SS 新たな空色の上級飛行乗りと男の娘の誕生
【スカイエデン】
《訓練場》
「これより【プレイヤー名:凪彦】にライセンスの授与の儀式を始める!」
パチパチと拍手が鳴り響いた。
「今日より【プレイヤー名:凪彦殿】に【飛行乗り】より上のライセンス【上級飛行乗り】のライセンスを与える!前へ」
ヤチヨ教官の言葉に従って凪彦が表彰台に上ると。ヤチヨ教官の部下の人から凪彦に特製のゴーグルを渡し凪彦の腕に空色の腕章を装着させた。
そして表彰式が終りパーティーに移った。
「なんでわたしまで…」
「元空色の腕章の持ち主だから呼ばれたのよ」
「…もう帰って良いかしら?」
「沙葉まで言うなんて珍しいな」
「だって…気に食わないんだもの」
「気取ってるからわかる気がするよ」
話し込んでいるとそこへ空色の腕章を着けた上級飛行乗りになった野郎がやって来た。
「やぁ、チャンピオンのいなりさんと弥一郎殿と…沙葉さんとボクの前任者のスライムポット使いだね」
沙葉と嘉帆はふたりして腕が鳥肌になっていた。
「おれの事を無視しただろ」
「おや?君は誰かな?」
「……………」
武治は凪彦の方を見てあぁん?と言う表情をしていたが感情を押さえている。
弥一郎さんによしよしされている。
「…主役がどうしてあたし達の方に来たの?」
「何故ってそれは…チャンピオンのチームに落ちこぼれは必要ないと言うためさ!」
「ん?落ちこぼれ?」
「居るじゃないか!このチームに!」
「急に来たと思ったら落ちこぼれ扱いかい」
「本人が良く分かっているじゃないか」
……ヤチヨ教官、どうしてこんな奴を上級飛行乗りにしたのかしら?
「だから君はチャンピオンのパーティーから居なくなりボクがチャンピオンのパーティーに入るのさ!」
はい、自分オンリーの馬鹿ですね。あたしのパーティーには絶対に必要ない人種ね。
「そんなんだからお前はパーティーに誘われないしソロなんだよ」
「何だと?女みたいな趣味を持っている玉無し野郎の癖に!」
「以外に口が汚いないわね(女性プレイヤーを9割とお姉様方を敵に回したわこいつ)」
「別に男が服を作っても良いだろうが!人の趣味を否定するなんて最低な野郎だな!」
罵倒するのに慣れていない武治は言い負かされた。するとオウカが人型になり武治を優しく抱きしめよしよしした。
「ふん!メスのモンスターに慰められるとはまだ子供だな」
「なに言ってるのよ。あたしたちまだ子供よ。あたしのパーティーメンバーを悪く言うあなたを入れたらパーティーが崩壊するわ。それと仲間の相棒をメスですって?」
「何を言っているのですかチャンピオン、相棒と言っててもモンスター何ですよ?そしてそこのスライムと蜘蛛のモンスターを使っているふたりがあなたの品位を下げているのですよ?」
「下げて無いわよ。サポートとして優秀よ!」
「サポートとして優秀なのでしょ?戦闘面ではどうなのです」
(((((こいつウゼェ)))))と5人で心を一つにしていたらヤチヨ教官がやって来た。
「どうしたチャンピオンと仲間たちよ」
「ヤチヨ教官!どうしてこんな失礼な奴が上級飛行乗りなんですか!さっきから武治と嘉帆をディスるんですよ!」
「チャンピオン、ホントの事を言ってるまでです」
「凪彦は才覚が出始めてオレが鍛えた部下を5人は倒しお祖父様が認めたのでな。…そうだ凪彦と1対1で勝負してみれば良い。そうすれば凪彦も認めるだろう」
「良いですね。ボクは賛成です」
「嘉帆と武治はどうだ?」
「良いぞ。その代わり、ボロクソにしてやる」
「その代わり条件をお互いに着けましょう」
こうして条件をお互いに着けた上で決闘する事になった。
嘉帆と武治がそれぞれ負けたら潔くあたしのパーティーから抜けるのが凪彦と言う奴の言い分。
武治が勝ったら凪彦は1年間女装をし続け武治に言いはなった事を全プレイヤーに流す。
嘉帆が勝ったら2度と(最後の戦い等の場合は見せても良い)あたしたちの目の前に姿を見せないのと話しかけないでほしいと言った。
そして1回戦武治VS凪彦の結果は……。
「こんなの納得いきません!不正ですよ!蜘蛛のモンスターの動きが全く見えませんでしたよ!それに糸で縛り上げるなんて!」
「はっ口先だけだな!これでもいなりと沙葉とは初期からのメンバーだからな!約束どうり1年女装とお前がおれとオウカを侮辱した音声を流すからな!」
「くっ!」
「負けは負けだ諦めろ。だか武治よ」
「何ですか?」
「攻めて音声を流すのは止めてやってくれないか?」
ヤチヨ教官の目を見た武治は何かを感じ取った。
「……………わかりました」
「…ありがとう。さすがチャンピオンのパーティーメンバーだ」
そして凪彦の相棒である【テンペスレインペガサス】を完全回復させ2回戦が始まった。
「こんな事って!スライムに負けるなんて!本当にスライムなのか!攻撃を当てても全くダメージが入らない!そして茶釜から吹き矢を放ち毒やチクチクとした攻撃でじわじわヤられた!」
「そしてプレイヤーに対しての攻撃をした卑怯な君とはもう【イベント】以外で会うことも話し掛けられることがないと思うと精々するよ」
嘉帆は服を整えながら言った。
「今回に関してはオレは何も言わん。お前が吹っ掛け相手を不快にしたからな」
「………………ですが」
「ですがも無い、チャンピオンのパーティーに自分から話しかけたり見かけても近付く事も出来んからな。だがチャンピオンのパーティーの人間が「もう良いよ」と言った奴とは交流が出来るだろう。だかお前は初対面で不快にしたからにはお前の印象は最悪だろうから可能性は0に等しいだろうがな。では終わったな解散だ!チャンピオンたち今日の祭典に参加したことに感謝する」
それだけ言って凪彦と言う奴の首根っこ持ってヤチヨ教官は去っていった。
「連れて行かれたぞ」
「多分女装させる為にかもしれないわね?」
「…少しやり過ぎたか?」
「それは無いぞ。初対面で失礼な事を言ったし凪彦君とは交流を持ったことは1度もなかったからな」
「ヤチヨ教官から解散って言われたし帰りましょうか?」
そうして新たな上級飛行乗りの誕生を見届けたので自分たちの基地ではなく持ち運びが出来る家を始まりの街の近くのセーフゾーンに取り出し休んだ。
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【スカイエデン】
《秘密の部屋》
「何をするのです!放してください!」
「1年間女装するんでしょう?その衣装会わせしてるのよ?大人しくなさい」
「セクハラで訴えますよ!」
「アタシたちの大切な【乙男デザイナー】と【天才で可愛いデザイナー】を侮辱した分ウンと可愛くして上げる♡」
「りりぃねえ様~このゴスロリなんてどうかしら?」
「あら!良いわねっ!」
「くっ!放せ!」
「りりぃさん、頭に乗せるのティアラ風にしてみない?」
「アリサもなかなか良いわね」
「こちらの制服風の感じはどうでしょう?」
「ねねもだいぶ主張してくれる様になったわね」
「くっ屈辱的です!」
「さて服を合わせて見てから決めましょうか!」
「「「おお!」」」
こうして東の陣営の公式の男の娘である凪子が誕生した。




