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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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第十一話 覚醒分裂


私達は一つだった


いつからだろう…

私とあの子が別々に分かれたのは…


私達はずっと一緒だった


いつからだろう…

私とあの子が離れ離れになったのは…



一人になると「寂しい」

一人でいると「苦しい」

あの子を想うと「哀しい」



私のあの子は何処へ行ってしまったの?

私のあの子は何故いなくなってしまったの?

私の何処がいけなかったの?



何故…どうして…

私を一人にしたの?


何故…どうして…

私に何も言わないの?



何故…どうして…


私は哀しい…







私達は一つだった


いつからだろう…

あの子と離れたいと思ったのは…


私達はずっと一緒だった


いつからだろう…

一人になりたいと思ったのは…


一人になると「開放的な気分」

一人でいると「自由で楽しい」

あの子を思うと「可哀想」



私はこれから何処へ行こう

私はこれから何をしよう



何故…あの子は…

一人で居られないのだろう?


何故…あの子は…

私に聞くのだろう?


何故…あの子は…


私は自由になりたい…




私は念願叶ってあの子と離れる事が出来た。

どうしてそうなったのかは分からないけど、私とあの子は別々の存在になった。


本当はずっと窮屈だった。あの子の心が重くて苦しかった。


嫌いな訳じゃない。ずっと一緒だったんだから、あの子の気持ちは分かる。


私をとても好いてくれている事も、頼ってくれている事も。

始めはそれが嬉しかったし、一人じゃない安心感みたいなものを感じていた。


でも、あの子の想いが徐々に強くなってきて、それと同時に私に対しての「依存」も強くなった。


二人で話し合っていた事も、私の意見を聞くだけでそれに頷き自分の意見は言わない。

私が逆にあの子に聞くと、私のしたい様にすればいいと言う。


私はそれが嫌だった。

二人でいるのに何故私だけ考えて、私にだけ答えさせるの?何故私の言う通りにするの?


二人でいる意味ある?


一度そう思ったら、もうダメだった。


一人になりたい…離れたい…一人で自由にやりたい


その気持ちが私の心を占めた。

そして気付いたら一人に…いや、あの子と離れていた。私は嬉しかった。やっと一人になれた…私は自由だ…と。


でも暫くは傍にあの子がいた。ただ、離れたせいなのか心は軽くなっていた。


私とあの子が離れた事で、あの子は「寂しい」から一つに戻りたいと言って、以前より私への「依存」が激しくなった。


私の心は段々それに耐えられなくなり、遂に感情が爆発してしまった。


『もうほっといて!私を自由にしてーーーっ!!』


すると突然、私から「白い光」が放たれ真っ暗だったそこが真っ白になった。

びっくりして辺りをキョロキョロ見回しても、何も無いし誰もいない。


『…どうゆう事?…何がどうなったの?…あの子は?』


一瞬パニックになったけど、本当に自分一人だと分かった時は不安ではなく安堵した。


『もしかして…私は一人になれた…?

……ヤッターーーーーーーーーーッ!!』


両手を広げ大声を出して叫んだ。

心も体も気持ちもスッキリしていた。


それからは、ワクワクが止まらない。

周りには何も無いのに、あれこれと想像してしまう。


そして…何も無いのに何故かある一点に惹かれ、誘われる様にその方向へ進むとキラリと光る「何か」を見つけた。


近付いて見ると、それは亀裂の様だった。その亀裂からはキラキラとした金色の光が漏れていた。

なんだろう?と更に近付き覗き込もうとしたら、意識ごと吸い込まれた。




目を開けるとそこは見た事のない場所だった。



『此処は…何処…?』


自分が今までいたところとは違う…それでいて暗闇とまではいかないが暗い…そんな場所だった。


暗く…でも真っ暗ではないそこは、遠くを見ると無数の小さな白い光のようなものが僅かに輝く。


私は此処が何処でどんな場所なのか分からなかったが、とりあえず動いてあちこち見て回った。


一先ず遠くに見えた白い光を目指す。

近付くにつれて小さかった光はどんどん大きくなり、それが光ではなく何かの塊だと分かった。振り返ると、元いたであろう場所の辺りは小さな光が輝いている。前後を何度か見比べ不思議に思い首を傾げる。


『……意外と大きかったのね…それだけ距離があったって事かしら…?』


頭に浮かんだ「大きかった」や「距離」等の言葉の意味が、知らない筈なのに何故かストンと腑に落ちる。

まるで誰かが解説でもするかのように、自分で発した言葉をその目で確認し納得する…そんな感じだった。


目の前の大きな塊に更に近付くと、それは石のような塊ではなく気体の集合体だと分かる。そして、近付く程「冷たい」と感じた。


私はその事実に驚き興奮した。


それからは目に付くものに近付いては確認する…を夢中になって繰り返した。


そして、何やら「熱」を感じそちらに目を向けると、大きな赤い塊があった。

それは見るからに熱そうで、一瞬近付くのを躊躇った。が、好奇心には勝てず近付く。


『……熱っ!!』


これまでにない熱を持ったその塊は、気体ではなく確かに塊ではあったが、表面は赤と言うよりオレンジ色で何かぎ沸騰しているようにも見えた。


『……何これ…凄い熱持ってる…でも…綺麗な色…』


何となく触らない方がいいと思い、これまでのように直接触る事はしなかった。そして、そこから少し距離を取りその塊から発せられる熱と眩しい程の明るさに魅了され、暫し呆然と眺めていた。


『…此処はどんな場所なのかさっぱり分からないけど、見るもの触れるもの、そのどれもが興味深いわね…』


そう言って、他にも面白いものがないか探そうとキョロキョロ辺りを見回す。

すると視界に捉えたのは、青く澄んだ色をしたものだった。


『…何だろう、あれ。前にも似たような色のがあったけど、気体だったり液体だったりしたわよね…あれはどっちかなぁ…よし!見に行こう♪』


ワクワクしながらその青い塊に向かう。



『………………綺麗…』



近付くに来て出た言葉は「綺麗」の一言だった。

それ以外に思い浮かぶ言葉がなかったのだ。


『……よし、もっと近付いてみよう。さっきのとこと違って熱くなさそうだし、液体にも見えるけどそうじゃない部分もあるっぽいし。』


そうして私は、この青く澄んだ塊に更に近付いた。



それからは、全てが驚愕だった。

そして…楽しかった。


見るもの触れるものが、これまでの比ではない程の好奇心で満たされる。

ただ一点残念なのは、自分に「実体」が無いと言う事。


自分はどうやら「五感」というものはあるらしいが、何故か「実体」は無いようだ。

では、何故それに気付いたかと言うと…


私には「影」が無いのだ。

此処に来て知った知識で言うところの、光に照らされると必ず「影」が出来るらしいが私にはそれが無い。


これまで「五感」と言われる「味覚」「聴覚」「視覚」「嗅覚」「触覚」を確かに感じていた。だから、まさか自分に「実体」がない等と思いもしなかった。

いや…そもそもが「実体」なんてものを知らなかったから、気にもならなかったというのが正解だろう。


でも、此処で…どうやら「地球」というらしいが。

地球に来てそれを知ってしまった以上、その「実体」が欲しかった。欲しくなってしまったのだ。


どうしたら「実体」が手に入るんだろうと、ぼんやり目の前を行き来する人間を見ながら考えた。


『………………さっぱり分かんない……はぁ…』




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