第六章 過去の言葉
第六章 過去の言葉
「…それにしてもほんっと暇だなぁ。」
「暇暇言うな。俺までそう思っちまう。」
「何?雄君は暇じゃないの?」
「まぁ慣れたしな。それと“雄君”はやめろ。“君”付けは。“雄”でいいよ。」
「ん。わかった。」
「ちょっと案内しようか?ここ。」
「え?何かあるの?」
「何かあるから案内するわけじゃないんだ。でもいいとこ♪」
「?」
「う、うわああぁぁ……!」
「なっ?すげーだろ?」
「うん!こんなとこにもあるんだ。こんな綺麗なとこ。」
「あぁ。」
そこはあたり一面、綺麗な花畑だった。
ここに来てから“暇”という感情しかなかった優奈。
でもこの花畑で、久しぶりに“楽しい”という感情がもてたのだ。
「ねぇ雄。」
「ん?」
「雄は……辛く………ないの?」
「え……?」
「その女の子のこと……名前…よく覚えてないんでしょ?」
「うん……。」
「辛くない……?」
「辛いけど……その女の子が言ってたんだ……。」
「?」
「?自分より辛い人はたくさんいるのだから泣かない。もっと辛い人に申し訳ない。?
ってね……」
「!!」
「その言葉……」
「あ……やべっ………」
「あなたが………………?!」