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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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閑話 空への憧れ①


ウェネスとの戦い後、神界は暫く落ち着いていた。


イデスはアデスとの対決で、自分の中に何かしらの変化が起きた事には気付いていたが、具体的には分からなかった。


『……はぁ…』


『…また溜め息ですか?』


『……俺の何処に変化があるのか、未だに分からん…』


『まぁ…見た目は変化無さそうだし…俺みたいに鳥からイケメンに変われば分かり易かったでしょうけど♪』


人型の容姿を気に入ってるアデスは、ニヤニヤ顔でふふんと鼻を鳴らして得意気だ。


『フンッ…俺の方がカッコいいし…』


『え〜それ本気で言ってます?俺の方が絶対カッコいいですよ!!ホラ!この筋肉…はぁ…美しい…』


『はっ!アデスお前、覚醒したら頭おかしくなったんじゃないか?あぁ、そうか。知能が筋肉に変わったのか…残念だな!ハハハ…』


『んな!そんな訳ないでしょ!俺は前も今も変わらず賢いですよ!イデス様こそ頭ばっか使ってないで、もう少し筋肉使った方がいいんじゃないですか〜!』


『何だとっ!!お前最近ホント生意気だなっ!!』


『い〜え!俺は昔から可愛気のある、優秀な従者ですよ〜!』


『可愛気はないっ!それと従者じゃない!お前は友達だ!!何回言ったら分かるんだ!!だからバカだって言ってんだ!!』


『……いや…何か…サラッと友達って…もう…ホント貴方は…喧嘩も出来ない…ふふ…』


『何ブツブツ言ってんだ!やるか?よし!勝負だ!』


『アー、ソウデスネ…ヤリマショウ…』


『オイッ!何だその気のない返事は!!』


『アハハハ…じゃあ、今日も本気でいきますよ!!』


『かかって来い!!』


『『いざっ!!』』



イデスとアデスの関係は、あれ以来微妙に変化していた。アデスは変わらずイデスに親愛と敬愛を持って接していたが、イデスは対等の関係でいる事を望んでいるようで、アデスがイデスを敬うような言動をすると直ぐ様訂正する。


その為、アデスは嬉しいような擽ったいような気がして、素直になれず口調だけ何とか砕けた物言いに変えたのだ。


初めは抵抗があったが徐々に慣れてきて、アデスも今の方が楽しいと思えるようになり、態とおちょくるような言い方をして楽しんでいる。


『…待った!!イデス様…神殿壊すと後が大変だから、訓練場行きますよ!あの時みたいに、イレス様に大目玉喰らいますよ!』


『…っ!!それは嫌だっ!よし、訓練場に行こう…』


以前の全力対決で、イデスの神殿周辺は大惨事になり、それを見たイレスが大激怒したのだ。

鍛錬の代わりに、瓦礫を力を使わず自分達の手で片付ける事と、それを力を使って神殿に造り直す事を命じられ、かなりの時間と労力を費やしたのだった。


その時もアデスは腕力をイデスは知力をフル稼働させ、やんややんやと言い合いながら何とか熟した。


二人はそれが相当疲れた作業だったようで、二度としたくないと思っていた為、訓練場へ移動の提案はイデスもすんなり受け入れた。



訓練場に移動して、暫くどんちゃん騒ぎのようにぶつかり合い、少し休憩しようと二人してその場に座り込む。


『なぁアデス…お前最近人型でいる事が多いけど、そんなにその姿気に入ってるのか?』


『……え?あぁ、まぁ、そうですね。けど、気に入ってるからと言うより、この姿での動き?に慣れないと、咄嗟に鳥みたいな動き出ちゃったらマズイでしょ。だから、慣らす為ってのが大きいですかね。』


『…ふ〜ん、そうか。一応考えてるんだな…』


『一応って失礼な!イデス様こそ空飛ぶ事はもう良いんですか?』


『……良くはない…が、方法が…思いつかん…』


イデスはアデスがまだ飛べなかった頃から、空を飛ぶ事に憧れがあった。

アデスが飛べるようになってからは、背に乗せてもらい一応の空を飛ぶという目的は果たしていた。

が、やはりアンゼスのように自分で飛びたいという願望が捨てきれず、いつもどうやれば飛べるのかを考えていた。


『そうっすか…翼があればいいけど、翼を作るのは出来ないんですよね?なら、翼の代わりになるものとかあればいいんじゃないですか?』


『…翼の代わりになるもの?それは何だ?』


『それは……分かんないっす。そんなの自分で考えて下さいよ!飛びたいのはイデス様なんですから。

自分が思う「飛ぶ」ってのがどんなのかなんて、俺に分かる訳ないじゃないですか〜』


『……俺が思う「飛ぶ」か…翼の代わりになるもの…』


そこへ、ふらっとイレスが顔を出した。


『鍛錬は終わりですか?』


『『イレス様!!』』


『二人共、顰めっ面して何を悩んでるんですか?』


『…それが…その…』


『イレス様!イレス様は空を飛びたいって思う事ありますか?イデス様は飛びたいそうなんですが、翼がないから飛べないって悩んでて…イレス様はどうかなって思って…』


『空を飛びたいか…ですか…そうですね…私は…飛べるので何とも…』


『『えっ!飛べるんですか!!』』


『はい…知りませんでしたか?』


『『知りません!!』』


『おや…息ピッタリですね…ホホホ』


『いや、ホホホじゃなくて…』


『イレス様!どうやって飛ぶんですか?アンゼス様みたいに翼出せるんですか!?』


『翼…ですか…それは無理ですね。私は創造神ではないので。』


『じゃあ、どうやって飛ぶんですか?翼の代わりに何か作るんですか?』


『……それは秘密です…ふふ』


『そんな!イレス様、どうか教えて下さい!私も空を飛びたいんです!!』


『……イデス、空を飛ぶのに翼は絶対必要ですか?』


『…え?…それは必要だと思います。翼がなければどうやって…』


『イデス。翼という「形」に拘り過ぎると、いつまで経っても答えは見つかりませんよ。もっと単純に考えてごらん?もっと、周りのものに目を向けてごらん?そうすれば…きっと見つかりますよ。』


『……形に拘り過ぎ…?』


『では、ここは特に問題無さそうなので私は行きますね。アデス…人型に慣れるのも大切な事ですが、鳥の姿での鍛錬もしっかりやりなさいよ。一方からだけの目線では、気付かない事がありますからね…』


『…はい。』


イレスはそう言うと瞬間移動でその場を後にした。


『………一方からだけの目線…?』



イレスが去った後も、イデスとアデスはその場に座り込み考えていた。


『……形に拘り過ぎ…』


『……一方からだけの目線…』


『『……分からん…』』





『……ふふ…あの二人はいつ気付くのやら…』


『……イレスもなかなか意地悪だな』


『おや、アンゼス様。見ていたのですか?』


『うん。何か面白い事あるかなぁと思ったけど、まだ暫く無さそうだね…』


『…その様です。どうもあの子達は、難しく考え過ぎるところがあるので…根は素直なのに…』


『………残念な奴等だな…ハハ…』



アンゼスとイレスは、ハハハ…ふふふ…と、可愛い我が子を見る様な目でイデスとアデスを見つめていた。



『『あ"ーーーっ!!分からんっ!!』』



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