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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

二者択一の地獄

最近できた彼女とデートしてる時だった。

いつも通りの道を彼女と歩いていたら、俺は地面に落ちていた百円を見つけ立ち止まり、彼女は二歩進んで止まった。途端


キィィィィ ドガッ



と、音がして気が付くと彼女は吹き飛び普段ならあり得ない断末魔を上げて転がっていた。

俺は一瞬目を見開き、一瞬顔を青くして直ぐに救急車を呼ぼうと携帯を取り出した。

その瞬間携帯に着信が入った。何故か俺はそれに出なければいけない気がして焦る気持ちを必死に押さえ付けながら通話ボタンを押す。

掛かってきたのは今俺の家族と旅行に行ってる筈の友達からだった。


「どうした。」

「い…………今町…から未だ、出ていないんだが……事故った………。救急車……呼んでくれ、、、もう……いし…き、が………」

プツッツーツーツーツー。


その瞬間俺の心の中を絶望が覆った。

以前見学に行ったから知っている。交通事故の少ないこの町では救急車が一台しかないのだ。



目の前に転がっている彼女を見る。俺の心の中の悪魔が語りかけてくる。


≪もう良いじゃねえか。家族のことは知らんぷりしてよ。彼女を助けようぜ。それが良いって。≫


手に持っている携帯を見る。別の、天使のような悪魔が語りかけてくる。


≪もう良いじゃあありませんか。彼女を捨てましょう。貴方は今までお世話になった家族や友人を見捨てるのですか?≫


手が震える。分からない。どちら選べば良いのか。どうすれば良いのか。

どうすれば。どうすれば良い?どうしたら良いんだ!!どうしたら!!


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」


有るのは地獄、だけだった。




























さて、ここで物語は止まってしまいます。

我々は彼がどちらかを選ぶまで待たなければいけません。果たして彼はどちらを選ぶのでしょうか?家族と友人か、それとも彼女か。それとも選べずに両方死んでしまうのか。



命の量は違うのに命の価値は違うとはよく言ったものです。彼にとって価値が有るのはどっちなのでしょうか?


それは誰にも、分かりません。

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