おっおら、何も知らねーだ
【幻想の森】
《深き神域》
「俺たちの方は特に無さそうだな~あーだりぃ…」
「やっ弥一郎どん!くっ空想に逃げるのは止めるだす…」
「面倒~……息するのも面倒」
「嘉帆どん…」
目の前では巨大な蜘蛛が暴れているがそこに壬堵の姿はなかった。弥一郎と嘉帆はそれぞれの巨大なキノコの隅の方で怠けている。
『お前たちを罠に嵌めたの悪かったと思ってる!たっ助けて!』
「【策士、策に填まる】って奴だすな…」
カオス空間になる数分前…
「ここが最深部だな」
「見たいね。さて何か仕掛けがないか調べましょうか?」
「…あからさまな罠が目の前に転がってるけど」
「何だろうな?なんかの機械みたいだが…」
「わたしは近くにある巨大なキノコを調べる」
「胞子とかありますから気を付けてくださいね」
「俺はどうしようかな?」
「そうですねぇ…」
『ケッーケケケケ!我輩の領地に踏みいるとは命知らずの人間どもよ!覚悟するが良い!』
「なんか急に現れたぞ」
「です」
天狗のお面を着けた人型モンスター?が折り畳んで居た羽を広げ空へ飛び上がると巨大なキノコに蹴りを入れて大量の胞子を挂帆に浴びせた。
「うわ!何これ!………………なんかどうでも良くなってきた」
嘉帆は赤い色の巨大なキノコの近くに寝そべり始めた。
「普段からけだるそうにしてる嘉帆ちゃんが遂に本気で怠け出したぞ!」
「えっあっえ?」
「壬堵さんはどうしてる!」
キョロキョロと周辺を見ると壬堵は「助けてー」と機械に取り込まれそうになっていた。
「この数分の間に何があった!」
「良く見たら蜘蛛型のロボットですか!」
ウォーン!ウィーン、ガチャンと機械に何かが填まる音が鳴り響いた。そして蜘蛛ロボットの目が赤く光り活動を始め天狗を襲い出した。
「ひぃ!おっおら!」
「ん?おっおら?」
「だめだすぅ!やっぱり都会は怖いだすぅ!」
「えっ急に喋り方が」
「おっお母!助けてだすぅ!」
「ぱっパニックに陥ってる……あっ」
何と言うタイミングだろうか…キノコの胞子が弥一郎を包み込んだ。
「ぴゃっ!弥一郎どーん!」
「…だりー」
「どうしよ!どうしよ!おっお母!!」
「あひーん」
弥一郎は巨大な蜘蛛のロボットの暴風により転がり巨大な緑色のキノコの近くに飛ばされた。
「ノォオ!!おら1人でどうにもならないだすぅ!」
「ブォオオオオ!」
『イヤァア!なにこのカオスゥウウウ!』
それぞれの巨大なキノコの方から「「あーだりぃ~」」と言う声がする。
そして現在に戻る。
『助けてーー!!』
「おっおらには無理だす、止められねーだすよ。おら何も知らねーだ。元に戻るまで大人しくするだ……コホンっ………セレアーネ……取り乱して昔の口調が出てしまいましたが…弥一郎君と嘉帆さんが元に戻るまで大人しくしてましょう」
「(⌒ー⌒)」




