世の中は理不尽で出来ている
高校生のガキが書いている小説ですので、温かい目で見守ってもらえると嬉しいです♪
2031年。それは近代で最も社会変動を起こした革命的な年・・・
それを実現させたのが、とある大手電気機器メーカーが開発した[意思・思想実体化装置]
またの名を〈EMS〉である。
「あーがー・・・」
2032年7月24日
都内某所にあるここ七条学園は、成績の良さでは全国でも5本の指に入る私立進学校である。
そんなところで明日に夏休みを控えるそんな時期に教室で項垂れる1人の少年がゴシゴシと教室に頭をこすりつけている。
「鬱だ、死のう・・・」
冒頭から自殺宣言しちゃってるコイツの名前は「紫音 優」。女の子みたいな名前だが、れっきとしたエロいことばっか考えている健康的な男子である。
「やあやあ、明日から休みだってーのに自殺願望のあるやつがここに1人いるよアッキー」
「ああ、これこそ飛んで火に入る夏の糞虫だな亜衣」
「うっせーバカップル。お前らに俺の気持ちがわかるか!」
自殺願望者を嘲笑しに言葉のキャッチボールを強制開始させたのは、学年でバカップルと名高い亜衣こと「優姫 亜衣」とアッキーこと「山ノ内 昭久」である。
「なんだいなんだいボッチ君。悩みかね?恋の悩みかね??」
「違うよ亜衣。彼は夏休みの宿題という名の強制労働に苦悶しているのさ。あ、イライラしているのは今日の朝ご飯を食べ損ねたからかな?」
「あ、テメ。先読みだけじゃなく過去まで読めるようになったのか?」
「お、察しがいいねえ。僕は優秀だから今はクラスC2なんだよ。」
「クラスC2?」
「なんだいなんだいボッチ君。能力判定の評価基準も忘れたのかい?」
亜衣は哀れみの目で優をみつめる。
じ~・・・
じ~~~~~~・・・
じ~~~~~~~~~~~~・・・
「ああ、そんな目で俺を見るなー!」
「へ?私はただ、君の後ろにいる美月ちゃんに熱い眼差しを贈っているだけだよ?」
「能力判定とは、EMSを介して使いこなせる超能力をさまざまな観点から評価し、上はA1下はG5とクラス分けすることで本人の能力向上をはか・・・」
「うわあ!!」
いつからいたのだろうか、優の後ろでペラペラと専門用語の羅列を読み上げている黒髪ストレートの少女。
「美月!!」
「はいはい、美少女戦士こと水野 美月ちゃんで~す♪」
「愛しの彼女オーラをプンプン漂せながらもあくまで優の幼馴染と言い張る超絶美少女さんじゃないですか。」
昭久はニヤニヤと不敵の笑を顔に貼り付けている。
「アッキー浮気?」
となりで顔に影がかかった亜衣。てか、ごっつ睨んどる。
「う~ん?亜衣は超スーパーウルトラグレートデリシャス大車輪美少女だから安心しな♪」
『テニプリかっ!!』
「お、お2方ナイスツッコミ。」
そんな3人とはべつに満面の笑みの亜衣。
「や~ん。アッキーったら本音が上手なんだから~♪」
「いや、お世辞です。」
「殺されたいの?」
「嘘です!本音です!!すいませんっした!!!」
『うわー・・・』
そこには頭を床にガンガンぶつけて土下座をするイケメンのバカップルの片割れの姿が・・・
「とりあえず、外出るか・・・」
「そ、そうだね・・・」
背中に寒いものを感じながら2人は教室をあとにするのだった・・・
「あ、2人とも。また明日ね~。」
振り返っちゃいけない。何故また明日なのかとか昭久を助けなきゃとか些細な問題だ。そう、僕らは前を見つめて歩き続けるのみだ!!