初めてのキャンプ
【???の森】
「人が居ないね」
「前来た時と雰囲気が違う。雨降ってるからかな?」
「森の近くの育成センター寄って行こうか?」
「でもミューディ…嬉しそうだね」
「低温やけどしないからかも」
「それにしても沙葉もあたしと同じ事してたなんて」
パーティー組んでから桜の森に来るまで色んな話をしながら来ていた。
「いつ仲間が増やせる用になるかわからないし。最初の相棒って思い入れが有る感じがするよね」
「その気持ちわかる…最初はえって思っちゃったけど…過ごすうちに何か可愛くて」
「そうなんだよね。ミューディが元気なぶん…いなりのロゼッタは元気ないね」
「雨が苦手なのかも…トカゲって寒いの苦手って聞いたことがあるから」
「こういう時は街にある図書館に行くと良いらしいけど…図鑑とか見てから動いた方が良かったかな?」
「うーん…雨の日の探索何て滅多に出来ることじゃないから少し進んで見ようか」
「わかった」
お互いに警戒しながら進んで行った。
「なかなかモンスター出てこないね…狩り尽くされたかな?」
「!……何か音がする…」
「えっなに…」
「何かを咀嚼する音だ………ロゼッタの震えが尋常じゃなくなってきたよ」
「まだ私たちにはこの先の場面を見に行くのは早いのかも…ミューディも震えているし…なるべく音を立てずにこの場所から離れよう」
「うん」
雨の音のお陰かその場合から何事もなく移動できた。
「この場所なら安全地帯だよ」
「…安全地帯?」
「えっ…まさかいなりは知らないの?」
「うん、安全地帯ってなーに?」
「【ヒデル】さんから聞いてないんだね…簡単に言うとそれぞれのダンジョンには【安全地帯】と呼ばれるフロアがあってダンジョンの中で一夜を安全に過ごせる場所が有るんだよ」
「へぇー…どうして沙葉はここが【安全地帯】ってわかるの?」
「【安全地帯】に入ると【キャンプマーク】と呼ばれるアイコンが浮かんでいるんだよ」
「…あったの?」
「うん」
「なら並んでテントを張ろうよ」
「そうだね…ミューディたちの震えが止まるまでここで休もう」
「イエス!」
沙葉が教えてくれた通りテントを張りますかと主張しているアイコンが浮かんでいた。
「ホントに有ったよ」
「どうやってテントを立てるんだろ?」
「もしかして沙葉も初めてのキャンプなの?」
「適当な場所で野営すると怖い思いするってヒデルさんに言われたから…」
「確かに…そんなこと言われたね。作り方ならガイドブックに乗ってるよ、きっと」
ふたりで協力しながら何とかテントを張った。
「同じ性別のプレイヤー同士ならテント同士を組み合わせて大きく出来るんだね!」
沙葉は女の子でした…髪がかなり短いから男の子だと思ってた。
「そうみたい…ふたり分の大きなテントになったよ」
「沙葉のテントはLV2になったから少し内装が豪勢だったね。最終的には家になるんだ」
「うん…速く家に変化させたくなったよ」
「時間何時だろうね…曇りだから何時なのかわからないや」
「ミューディから涎が出始めたからそろそろ昼だよ」
「えっ」
「生物って時間に正確だよね」
「そうなんだ」
「調理器具手に入ったし…何か作ろうか」
「これ使う?」
「何これ…」
「ロゼッタと初めて入った時に森の大きな木に木の実が実ってたからテキトーもいだんだ…いちおう何個か残しておいたよ?」
「ロゼッタとミューディからも涎が」
「その木の実を出した瞬間だね…それはご飯食べた後に皮を剥いて食べよう…もしかしたら料理のアレンジに使えるかな?」
「そうかもね…あたしも何か手伝うよ」
「食料セットの材料を見てみてだね…生卵と麺とソースと野菜か」
「これって焼きそばの材料だよね!」
「木の枝集めて火を焚かないと」
「あっ!ロゼッタとミューディが居なくなった!」
「えっ…ホントだ!探しに行かないと……ん?」
キョロキョロとキャンプ場の様子を見ていたらキャンプ場の外から小さなトカゲとびちびち跳ねている魚が戻ってきた…何かを咥えながら。
「えっ何?…ロゼッタが細い枝拾ってきた!」
「こちらも同じだよ。全く無茶するんだから」
「でもなんか誇らしげね」
「…よく頑張りましたと誉めて良いのかな?」
「そこは誉めて良いと思うよ?」
「でもまぁ…お手伝いしてくれたんだろうし、こんどはちゃんと知らせてから行くんだよ?」
「「○」」
「墨とこの小枝使って火を起こそにも…どうやってやるの?」
「火お越ししないー」
ぼっと沙葉が用意していた火の元にロゼッタが火種を吐いた。
「火が使える子が居ると楽だね」
「自力で火越ししてた質ですか」
「うん、テントは使わなかったけど、火を使って食べられるキノコ焼いたくらいかな。鉄板を暖めていなりは生卵を目玉焼きに焼いてくれる?」
「…熱した鉄板に卵割って乗せれば良いだけだもんね」
加陽は手慣れた手つきで野菜を切り刻んでいる。
ジュー…としてきてからだいぶ熱しられたよね?もう良いよね?
パカッと4つの卵を割って熱しられた鉄板に乗せた。
「はぁ~このこんがりした匂い?ってとても良いにおいだ~」
「焦げ着かないようにね」
「わかったー」
しばらくジュージューさせていると……パン!!
「ひゃあ!?」
「うぉお!」
「「!?」」
いなりは目玉焼き×4を爆発させた!
「えっえっ目玉焼き爆発させたの?」
「見たい?」
「普通に焼いてただけだよね?なんで爆発したの…」
「黄身が吹き飛んだ目玉吹き飛んだ焼きの出来上がり?」
「初めてのキャンプってこんなもん…?」
「失敗も成功の母よね!」
心なしかロゼッタとミューディが引いている。
「さて焼きそば作るからテーブルと椅子用意してくれる?」
「はい」
沙葉が鉄板で焼きそばを焼き初めてから数分後に上手に焼けました!と何処からか聞こえた。
「モン◯ンか?…はいロゼッタの分も入ってるからね」
「ありがとー!…ロゼッタの涎がスッゴい出てる!あたしが焼いた目玉焼きを乗せよう」
ロゼッタは悲しそうな表現をて少し涎が引っ込んだ。
【野菜たっぷり目玉焼きもどき乗せ焼きぞば】
ランクA
目玉焼きもどきを乗せた事でAランクになってしまった焼きそば。
「えっなにその説明文、目玉焼きを外してみようか…」
すると…
【野菜たっぷり極上焼きそば】
ランク⭐⭐⭐⭐⭐☆★
とても上手に焼けた焼きそばで桜の森の極上の木の実を使用した事で極上の品になった。
「戻ったよ…極上の品にロゼッタの涎も復活したし」
「ホントだ…」
「さっ冷めないうちにいただこう」
「いただきまーす!」
ロゼッタの皿に分けて早速いただきます!
「♥️」
ロゼッタのがっつきようが半端ないっす!ってミューディも凄い勢いで麺をバキュームしてる。
「ずぞぞぞ!」
「凄いね…育成センターの料理より喜んでる」
「これ美味しいもんねっ」
「うん…自画自賛ってやつかな」
その一言の後はただただ無言で食べた後は片付けを手伝って少し落ち着いていたら。
「結構焼きそば余ったね。保存しておこう」
「賛成!美味しかったもんね!」
【西の陣営のプレイヤーが相棒を初めて進化させました】
「早いね」
「どれだけレベルリンクしてるんだろう…それにふたつに別れたって争ってるって運営側の人が言ってたよね」
【西の陣営のプレイヤーが初めて第2の試練をクリアしました】
【西の陣営のプレイヤーが初めて2匹目の相棒を手に入れました】
「ピコンピコン凄いわ…もう試練2つ目をクリアしたんだ」
「…急に暗くなってきたね。テントの中でお茶入れようか。残りの木の実剥いて御茶請けにしよう」
「賛成!」
ふたりと2匹でテントの中に潜り込んで行った。