神殿の主
【水の神殿の遺跡】
《最深部》
「何でここでも水の中を潜るのかしら」
「泰帆ちゃん…良くクリア出来たな」
「ホントだよ…て思う…」
「さて、この部屋がラストなのね…」
「なんか禍々しいデザインじゃないな…こう神秘的と言うか」
「この部屋だけは変わらなかったのかも…」
3人で同時に扉を開けその部屋に入りると暗中模索でバラバラになった。暗闇の中を進んでいるとの少し光っている場所に出た。
「ここは…」
【短時間でここまで来るとは……】
あたしたちの目の前に大きなお目が……うん?お目?えっでかくない?本体はどれだけデカイのかしら?
【悪いが…少し下がってくれないかい?】
「あっどうも」
少し下がると大きな体を持つ存在がほんのり光っている【大きな鯨】が現れた。
「ファントムホエールだ…」
【おや……ぼくの種族名を知ってるなんて…なかなか面白い人の子だ】
「しかも当たり前の様に喋るのね」
「でっデケェ!!」
【おや…君以外にもいるんだね】
「初めて見た…ファントムホエール…」
【今日は…にぎやかだ…良く見るとぼくの同胞に進化したのと君は一緒に居たときがあるんだね】
「えっ」
「いなりちゃんのパーティーメンバーの子に居たのか…」
【何があったかは…何となく君の持つ思い出で見させて貰ったよ…自己紹介がまだだったね…ぼくの名前は【ヴィオーレル】…ネイム持ちのファントムホエールさ】
「こんなにも大きくなるのね」
【ふふふ……君たちの目的はわかっているよ、ここの封印でしょう?】
「俺…戦って勝つ自信ないぜ」
【大丈夫、勝負なんてしないよ…ぼくは戦うの好きじゃないからね】
「だとしたら封印…」
【封印しなくてもこの神殿を綺麗にして見せるよ…まぁ見てなさい】
ヴィオーレルが脳に直接神殿の影像を見せてきた。
吠えると神殿が内側から元の美しい神殿に戻って行き外観も元通りになっていった。
「…モンスター出るようになっちゃったけど」
【その辺はぼくが管理するから安心しくれると良い。サメとか凶悪なモンスターはダンジョンフロアにねじ込んで置くからね。
ジュエリーフィッシュたちは害はないからその辺に放置だけど狩りをするのは止めてくれるかい?】
「もうここのは何か起きない限りはしないわよ」
【それとさっき言ったけどこの神殿はダンジョンフロアと自由に動けるフロアに分けるからいつでも遊びに来てね】
「ここに来るまで結構泳ぐ…」
【まぁ、その辺はダンジョンだった頃の名残として目を瞑ってくれると嬉しいんだが…】
「危害はないんだな?」
【大丈夫、多少の知識なら持っているから…困ったら事が合ったら来ると良い…力になれるのであればいつでも力になろう】
ピコン!
【東のプレイヤーたちが【深き碧海の知識の管理者】を封印から解放し【オウバンラ大陸】にある【水の神殿の遺跡】に続く海路を解放しました!これにより【知識を持つ者】から知恵を借りに行けるようになりました!】
「今なんか解放されたぞ」
「海から直接この遺跡に来れるようになったんだわ」
【早速、知恵を座すれば授けようか?】
「なら…バンディラスにある【秘密の庭園】について聞いても?」
「それってウィンディアさんが言ってた奴よね?」
「そう…」
【あぁ、中央都市バンディラスにある封印の祠だね】
「あそこって普通の庭園じゃないのか?」
【…何者かが封印の祠を秘密の庭園に名前を変えたんだね…あそこには【究極の闇に至る呪宝】が封印されているんだ】
「究極の闇に至る呪宝…」
【安易に手を出しては行けない代物でだ、どんな魔物も【トゥルーダークスピリット】と呼ばれる巨人の精霊に進化するんだ。とてつもないほど強くなれるけど、どんなに心が強い人であっても闇に呑み込まれ【トゥルーダークスピリット】の操り人形にされてしまうよ。封印の鍵は全部で3つあるのが厄介でね…扉を開けられるのが事実3人居るんだ】
とんでもないのが眠っていたわね…でもどこかのプレイヤーが既に持っているのよね?残りのふたつはどこにあるのかしら?
【封印の鍵のあり何処は1つめは東の大陸にある【ノースノエルランド】の教会が管理していて2つめはプレイヤーの手に渡っているが…過ぎた力だと言って引き返したから何かない限り2度と開きまい…3つめが厄介でな西の王族が管理しているのだ】
「やっぱり西にも王族が居るんだな」
「東は日本の城風だよね」
「西は西洋の城風かもね…」
【他に聞きたい事はないかい?】
「わたしはない…」
「俺も特にはない」
「あたしも今のところないわ」
【わかった…人の子らには封印を解いて貰ったからね…お礼として【幻影鯨の腕輪】を上げよう】
いなりたちはヴィオーレルから【幻影鯨の腕輪】を手に入れた!
「わぁ!ありがとう!」
「ありがとうございます…」
「ありがとうございます!」
【それでは君たちを中央都市バンディラスに送るよ…何か本当に困ったらまたおいで…ダンジョンフロアに挑みたかったらいつでも挑みに来なさい…ではまた】
うっすらと光っていた光が鮮烈な光となり当たりを包み込むと【中央都市バンディラス】にいつの間にか戻ってきていた。




