とても大きな山で登山を!
「ふぁ~……もう朝か……育成センターの朝ごはん食べて向かおうか………行きたくない~」
「(  ̄ー ̄)ノ」
「わかってるんだけどね?」
【サイゼンリア飛行場】
《講義室》
「今日と明日はこのサイゼンリアの西門に赴きこの東の陣営で一番高い山の山頂に向かう」
あれ?今日はそこまでの強い口調じゃないわ…どうしたのかしら?
「今日から向かう山はお前たちが登ってきたあの山とは比べ物にならん、心して登山しろ何か質問は有るか」
「どんな服装とアイテムを買い込めば良いので有りますか」
弥一郎さんも空気読んでいつものテンションじゃないわ。
「服装と道具はこちらで用意する、食料と水そしてモンスターどもの保温アイテムを買い込んで置け」
「「「YES、マム!」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【サイゼンリア雑貨屋】
「こっちの雑貨屋さんに火山対策とかちゃんと売ってたわ」
「俺たちは対策も取らずに登ってたんだな…ゲームだからこそ出来るムチャ振りだな」
「…………」
お店の奥からお爺さんが出て来た。
「その格好は……遂に飛行場の訓練生が来たか」
「あなたは…」
「ここのワシは店主じゃよ…あのべっぴんさん気が強いからな~逃げずにここまで残ったのか根性あるのう…所でどこにお前さん達はこれからどこに向かうのじゃ?」
「東の陣営で一番高い山ですけど」
「なんじゃと!あんな所に行くんか!」
お爺ちゃん血圧ヤバイわよ?そんなに急にかっかしたら大変。
「全くあんの娘は……ここまで残ったお前さんたちに選別じゃ、持っていけホントはまだだがこれくらいは良いかのう」
いなりたちは【防寒のお守り】と【雪崩避け】と【マップ機能拡張】を手に入れた!
「頑張るのじゃぞ…他にも何か買いに来たのかのう?」
「食料と水と相棒ちゃんたちの防寒アイテムをください!」
「あぁ、それなら良いのがあるぞ…その前にマップの機能拡張しておくのじゃ」
お爺さんの指示に従いマップ機能を拡張した。
必要なアイテムを買い込んで3人で西の門に向かった。
【サイゼンリア西門】
「来たか…準備は良いか?」
「「「YES、マム」」」
「着替えもしてきたな…では向かうぞ」
山に行くまではそれぞれの相棒に乗って向かった…さすがロゼッタ達とても早く目的であるずぅーーんと存在感を醸し出している山に着いた。
「これより先はお前たち3人で登れ、オレは先に行って待っているがもし途中で危なくなったらお前たちにそれぞれに渡した狼煙付きの非常用のアイテムを使え…訓練開始だ!」
「「「YES、マム!」」」
【サンゼアル天山】
ザクザクと雪を掻き分けて先頭を進むのは弥一郎さんで真ん中が泰帆、最後があたしだ、そして電車ごっこのようにロープの輪を作りその中に入って突き進んでいる。
「はぁ…キッツいな…泰帆ちゃんといなりちゃん平気か?」
「………キツい…ふぅ…」
「弥一郎さんこそ掻き分けながら進んでいるんですから…」
「モンスターは出ないから良いが…一面雪雪雪でこっちで合っているか?」
「問題ないです………」
「火山の倍…疲れるわ」
「…そろそろキャンプ出来る場所が有るはずなんだけどな」
吹雪いている中を歩いている…あれ?雪だるまマークって大雪なの?ホワイトアウトで回りが見れないわ。
ザクザクとまた進み出したが泰帆の限界が近付いていた。
「ふたりともわたしを捨てて先に行って…」
「どうしたんだ」
「このままだとふたりの足手まといになる…」
「協力してきたのに今さら捨てるのは嫌よ」
「………………わたしは今回で降りる」
「何ですって?」
「わたしはここまで…やっぱり無理…」
座り出したわね…来たわネガティブモード……火山でも最初の山でも実はネガティブになって余計な事を考えてぐるぐるとしていじけたのよね。
「今さら抜けるのはあたしが許さないわよ…?」
「いっいなりちゃん……(何か怖いぜ…)」
「また余計な事を考えてぐるぐるしてるんでしょ?」
「別に……」
目がキョロキョロしてるわ、そして落ち着きが無くなってきてるし。
「ひとりだけ逃げようなんてさせないわよ」
「…………(女の子怖ぇ~)」
「このままあたしが背中を押してでも行くからね?」
「そんな事したら…」
「明日の夜までに着けば良いんだから行けるとこまで行こう」
「行こうぜ、泰帆ちゃん」
「………ホントに無理そうだったら置いて行ってね…」
そう言うと泰帆ちゃんは立ち上がりロープの真ん中に入り込んだ。
「さぁ…後少しでセーフゾーンだ」
「弥一郎さん…前見て前…」
既に巨大な氷の壁が立ち塞がっていた。
「これ登るの?」
「遠回り出来るルート無いもんな」
「………絶対登れない…」
「クライミングなんてした事無いわ」
「安心しろ俺もだ」
「むしろ不安になるわ」
「どうにかなるだろ、俺が最初に登って見るよ」
誰かが登った後がありロープが敷かれていてそれを頼りに登りきった…あたしもそれに習い泰帆にロープをぐるぐる巻いておいてから登り泰帆も登っていたが途中でずるっと足を滑らせ落下し最後はあたしと弥一郎さんで引っ張り上げて事なきを得た。
【サンゼアル天山】
《五合目……中腹?》
「あぁ~……もう無理!」
「ご苦労様でした弥一郎さん」
「唯一の大人で男だからなこれくらいしないと。
いなりちゃんもよく頑張ったな…でもさすがに今回は…マジ無理…休ませて」
弥一郎さんはその場に倒れた。
「泰帆は歩ける?」
あの後に泰帆の事を呼び捨てで呼ぶ事にしたが本人は嫌がっていないから続ける事にした。
「……足がガクガクして……無理……」
「今日はもう無理そうね」
「あぁ、キツすぎるからな…準備するの少しだけ待って?」
「わかってますよ…キャンプ様の焚き火に火を付けておかないと」
ロゼッタは寒さに震えながら焚き火に火を付けさっさとあたしの服のポケットに入って行った。
「ロゼッタたちも震えてるわね~」
泰帆のグリフォンちゃんは小さくなってうつ伏せで倒れている泰帆の服の中の背中の方で尋常じゃないほど震えてる。
弥一郎さんの大鷲ちゃんも小さくなってケロッとした表情でやれやれだぜと言う雰囲気を出しているが弥一郎さんの服の中からである。
「さてと久々ね、家を取り出すなんて」
「家…」
「初めて見るぜ、テントから家に進化した奴を見るの」
あたしはドシーンと家を取り出した。
「マジで家だ…!」
「ここまで大きくなるものなんだ……わたしも頑張らないと…」
「ほらふたりもテント出して」
「わかった…」
「そうだな」
ふたりは倒れたままテントを出した。
「……ほふく前進……進まない…」
「無理をするな…泰帆ちゃん…」
「ふたりとも何か食べれる?」
「買ったばかりのチョコ食べる……」
「俺は総合栄養食で…」
「…なんかあたしもチョコとかで良いわ」
ふたりは少し休んでから弥一郎さんは普通に立ち上がり泰帆はプルプル立ち上がりそれぞれのテントに入って行った。
あたしはそれを見届けてから家に入って休んだ。




