表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/28

第17話 幽霊騒ぎ


 3年ほど前のこと。


「クロノスちゃん、うい~す」

「おや、死神タナトスくんじゃないか。相変わらず薄気味悪いオーラを漂わせているね。殺人でもしてきたのかい?」


 タナトスくんは神仲間である。


「辛辣〜。お酒持ってきたから一緒に飲もうよ~」

「おや、妙に気が利くじゃないか。人を殺して奪ってきたのかい?」

「辛辣~」


 数時間後。


「もうぼくは飲めないよ~」

「クロノスちゃん、それでね~。目を掛けてる子が農業者ギルドに入るみたいなんだ〜。その子こっちで祝福しちゃっていい?」

「いいよ~。うっ気持ち悪い。オロロロロ」

「へべれけ~」





「……ということがあったんだ。多分、君はその時にタナトスくんの祝福を受けてしまったんだと思う。まあ人は適正に見合ったクラスに就くのが一番だからね。そういう意味ではぼくの英断だったと思うんだよね!」


「いや、酔っ払って仕事放棄しただけだろ」

「うっ」


 まったく酒というものは恐ろしいわ。


「わたしはこのクラスが気に入っているので別に」(ボソボソ)

「それは素晴らしいよ! それじゃあアンデッコくんのクラスに乾杯だ。かんぱーい!」


 そう言うとクロノスは自分のコップに入っているワインを一気に呷った。


「お前、勢いで自分の落ち度を無かったことにしようとしてるな」

「アムルくん、ぼくはお酒を飲んだので営業を終了しました。苦情は後日受け付けます」

「ブヒ(終了しました)」


 なんか、終了したらしい……





「ところでアンデッコさん、納屋の除霊に来てもらったところ悪いんだけど、肝心のその納屋がもうないんだ」

「そうですか」(ボソ)


 納屋の除霊はこの土地を借りたときに、ギルドのエレナさんがオプションで付けてくれたサービスだ。


 そして怒られるのが嫌だったため、納屋が爆発したことを報告していない。

 つまり、アンデッコさんは俺のせいで無駄足を踏んだことになる。


 ……いや、まだ責任を回避できる。

 無駄足だった印象を失くせばいいのだ。

 それさえ出来ればマイナス印象は残らないはずだ。


「もしかしたら地縛霊とかの可能性もあるのかな?」

「そうですね。建物が無くなってもその土地に居座る可能性はあります」(ボソボソ)


 よしよしよし!

 無駄足から簡単な確認のお仕事にランクアップしたぞ。


「それではその辺を見て回ってきますので」(ボソボソ)


「さっきから君たちは何を言っているんだい?」


 ここで余計なことに営業を再開させたやつがいた。


「ぼくがいる場所は聖域となるんだ。地縛霊なんて一瞬で蒸発するさ」


「だけどクロノスは俺が来る前からここにいるんだろ? 確か前の住人は幽霊をみたって言ったあと謎の失踪までしてる訳だけど、その辺どうなのよ?」


「前の住人? ああ、あの髭面のおじさんか。ん?」


「何か知ってるのか?」

「……営業を終了しました」


 ……怪しい。





「怒らないって約束して欲しいんだけど」

「俺が被害を受けた訳じゃないから別に怒りはしないけど」


 クロノスが自供を始めた。


「かなり前のことなんだけどね、帰ってきたら魔法陣の部屋のうえに納屋が建ってたんだ。ぼくとしても魔法陣の部屋に入るのが面倒なときとかに利用出来るからラッキーだったんだけど、たまにいるんだよね、勝手に住み着く不埒な輩が」


 不埒な輩? ……自己批判か?


「だからね、ちょっとびっくりさせてやったんだ」

「ああ、なるほど話が読めてきた」


 どうやら幽霊騒ぎの正体はクロノスだったらしい。

 聞くに窓から無表情の顔を浮かべてみたり、寝てるときに横に立ったりしていたそうだ。


 なにそれマジで怖い。


「もしかして俺にもそれやったのか?」

「……営業は終了されています」


 気付かなくて良かった~

 あやうくトラウマになるところだ。


 俺はアンデッコを見送ってからクロノスをめっちゃ怒った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ