穴が現れた。
それを見た嘉帆と桔梗はしたっぱにその穴から逃げるように指示をした。
「ひぃいいい!お頭!なにを仕出かしてるんですか!!」
「ほら!君たちも早く逃げる!」
「桔梗は!」
「ボクはお頭と副リーダーと一緒に逃走します!」
したっぱたちは物凄い早さでどんどんザインが掘った穴から逃げて行き避難がほぼ完了した。
「何かこちらに向かってきてやがるな、もしかして襲撃か…【この真夏のルビー】にそこまでの執着が有るのか…」
「違うと思う」
挂帆と桔梗は木箱を使って穴を隠した。
「だとしたら副リーダーは逃げた方が…?」
「いや、この狭い空間の方が安心かも…それに崩れ始めるであろうこの事実を利用する手はないね」
コツンコツンとアジトがある山を禿げ山にした本人達が現れた。
「あら、したっぱたちが居ないと思ったら逃がしたの?」
「何か本当に盗賊のアジトって感じがするな」
「ジメジメしてて何か男臭いわ」
「ようこそ!我々のアジトに!」
「紹介遅くね?」
「さてお前たちの用件を一応聞こう!」
「今すぐに盗賊団の解散を要求する!そしてこれまで奪ってきた宝飾品の返却も!」
「それは無理な要求だ」
「親分様準備が整ったよ…」
「何か指示してたか?」
「そこは会わせましょうよ~さっき言ってましたよね?利用する手はないって」
「すまん、聞いてなかった!」
嘉帆はザインを見てコイツマジかーと言いそうな表情をしていた。
「……また今度ね」
相棒たちのバトルの前に嘉帆が突然現れたロープを引っ張った。突然ゴゴゴゴとアジトが崩れ出した。
「なっ!悪の組織定番のアジト爆発か?!」
3人は木箱を破壊して穴が現れ逃げていった。
「やっぱりあったね、他の抜け穴が…くくくくっ」
「腹黒軍師かお前は」
「そのつもりですのよ?」
「すまん沙葉さん…健吉のが移ったか」
「でも作戦通りなら普通にアジトから抜け出して罠に掛かるまで待てば良いわね」
「観察する限り隙が無さそうな感じがするけどね」
「雪山でのドジは忘れないわよ」
「人間ってそう簡単に変わらないからな」
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【幻想の森】
《中心部》
「…見事に皆捕まってるね」
「こんなところに繋がっていたのか」
「えっお頭?」
「脳筋盗賊のお頭様は掘るだけ掘って出口作って周りを確認しなかったんだろうね」
「そうなのですかね。このトラップ解くのに時間掛かります」
「すっすまない、桔梗…」
「良いんですよ。お頭も引かかってますし」
「こっちは一通り終わったよ」
「ご苦労、さて次は陸から離れ海を占領するか!」
「盗賊から海賊か…」
「おう!」
「海に出ると逃げ場ないよ?空からの攻撃なんて特に」
「その時は嘉帆が居るだろ」
「頼られても困るけど」
「それにしてもここは幻想の森か…海まで遠いな」
「わたしの相棒でも乗せられる人は限られてるから」
「うーん、どうしましょう?」
「それにしてもトラップだらけだな、この森は」この発言をしたザインの方を見たしたっぱと桔梗と挂帆。
「ねぇ、なんでまたトラップに掛かるの?さっきトラップ解除したばかりだよね?」
「あっ!」
解除したばかりのしたっぱたちも続々とトラップに掛かり始めた。
「あぁ…またトラップに掛かってます」
「……気長にやるしかないか」
「ガッハハハ!宴でもするか!!」
「罠に掛かりながらすることじゃない…」
「どうみてもこれ人工的な罠ですよね」
「桔梗…」
「…今回は向こうも本気みたいですし」
「この森全域は向こうのホームで把握されてるだろうし…」
「詰んでるねっ」
「ははっ」
「ちょ!ふたりして弱気にならないでください!」
「オレの相棒を使って…」
「ザインお頭の相棒はかなり目立つので空から総攻撃を受けて終わりますよ」
「桔梗…お前なぁ?」
「1年前の出来事を忘れたの?」
「嘉帆、お前もか」
「我々の相棒に乗っての移動はどうでしょう?」
罠から自力で抜け出した者と助け出された盗賊のしたっぱたちが言った。
「コイツらの相棒に乗ってくか!(コイツらが自分たちから言うなんてな、珍しいことも有るもんだ!)」
「それが良いかもですね(罠じゃないよね?…あれ?この人達捕まってなかったけ?)」
「わたしも親分様の指示に従うよ(ヤバかったら逃げよう)」
罠から解放されたしたっぱたちと共につい先程発言したしたっぱの相棒たちに乗って移動を開始した。




