第四章 本当に好きならたとえ記憶が無くても
「にしてもここは暇だね。」
「だろ?だからみんな必死なんだよ。ここから出れるように、やり残した事を探してる。どうしても駄目な場合は自然に生まれ変わるけどな。」
「私も思い出したら、こんな思いしなくてもすむのかな?」
「うん。でもさ……」
「なに?」
「…思い出したら、その男のこと思い出したら、結局逢えないまま、生まれ変わっちゃうんだよ?」
「あ………」
そっか……結局、逢えないんだ。
「で、でもさ、思い出さないで逢うことは出来るんじゃないかな?」
「どういうこと?」
「うーんと…そう、もう一度好きになるんだよ。」
「もう一度?」
「うん。その人のことが好きだってことを思い出さないで、もう一度好きになるんだ。」
「それってすごい偶然だよね?」
「うん。でもその偶然に賭けてみない?どうせなら小さな可能性を信じてみない?」
「…そうだね。」
「それにさ…」
「?」
「本当に好きならたとえ記憶を失くしても、好きになれると思うよ。」
「……いいこというじゃん!!」
「だろっ?!」
「自分で言うな!」
「「ハハハ!」」
…私雄君を好きだったらよかったのにな………
〜作者から〜
優奈の好きな人、誰でしょう?
って私が書くんだ……。