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縁結びの神様のご加護付き!  作者: 赤式
1章「転生、チュートリアル」
6/9

6話 目を覚ますと

いつか遠くなってしまった君に

「ぁ…っはぁはぁ」


急な息苦しさに襲われて、息をする。

まるで、今まで息を止めていた、いや息をしていなかったかのようなそんな感覚だ。

雨が降っている。

ゆっくりとまぶたを開くと、あの神社の賽銭箱の前にいた。


「俺は一体……」


体を起こして、周りを見る。

今さっきまで何をしていたのか思い出そうとすると、頭を殴られたような痛みが走る。


「確か、京介がいて……縁結びの神様が……」


まだグラグラと視点が定まらないまま地面を見る。

そこには、血の跡は何も無かった。


「あれ?」


刺されてあれだけ血が出たのに…どうして?

刺されたはずの背中に手を伸ばしてみるが、服が破れてる様子はない。


「おかしいな……」


と、その時。

急にゾクッと寒気を感じ、瞬間的にその場から飛び退いた。


瞬間、その場所に一筋の雷光が落ちた。

音が遅れて空気を伝わっていく。


「え……」


だが、俺はそれどころじゃなかった。

思い切り飛び退いただけで、神社の賽銭箱のから、出口付近までジャンプしたのだ。


「えっと……」


試しにその場で軽くジャンプすると、普通ジャンプする高さで跳んだ。

もう1度、その場で思いっきりジャンプする。


「うわぁぁっ!? 」


すると、今度は軽々と普通の家の屋根の上程度の高さまで跳び上がった。

びっくりして着地に失敗して転がる。


「あたた……ん?痛くない」


普段なら痛いどころで済まないであろう高さから落ちたというのに、少しも痛みを感じない。


「これは……身体能力が異常になってる!?」


あまりの出来事にテンションが高くなる。

何となく足元に落ちている拳大の石を拾い上げ、力を込めると……。

パキパキという軽い音を立てて石にヒビが入り、拳大あった石が砂利のようになった。


「うわ……マジかよ」


その力の強さに驚きを隠せない俺。

と、その時。



「……うそだ」


雨音に紛れて、小さく呟く声が聞こえた。

声の方に向くと、ある人物が立っていた。


「瀬川……」


そこには、傘をさした瀬川 そらが立っていた。

頭の中で京介の言葉を思い出した。

初めて会う人物に、縁結びの神が憑依していると。


「片山くん……?」


どこか普段と違うところがないかじっと見つめるが、特に変わった様子はない。

しかし、京介の言葉を信じるなら瀬川に縁結びの神が憑依しているとして間違いはないのだろう。


「ど、どうした?そんなに見つめて」

「あ、ああ、いや」


そっと俺は目を逸らした。


「それにしても、片山くんはすごいな」

「え?」

「石を握力だけで粉々に出来るなんて」

「見てた?」

「もちろん」


と、そこで近寄ってきて傘に入れてくれる。


「家まで送ろう。傘が無いのだろう?」

「ええ……」

「なんだ、嫌なのか?」


いや、嫌じゃないんだが……。

京介の言っていた通りなら、瀬川が縁結びの神の憑依された人間なんだよな。


「まったく、ほら、行こう」

「おわっ」


何も言わない俺に痺れを切らしたのか、俺の腕を掴んで歩き出す瀬川。


「お、おい。そんな歩き方したらお前が濡れるだろ」

「構わないさ」

「……」


優しくそう笑う瀬川の笑顔に、俺はなにも言え無かった。


「どうして傘を忘れたんだい?」

「いや、なんとなく」


倒れてましたなんて言えないので、適当にはぐらかす。

なんとなく、スマホを取り出して時間を見る。


「え……? 」

「ん?どうした?」


時間と同時に表示される日にちがかなり日にちが経っている。

おかしいと思い、アプリのカレンダーを開くと……。


「まじかよ」

「うーん、何かあったのかい?」


二年前の西暦が表示されていた。

二年前の、5月のゴールデンウィーク。

二年前という事は、俺が高校2年の時だ……。

京介が言っていた向こうの世界、というのは過去の世界の事なのだろうか?


「大丈夫……?」

「あ、ああ」


無言になった俺を見て、とても心配そうにのぞき込んでくる瀬川。


「うーん、どこかお店に入ろうか」

「いや、大丈夫だ……」


あまりにも色々な事が起こり過ぎて、頭が回らない。

どうしていいのか分からず、そのまま立ち止まってしまう。

瀬川が俺の顔をのぞき込んでくるなり、


「大丈夫じゃないじゃないか!ほら、あそこのカフェに入ろう」


そう言って俺の腕を引っ張って強引にカフェへと歩き出した。

そしてまた、俺は違和感に陥った。

カフェ・ルーエ。

そこは……。


「いらっしゃいませ!……ん?瀬川さんと澄?」

「……なん、で?」


そこで俺はありえないものを目にした。

二年前にはもう既に居ないはずの人物がそこにはいた。


「やぁ、リン」

「……ぁ…」

「澄!? 」


紫 凛が、そこにいた。

もう、色々と頭の回転が追いつかず俺はショックのあまり、そこで意識を失ってしまった。

辛いとストレスのせいかバンバン描けるんです

これって病気かな!?

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