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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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閑話 空への憧れ②


イデスとアデスは、イレスが去ってからどれ程の時間そこで考えていたのか…


先に動き出したのはアデスだった。


『イデス様、俺ちょっとブラブラしてきます。』


『……ん…分かった。俺はもう少しここで考える。』


『…イデス様、俺…まだイレス様の言った意味が分かった訳じゃないですけど…俺への言葉はイデス様にも繋がるような気がするんです。』


『……どうゆう事だ?』


『…何となくですけどね…飛ぶ事と翼が必ずしもイコールじゃない…って…思ったんです。俺達…翼を使って飛ぶ事しか知らないじゃないですか。けど、他にも…翼を使わなくても…飛ぶ方法があるんじゃないかって。イデス様の求める「飛ぶ」が、アンゼス様のように翼をはためかせる事でしかないのならあれですけど…』


『……何が言いたいんだ?』


『……俺が昔ジャンプして飛んだって言った時、イデス様はそれは「ジャンプ」で「飛ぶ」じゃないって言ったじゃないですか?けど、イデス様から見たらジャンプだったかも知れないけど、俺から見たら飛ぶ…だったんです。それに…翼があっても飛べない鳥もいるじゃないですか?だから…翼があるからと言って飛べるとは限らないんじゃないかって…魚が鰭を使って一定時間浮くのも、ジャンプだって言う奴もいれば飛んでるって言う奴もいる…何か上手く言えないですけど…そうゆう事なんじゃないかなって…』


『……』


『すいません、余計な事言って…何か考え方の変換?になればな…って思ったんで、あんま深く考えないで下さい。じゃ、俺行きますね!』


『……ああ…アデス…ありがとう…』


『……いえ…では。』



イデスはアデスの話しを聞いて、なるほどと思った。自分の視点でばかり考えていたから行き着く答えは同じだったが、自分以外の目線で考えるとそんな風に見えるのか…と、衝撃を受けていた。



『……アデスにしては良いとこに目を付けたな…』


『……ええ…ホントにあの二人は良いコンビですね。』


アンゼスとイレスは、もう大丈夫だろうと見守るのをやめ歩き出す。



『イデス様に偉そうな事言ったけど、自分の事はサッパリだ…ハァァ………ん?あれは…レオン様?』


遠くに亀レオンがゆっくりノソノソ歩いているのが見える。

アデスは久しぶりに話しでもしようと、レオンに声を掛けた。


『オーイ!レオン様ーーーっ!!』


レオンはふと足を止めチラっとアデスの方を見て、すん…と表情を消し視線を逸らし歩き出す。


『はっ!?無視かよっ!!』


アデスは猛スピードで駆け寄り、レオンの甲羅に手を伸ばす。


『ちょっと!レオン様、無視は酷くないですか!?』


じぃ〜っとアデスを見て、フンッと鼻を鳴らしプイッと顔を反らす。


『…っ…何でっ!!』


アデスはレオンのその態度に、自分が何かしただろうかと考えるも思い当たる節がなく困惑する。


『……あの〜レオン様?俺、何かやりました?』


恐る恐る聞いてみるが、反応はない。


『ねぇねぇ、レオン様〜。何かやったなら言って下さいよ!何でそんな冷たいんですか!!』


レオンは足を止め、再び無言でアデスを見る。


『………………不細工…』


『………………へ……?』


不細工の一言に、アデスは思わず変な声が出た。


『ちょっと!久しぶりに会って一言目が不細工って酷くないですか?それに、俺のこの凛々しい顔と逞しい体…特にこの硬い筋肉なんて…惚れ惚れする〜』


レオンはアデスをじっと見て、視線だけ頭から爪先まで一往復させ一言。


『…………不細工…』


『っ…だから、どこが不細工なんですかっ!!』


『…………全部…』


『……へ?ぜ、全部!?』


『………全部…不細工…はぁ…やはりバカだったか…』


『ちょ、ちょっと!レオン様、どうゆう事ですか!』


レオンはもう話す事は無いと言わんばかりに、向きを変え歩き出した。


アデスは納得がいかずに、レオンの後を着いて行く。


レオンはギャーギャー喚くアデスを余所に、黙々と歩き続け気付けば山を登り見晴らしのいい崖の上に来ていた。


『……ん?レオン様、何故こんな所に?』


『…………ふんっ…』


レオンの横に並び立つアデス。

すると次の瞬間、レオンの大きな前足がアデスの背中を思いっきり叩く。


『…っ…うわっ!!』


アデスは崖から真っ逆さまに落ちる。


一瞬の事でアデスは対応出来ず成す術もなく落下するが、落下先の地面ギリギリのところで大鷲に変化し難を逃れる。


そのまま急上昇し、崖の上のレオンの元に戻る。


『ちょっと!何すんですかっ!!』


『…………ッチ…』


『…っ…舌打ちしたっ!!今、舌打ちしましたよね、レオン様!!』


『……だから何じゃ…』


『いや、さっきから酷くないですか!』


『………………お主のその様の方が酷いわ…』


『どうゆう意味ですか!!』


『…………お主、何故その姿になる迄にそれ程時間が掛かるのだ?そのご自慢の筋肉は飾りか?……ああ、そうだな。硬い筋肉は重いから邪魔か…なら、そんな役に立たない筋肉なぞ捨ててしまえ!それとも何か?お主は人型になれたからもう鳥の姿は必要ないという事か?なら、何故落ちた時鳥になった?どっち着かずの中途半端が!もし一緒にイデスが落ちてたらどうする?ギリギリ変化して自分の身を守る事は出来ても、イデスはそのまま地面に叩きつけられ、大怪我か命を落としていただろうな。何がイデスを守りたいだ!人型になったのは嬉しい事かも知れんが、浮かれるのも大概にしろ!進化して偉くなったつもりか?情けない…今後、人型で儂に話しかけてくるな!!』


レオンは一気に捲し立て、その場を瞬足で立ち去った。アデスは、レオンの言葉を反芻しながら己が失念していた事に気付く。


イレスが言いたかった事も、恐らくレオンが言った事と相違ないだろう…と、今更ながら恥じた。


『………何やってんだ俺は…ハハ…確かに不細工だな…』


アデスは先程落ちた崖を見やる。


『……レオン様、イレス様…ありがとうございます…』




『……全くアイツは…単純が過ぎるわい…フン!』


レオンはアデスを気にかけていたものの、なかなか会う機会がなく偶然見たその姿にガッカリしていた。


根が真面目で素直なのは良いが、物事を端的に考える部分があり、良い方に作用すれば良かったが、今回は良くない方に作用した様だった。


鳥の時は鳥として、人型になったら人型としての訓練をする。それ自体は間違っていないが、いつまでも片方ずつの訓練ばかりして、それが一つに繋がらない。


どちらの姿もアデス自身なのに…


レオンはそれが歯痒いのだ。


しかし、やれば出来る子のアデスは、ちゃんとレオンの意図を理解し考えを改めた。


アデスは残念な部分も多いが、勘が鋭く意外と出来る子なのです。




一方、イデスはと言うと……


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