『本好きの下克上』におけるオリジナルの神の設定
『本好きの下克上』は、ドイツ語をベースとしたオリジナルの神が多数登場する。構造としては、最高神、大地を司る五柱の大神、眷属神と並ぶが、その詳細を見てみよう。
<最高神(光と闇)>
闇の男神 シュティフェルクート
ドイツ語の Stiefel (ブーツ) と Gurt(ベルト/帯) の組み合わせと言われています。衣装や眷属 (マントなど)のイメージから来ていると考えられる。
光の女神 ヴァトレンディール
ドイツ語の Vulkan(火山) や Wandel(変化・歩み) などの響きをベースにした造語と推測。
<五柱の大神>
水の女神 フリュートレーネ
>ドイツ語の Flut(洪水・満潮) + Träne(涙)。
「水」と、少し切ない物語を持つ女神の名前。
眷属神)
癒しの女神 ルングシュメール
出産の女神 エントリンドゥーゲ
火の神 ライデンシャフト
>ドイツ語の Leidenschaft(情熱、パッション) そのもの。
熱く燃え上がる火のイメージ。
眷属神)
鍛冶の神 ヴァルカニフト
武勇の神 アングリーフ
風の女神 シュツェーリア
> ドイツ語の Schützen(守る、防御する) がベース。
作中で彼女の魔力が「守りの結界」として使われることと一致。
眷属神)
英知の女神 メスティオノーラ
芸術の女神 キュントズィール
時の女神 ドレッファングーア
土の女神 ゲドゥルリーヒ
>ドイツ語の Geduldig(忍耐強い) がベース。
冬の間、命の神に閉じ込められてじっと耐える土(大地)の性質を表している。
眷属神)
なし
※「冬の循環」を命の神と二柱で担当。「土用」に相当?
命の神 エーヴィリーベ
>ドイツ語の Ewig(永遠の) + Liebe(愛)。
土の女神への「永遠の愛(ただし執着が強すぎて歪んでいる)」というキャラクターそのもの。
眷属神)
酒の神 ヴァントール
料理の神 クウェカルーラ
英知の神 メスティオノーラ:
ドイツ語の Messen(測定する、評価する) などがニュアンスに含まれている。
シュタープ(貴族の万能の杖):
ドイツ語でそのまま Stab(杖、棒)。
ユルゲンシュミット(Jurgenschmidt):
Jürgenは「大地で働く者」「農夫」の意。
Schmidt / Schmiedはドイツ語で「鍛冶屋(職人)」、何かを「作り出す者」の意。
◇
『本好きの下克上』の作者による「造語」は、ドイツ語の規則性と比較しても、美しく、おそらくドイツ人が耳にしても、さほど違和感をおぼえない出来とされる。>「名詞+名詞」や「形容詞+名詞」というドイツ語の文法規則通り
一般の素人小説家たちにとっては、少々ハードルの高いネーミングであるが、そのへんは今後、AIにお任せすればOKである。
有望なのは、ラテン語による新たな代替神の捏造。
ヘブライ語や、日本ではあまり馴染みのないフランス語やスペイン語などの神をオリジナルで作るのも、面白いかもしれない。




