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ニートな彼氏  作者: typeX
2/6

二話 働きたくないから働いてない(以下略)

 それは、唐突だった。


「ニートなめんな!」


 ミカン砲により、フリーター論争が終結を迎えたその後。

 笑いが収まったばかりだというのに、いきなり声を上げた相手。

 思わず笑いが振り返しそうになった。

 しかし、その笑いは落ち着けて、平静を装い問い掛けてみる。

「……急にどうした?」

「俺は、働きたくなくて働いてないんじゃない」

「違うのか?」

 てっきりそうだと思っていた恋は、本心のままに再度疑問符を返した。

 ミカンの皮を剥き、白い筋を取り除きながら頷かれれば更なる疑問符が口をつく。

「だったら何だ?」

 その問いに、亜鶴は手を止めて片方の口角を上げた。

「働く必要がないから」

 ドヤ顔で紡がれた答えだが、恋は疑問を引き摺ったまま首を傾げる。

「……いや、よく意味がわからない」

「だーかーら、働く必要がないから」


 ……それは今聞いた。

 

 思わず内心でツッコミを入れた。

 聞こえなかったわけではない。

 恋が問いたいのは別の部分なのだ。

「……働く必要がない?」

 相手の答えた内容そのままだった。

 すると、続く問い掛けにも嫌な顔一つせず、むしろ自慢気に、亜鶴はその理由を口にする。

「だってほら、俺には恋っつー金蔓が居るからさ」

「…………」

「え? どした?」

 訪れた沈黙。

 半笑いの亜鶴が見つめる先。

 ミカンを握る恋が立ち上がった。


「…………だ……誰が金蔓だぁぁぁぁぁッ!!」


 近隣に響く声と共に、ミカン砲が放たれたのは言うまでもない。

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