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ワールドフレンドウォーズ  作者: 冬こもり
最後の戦の準備期間
122/139

絶望と希望3

来年もよろしくお願いします。


『ぐぉおおおお…!熱い!』


ソウルスピリットは白と黒い炎に焼かれもがき苦しんでいたが古代樹が輝きだすと自身を包む灰色の靄が現れだした。


「あれは…靄?」

『決してあの靄に攻撃を加えては行けませんよ。靄がこの場を包み込み全滅しますから』

「フム…」



ヤチヨ教官はその場で腕組をして灰色の靄を観察し起き上がった四人も仁王立ちして様子を見ることにしたようだ。

イルゼはサングラスを外しロケットランチャーをしまった。



「だいぶ弱って来ているみたいだね。何か技が飛んで来るかも知れないから下がろう」

「ヤチヨ教官とか挂帆の状況を見ている筈なのに来てくれないのね」

「……」

「…心臓とか貫かれているけど大丈夫なの?」

「うん」



腕が突き刺さったままの嘉帆と共にソウルスピリットから距離を取った直後に嘉帆の胸に刺さっている腕が動きだしソウルスピリット本体まで伸びてくっついた。



「腕が突き刺さったままくっつくんか……抜くの手伝って貰って良い?」



あたしとイルゼとロゼッタで腕を抜こうとしたけど抜けなかった。



「なにコレ。抜けない…どうなってるの?」

「もしかして取り込もうとしてたりして?」



しばらく無言が続いたがそのまま無言でソウルスピリットの腕を引き抜く為にあたしとロゼッタとイルゼは動いた。

5分ほど引っ張っているとズルズルと突き刺さった腕が動きだしスポーン!と抜けた。



「はぁー……スッキリした。波島さんありがと」

「いい加減下の名前で呼んでくれても良いんじゃないかしら?」

「なんかね(…下の名前で呼ぶのがちょっと気恥ずかしいと思っている人種なので無理)」



微妙な空気が漂っていたが嘉帆に刺さっていた腕がもとの場所に戻って行くとソウルスピリットは灰色の靄を発散させた。

………ソウルスピリットの第3形態なのよね?



「…筋肉の人体模型?」

「あれに胸元を貫かれていたのか(わたし変異しないよね?この戦いが終わったら調べて貰おう)」

「…でも実体化してるわ」



ヤチヨはソウルスピリットに向けて即座に技を放つがソウルスピリットには効いてなかった。



「…実体化したと言うのに効かんか」

「ヤチヨ教官様!ソウルスピリットが手に持っている物が急に砂になって無くなりましたよ!」



桔梗がそう言うと一斉にソウルスピリットの手に注目が行った。嘉帆から奪ったキーアイテムが粉々になって地面にさらさらと落ちている。



『まさか鍵に時間制限があったとは…我も遊び過ぎたのか。古代樹が力を取り戻しそして【奴】が来ない…まさか……だとしたら戻らねばならんな』

「この土地を襲撃しておいて今から戻るだと?」

『ふん…貴様らでは我を消すことは出来ん無駄な努力はしないことだな』

「あら、そうなの?」

『我でもこちら側のモンスターを傷を付けることは叶っても一部を除いて死滅させることは出来ぬ』

「なんか急に理性が宿ったわ」



ソウルスピリットはあたしの言葉を無視してペラペラ喋りだ。



『本来こちらの大陸にも【東の虚無の王】として育つ筈だったモンスターがいたが育ちきる前に何者かによって倒されしまったようだ』

「えっ」

『我はその【東の虚無の王】を食らい【覚醒の儀】を行い真に力を得る筈だったと言うのに鍵も失われ【東の虚無の王】も取り込めずこの地を去るの事になるとは思いもしなかったぞ』

「それがどうしたと言うのだ?」



ヤチヨ教官の相棒が氷と炎のブレスをソウルスピリットに向けて放ったがまたまた効いてなかった。



「ちっ」

『東の虚無の王を我が食らっていたら技が効いたかもしれぬな』

「でもチャンピオンの相棒の技は効いてたわよ」



りりぃさんが言うとソウルスピリットは『そこの小娘のモンスターがかなり特殊な個体なのだろう』と言って筋肉の人体模型(ソウルスピリット)は空を飛ぶ事なく変な走りと結構な高さまで飛び上がるスキップをしながら聖域から離れて行った。

ヤチヨ教官は追いかける事は止めたようだ。



「…………何だったの?」

「ただ騒いでぐちゃぐちゃにしていっただけだと思う」

「エリアボスを捕まえていたお前たちについてだが…オレとしては今回は不問とする」



ヤチヨ教官が能面の様な表情をしながら喋りだした。



「この事を知る人物に全部説明して貰おうか?なぁ花沢よ」

『……はい。ですがその前にセンチュリオドラゴンを進化させても宜しいですか…?』



花沢さんの発言で全員がセンチュリオドラゴンと青年ルクスの方を見たが当の本人たちは「?」となっていた。



『ワタクシはまだ進化を遂げるのですか?』

『はい、最期の一匹となり絶望し希望を持てずにい居た様ですが…今ならきっと【希望】や【絶望】に偏り過ぎずに中間の間で進化出来るでしょう』



花沢さんはそれだけ言うと古代樹が纏っていた光が一本の光の糸となりその糸が王冠の形に織り込まれた。



『コレは…』

「【星の王冠】ね」


そこに突然幼女が現れた。


「貴様、何者だ!」

「アタシ?…アタシは」










来年は1月10日から投稿を始めます。

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