温泉でひと休み
【氷の渓谷】
《入口》
「入口に戻ったけどてわ温泉ってどう行くのかしら?沙葉は連絡出来ない場所に居るみたいで連絡出来ないし」
「メール入れとくか」
「そうね」
ふたりと二匹で入口を捜索していると温泉行きのゲートと道らしき場所を見つけた。
「ここみたいだな、沙葉にはメール入れといたしメール確認するだろうし行くか!」
「温泉、温泉!…育成センターだとシャワーしか浴びれてないもんね~」
「沙葉の家の風呂には申し訳なくって入れなかったしな」
「大浴場なら最高よね!始めはゲートにしないで道から行こうかなー!」
「それはいいな!」
ふたりと二匹で氷の通路に向かい温泉地まで歩いた。
【宝石の癒し温泉】
「到着~!」
「ここがそうなのか…でかいなスーパー銭湯を意識してるのか?」
「店の中に行こう」
テンションが上がりに上がったふたりと二匹は銭湯の中に入っていった。
「いらっしゃいませ【宝石の癒し温泉】に、ようこそいらっしゃいました」
「早速入れますか!」
「はい、オープンしたてですが入れますよ…相棒ちゃんも一緒に入りますか?」
「えっ入れるのですか」
「はい、雄の場合は男湯に雌の場合は女湯です」
「おれはオウカとは別口だな」
「( ´△`)」
「えぇーじゃない」
「随分と賢そうな相棒さんですね!お店に入る前にしれっと小さな姿になってますし」
「オウカ一緒に行きましょう」
「料金はいくらですか?」
「相棒ちゃんも含めて…料金は750円になります」
「ライセンス払いで!」
「おれもだな」
「確かに頂きました…ごゆっくりどうぞ~」
それぞれの浴場に入って行った。
オウカは少し寂しそうにしていたがロゼッタが問答無用でオウカを掴み運んで行った。
「…命の洗濯って誰が最初に言ったのかしら~…人が居ない温泉なんて始めて~…あぁ~」
ロゼッタは臆することなく水を浴びて身綺麗にしてからすぃーと温泉に沈んで行った…温泉の中でくつろいでるわ。
オウカは少しびくびくしながら水を浴び温泉に前足をちょんちょんと試しながら入れて最初はアメンボの用にすいすい進んで居たがオウカが沈まない用にロゼッタが協力して二匹でくつろぎ出した。
「ふぃ~…この温泉最高~!」
「( ^ω^ )」
「ロゼッタも温泉が好きになった?…水が苦手なのかな?って思ってたけど…良かったわ」
「(///ω///)」
「大丈夫よオウカ~武治はオウカの事をはしたない雌なんて言わないわ、お背中流したいなんて言ったら向こうが恥ずかしがるわよ。さてとお風呂から出ましょう」
さっさと熱が覚めないうちに着替えて武治が待っているであろうロビーに向かった牛乳を飲みながら。
【宝石の癒し大浴場】
《ロビー》
「お待たせー武治!」
「おう、来たかいなりとオウカ達もな」
そこには沙葉も座っていた。
「いつ来たの」
「いなりたちがここに来た時にはここに居たんだよ」
「もしかして沙葉も温泉入った?」
「うん…」
「何か反応が薄いわね」
「メール入れといてくれてありがとね」
「メッセージ届いて良かったわ」
「これからは温泉に通いたくなるわ~」
「その気持ち分からなくもないね。VR技術スゲェと思うよ」
「リアルの体に関しては……その色々気になるけどな」
「その辺は考えないようにしてるよ…」
「下の世話とかね」
「いなり…それは言わないで欲しいんだけど」
「その辺の問題は【コスモンファクトリー】が作った介護AIロボットが居るから平気なんじゃね?」
「このゲームが出きる前に実用化のテストで施設で使われて好評だったってニュースになったあれね」
「そこはリアルに戻った時に分かるよね」
「…これからの事何だが」
武治が話を反らした。
「おれは上級試練に行けるとこまで挑みたいと思っている…マネーに関しては常に銀行に預けてあるから負けても平気だしな」
「今まで通りね」
「ごり押しで続くかな…?上級試練からは単純じゃないって言ってたけど」
「次の町に行くためには上級試練を5つクリアしないと行けないってあの兄ーちゃん言ってたから」
「これまでの運がどこまで続くか…って武治はもう次の町に行きたいのかい?」
「あぁ!行きー」
「それにしても2匹目手に入らないわね」
ビクンっ!とロゼッタたちが反応した。
「…入れ換える?ってコマンドあるけど…意味ないわよね」
「あー…オウカだけで良いと思っていたが、いなりはもう一匹欲しいのか?」
「欲しくない?ロゼッタたちでこんな可愛いのよ?」
「まぁ…私も武治の意見に賛成かな?ミューディだけで充分だよ」
「( ̄з ̄)」
「あっロゼッタが拗ねた」
「いなりと目を合わせない様にしてるぜ」
「わがまま娘に育てた覚えないわよー?」
ぷいっとロゼッタはいなりに目を合わせない!
「もう~…機嫌直してよ……あっそうだ雑貨屋のお婆ちゃんから焼き菓子貰ったんだった…ちょうど組んでる人数と相棒の数ピッタリ貰ったのよね」
「えっ何それ怖っ」
「どんな感じのお婆さんだったの?」
「えっその辺にいるお婆ちゃんだったよ?」
「おれたちも貰って良いのか?」
「うん、皆で食べてねって言ってたからね」
「……好意を無下にしないために貰おう」
「はい、お婆ちゃん特性焼き菓子」
【特性ナッツとドライフルーツたっぷりマフィン】
少しリッチな気分にさせてくれる手作りお菓子食べると運が良くなる魔女特性の魔法のお菓子。
「……何か凄い説明文が見えるのだが?」
「…これ食べてダンジョンに向かいましょ」
「うん」
【緊急クエスト発令!緊急クエスト発令!】
「うおっ!何だ!何だ!」
「何か始まったね」
「驚かさないでよ、もう」
【西陣営と東陣営が上級試練を解放しました!これにより【天下分け目の島】にて【第二回総力戦】を始めます!参加するかたはふたり以上でパーティーを組みご参加くださいませ。なおこの攻防戦は強制しません!ご自由にご参加くださいませ。】
「沙葉の姉もどうせ出るだろうし…何よりアイテムってなにかしらね?」
「沙葉は姉が居たのか!」
「そっか武治には言ってなかったっけ?居るよ。イコトの兄ふたりと姉ひとりがね」
「イトコの兄たちと実姉か」
「私としてはまだ会いたくないなー」
「えっ」
「色々あるのさ~身内どうしでもねー」
沙葉のテンションが駄々下がりした感じがする…。
「沙葉は参加しないで休んでる?武治とふたりで参加しても良いけど…」
「ううん…いなりたちが行くなら私も行くよ。パーティーを組めって事は大規模になりそうって事だろうし…前回の【小競り合い】の時は東陣営が負けたらしいからね。それに東陣営の人たちが今どの当たりか見ておきたいから」
「そこはおれも同感だな」
「無理しないでね沙葉」
「うん…ありがといなり」
こうして【第二回総力戦】参加を決め会場に向かった。




