侵入者を捕まえた?
「どっどどうしてそんな強力なモンスターを連れたプレイヤーが居るの!」
「私はプレイヤーじゃないわ…サポートプレイヤーよ」
「あんまり変わらないわよ!」
確かに見てるこちらとしてもあんまり変わらないと思うわ。
「立場的に変わるわよ?今回は上から正式に許可を貰って動いてるけど…どうする?降参して投降してくれるかしら?」
「どうするのよ!修平!」
「ホントにどうしましょうか?緊急脱出のアイテムは使えなくなってますし、頼みの綱の四人があれですからね」
既に伸びて捕まっている3人と丸焦げになっているグリフォンに乗ったままのウィンディアさんはピクピクしてるし…。
「でもまだ残ってるわ」
「その人なら逃げたわよ」
「おや?…その根拠を教えて貰っても?」
「あなたたちよりも強そうなモンスターを連れて西の方角に逃げてたから…と言ったらどうかしら?」
「西からの助けも来ないでしょうし…さてどうしましょうか?」
「戻ったとしても最低ランクに格下げされるわよ」
「ペナルティの報告は受けてるのね」
「えぇ、覚悟の上でやってましたからね…まぁプレイヤーがプレイヤーに対して攻撃出来ないのが救いですが」
すると当然とんでもないアナウンスが流れた。
【西のプレイヤーが不正ばかりするので…東のプレイヤーも不正ギリギリを狙ってやったりしてるの居るけど、運営も管理するの疲れたので一時的にプレイヤーがプレイヤーに対しての…その…【ポコポコの刑】が出来るようにしときました…死なないから安心して思う存分ヤリアッテネ♥️】
遂に運営が匙を投げて凶行に走ったわ。
「…戻ったら大変なことになりそうね…このまま投降する?」
「…させて貰っても良いですか?」
「ちょっ!」
「今、西に戻ったらどうなるか、貴女でもわかってますよね?」
「でも!」
「西に戻れは確実に命の危機を感じます…それに逃げてダンジョンに籠っても見つかったらお仕舞いです」
「………わかったわ、投降する」
「悪いけど牢屋に入って貰うわよ~」
とみさんがふたりを捕まえようとするとグリフォンと共に丸焦げになっていたウィンディアさんが起き上がりとみさんに対して鉄パイプを振り上げそして殴った!
「アンタたちはこのまま逃げなさい!この大陸のダンジョンにヤバい間だけ逃げ込…」
「痛いわね…鉄パイプ使うなんて…覚悟は出来ているんだろうな!」
ひぃ!とみさんが!とみさんが!豹変した!何あれ!
「スケバンだ!軍服からスケバン女総長の格好になったぞ!」
弥一郎さんがスケバンと言っていた。
「うわ…【夜路◯苦】ってそのままだ…」
そしてとみさん無双が始まった。
空から天使が降りてきて【見せられないよ!】と言う大きなカンペをあたしと泰帆には見られないように掲げていた。
でも生々しいボキッ!バキッ!ゴキッ!等の音は聞こえていたから意味がなかった。
「ひょぇえ……とっとみさんが!とみさんが!」
「あわわわ!」
「こっコレがリアルキャットファイト……!」
「違うと思うぞこれ!」
大人たち3人が青ざめていているのがわかった。
「とっ止めないと行けないのはわかりますが」
「無理よ!」
「やべっ腰抜けたわ」
「こんな時に抜けたら逃げられないわよ!」
「お前たちは逃げないんだな」
「逃げられませんよ…まるで西側に戻ったときの我々を見てるようでね」
「あいつは今頃こうなってるでしょうね」
「それか積りに積もった怒りが所々で爆発してるかも知れませんね」
悲惨な状況に助けに入れないとわかった運営側は空から新たな厳つい天使を召喚してとみさんを取り押さえたが出来なかった。
プレイヤーを強化していた効果を取り消してようやく取り押さえに成功していた。
「ふー…ふー…」
【落ち着いた?とみちゃん】
「もう大丈夫よ」
【過剰防衛って知ってる?】
「鉄パイプで攻撃してきたのよ?」
【でもヤりすぎだよ~大人組の子たち見てみなよ。引いてるしひとりは腰抜かしてるよ?】
「あら…」
【とみちゃんが捕まえた他の3人も震えてるよ】
とみさんの相棒に囚われている人たちも震え相棒も震えていた。
「あらあらまぁまぁ」
【とみちゃんが着けた傷は回復しておくけど…心の傷は直せないからね!】
「私がケアしてあげるわ」
【脅しとしか聞こえないよ!】
「それよりヤチヨちゃんの元に帰らないとね。私の相棒ちゃんに乗って行くわよ」
「あっそうだった…腰が抜けて動けないんだが」
「アタシの肩を貸してあげるわ」
「オレの肩も貸します」
弥一郎さんは捕まえた?ふたりに肩を借りて歩き出して素直にとみさんの相棒の元へ向かって行った。
「…血の海が出来てる…」
「バーサーカーって凄いわね…」
「ほら!ふたりもこっちに来なさいな」
「はーい」
「はい」
とみさんに呼ばれてあたしたちもとみさんの相棒に乗り、そして教官殿が待つ【バンディラス飛行場】に向かった。




