上級飛行乗りの腕章
【アンクルバンナ城下町】
《大広場》
「皆、無事だったみたいね」
「母上もご無事で何よりです。状況はどうなってますか?」
「上空を見れば分かるわ」
とみさんに言われた通りに上空を見上げると沙葉とロディーヌと巨大な蛇がヤりあって居た。
「沙葉ちゃんから「私に決着を着けさせて欲しい」と連絡があったから見守っている状態なの」
「…あれ?ロディーヌの姿が変わってる?」
「えぇ…戦っている相手の大技を受けたらあんな風に真っ黒く染まって孟攻撃してるのよ」
「だがこのままだと決着が着きそうにないな」
「時間が掛かっていたから明莉ちゃんとロックス君が助太刀に入ったらロディーヌと巨大な蛇の攻撃を双方から受けて教会行きになって…」
「それでとみさんは助太刀に入らず見守っているんですね」
「えぇ」
…沙葉は上級飛行乗りじゃないから上空で活動するの大変なんじゃないかしら?
「あっ!」
「どうしたの?いなりちゃん」
「ヤチヨ教官【上級飛行乗りの腕章】って道具として使えるって本当ですか?」
「……そういえば教えていなかったか?」
「はい、教えられていません」
「……【上級飛行乗りの腕章】は持ち主と同じエリアに居る者にも効果があってな。腕章の色によって効果が違うんだ」
教官の説明によると
赤色➡️攻撃力と特殊攻撃力を上げる
橙色➡️防御力と特殊防御力を上げる
黄色➡️状態異常を直し状態異常を防ぐバリアを張る
緑色➡️モンスターの体力を回復し継続回復を発動
空色➡️モンスターの体力と速さを上げる
藍色➡️モンスターの放つ技の威力を上げる
紫色➡️経験値とモンスターの落とす素材の量を3倍にする
「ヤチヨ教官、どうしてもっと早く教えてくれなかったでありますか!」
「オレとしては元帥が教えていたと思い込んでいた」
「ここで腕章を使えば沙葉をサポート出来ますか!」
「それに関してはやってみないと分からん。だか使い方を教えてやる。腕章に触れて「秘められた力を解放せん」と言うのだ」
あたしはヤチヨ教官に教えられた通りに行うと黄色の腕章が光りアンクルバンナ城下町を包み込むと大広場に集まって状態異常に掛かっていたプレイヤーの相棒の状態異常が回復していた。
「おぉ!チャンピオンが光ったと思ったら相棒の状態異常が回復したぞ!」
「スゲー!」
「狂気種を倒した時に掛けられた呪いも解けてる!」
「ありがとう!チャンピオン!」
あたしは手を振って返事を返してから上空を見上げても沙葉とロディーヌには効いていなかった?
「…効いてない?」
「弾かれていたわ」
「あの時のアナウンスはロディーヌに現れたのか」
「そんな…沙葉」
ロゼッタはあたしの肩に顎を乗せて上空を見ているだけで動かなかった。
「( ・ω・)」
「……援護とか無しで見守っていて欲しい?」
「もしかしたら何かの因縁があるのかもな」
「そうみたいだぜ」
武治が陣地から歩いて出てきた。
「武治…」
「沙葉が戦っているモンスターはミューディがソウルスピリットに変異させられた姿だそうだ」
「えっ」
「あぁ…話に聞いていた沙葉の最初のパートナーか」
「だとしたら…沙葉自信の力で止めたいって思うかもしれないわね」
【アンクルバンナ城下町の上空】
『グォオオ…マイロードハ西ニオ帰リニナラレタ…我モ早ク戻ラナケレバ…』
「悪いけど…ここで決着を着けさせて貰うわよ」
『コノ黒イ鎖ガ無ケレバ…!』
「ロディーヌ行くよ」
ロディーヌは牙を見せ唸りレヴィアタンに食らい付きダメージを与えているが戦闘から2時間が経っても半分も削れて居なかった。
「貴様ラノ攻撃ナド!痛クモ痒クモナイワ!フンッ!」
レヴィアタンは自身の長い胴体を鞭のように使い噛み付いているロディーヌを振り払った。
「…くっ!」
「(`皿´)/」
「ロディーヌ!落ち着きなさい!」
『コノ技デ最後ダ!【毒ノ洪水】!!』
アンクルバンナの海が一部、紫色に染まり海が練り上がりアンクルバンナ全体と沙葉とロディーヌが戦っている上空をも包み込んだ。
『貴様ハ誤ッタ!一人デ我ト戦ウナド…マズ不可能ナノダ!!』
「こっこれは!」
『貴様ハ我ヲ縛ッタ事デコノ国ニ暮ラス者ヲ巻キ込ンダノダ…敗北シ後悔スルガイイ!』
ザバーーーン!と国を襲うことはなかった…突然消えた。
『!?』
「えっ!何が起きたの!?毒の水が消えたわ!」
地上では…
「えっなっ何が起きたの?」
「毒の海が消えた…?」
「へっ?」
いなりは周囲を見渡すと相棒が元の大きさに戻りプレイヤーを守っていた。
「…何ともない?」
「( ・ω・)」
「上空で戦闘している沙葉もモンスターも驚きに戸惑っているようだな」
「今回は流石にヤバイかなと思ったんだが…」
「突然消えるなんて事があるのねぇ?」
「巻き込まれてヤられると思ったんだがな」
「そうですね」
「………………………」
「どうしたの嘉帆?黙ってるけど…」
「驚いて声が出なかっただけ…」
「そうなの?」
「うん(…あれは見なかった事にしよう。…イルゼが全部飲み込んだ何て言えるわけがない。イルゼがスライムになってから予想外の出来事が起きすぎて…悪いことじゃないんだけどね)」
嘉帆は近くに居るイルゼが茶釜の蓋に体をくっ付けて濃い紫色の水を茶釜の中でぐるぐると混ぜている。
「(^o^)v」
「その毒は吹き矢に付けるのね。その辺のモンスターに使うのは止めてね」
「( ・ω・)」
「分かってくれたらな……えっ試し射ちしたい?」
濃い紫色の水を茶釜のイルゼしか知らない場所にしまい込むとアンクルバンナにある高台に向かおうと言ってきたので着いていく事にした。
「嘉帆、どこにいくの?」
「高台に」
「えっ」
「イルゼが何か試したい事があるらしくて」
「高台の方が良く見えるかも…あたしも着いていくわ!」
「おれも!」
ヤチヨ教官に高台に行ってくる!と言ってから高台に向かった。




