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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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第八話 イアレスとブルートの決断④


四人は御神殿に戻って、二の間に入る。


『さてと…疲れただろうから一先ずお茶でも飲もうか。』


『『……お茶?』』


『こちらです。さぁ、どうぞ。本日は日本茶です。』


『『……日本茶?』』


イレスは緑色をした温かいお茶を湯のみに入れて、イアレスとブルートに出す。


二の間はいつの間にか和室仕様になっていた。

椅子やベッド等は、イアレスとブルートは好まないと思ったアンゼスが気を利かせて変更しておいたのだ。


『……何か部屋が変わってるけど…』


『あぁ、この方が其方達は楽かなっと思ってさ、模様替えしといたんだ。』


『…模様替え?』


『……アンゼス。お前の言う事はいちいち意味が分からん!俺達に分かる様に言え!!』


『う〜ん、ごめんね。でも、もうこれが普通になっちゃってて、どう言い換えれば分かんないんだよね。

だからさぁ、知りたいと思ったら、その都度聞いてくれる?別に知りたくなければそのままスルーしてよ。あ、因みにスルーってのは無視するとか、見て見ぬふり…みたいな感じ?』


『……スルー…それは覚え易いな…』


『おっ!ブルート殿は一つ新しい言葉を覚えたね!』


『べ、別に覚えた訳じゃない!!』


『いいの、いいの。覚えたくなければ、忘れればいいから気にしないで。

それより、これからの事なんだけど…』


言葉を一つ一つ説明していては、話が先に進まないと感じたアンゼスは本題に移ることにした。


『二人は此処に暫く残るって事で良いんだよね?』


『『…………あぁ。』』


『オッケー!それじゃ、住む所決めようか。』


『…住む所?』


『そう!住む所。此処は御神殿って呼ばれてて、私とイレスが住んでるんだ。さっき会ったイネスも自分の神殿を持ってて、そこで普段は暮らしてる。まだ会ってない他の子もね。所謂、私達の様な「人型」はこの御神殿みたいな「自分の家」を持ってるんだ。

それで、其方達にも「家」を造ろうと思うんだけど、どんな感じがいいとか何か希望はある?』


『『……自分の家…』』


『そうだよ。「自分の家」だよ。

そこが「自分の居場所」になって「帰る場所」になる。外で疲れたり嫌な事があっても「自分の家」に帰る事で、体も心も休まるんだ。

それが「安心出来る場所」って事!いいでしょ?』


『……安心出来る場所…』


『うん。私とイレスはずっと一緒にいる訳じゃない。各々別行動する時もある。けど、お互い別行動しても、最後は此処に帰ってくる…此処が私とイレスの「帰る場所」だから。

帰って来たらイレスが「お帰り」って言って迎えてくれる。私がイレスに「お帰り」って迎える時もある。それで「あぁ、家に帰ってきたな…」って安心するんだ。其方達にもそんな「安心する場所」を造ってあげたいんだ。どうかな?』


『……よくは分からんが…試してみたい。』


『……そうだな。俺も「安心する場所」とやらがどんなものか分からんけど…興味はある…』


『よし!それじゃ決まり!!どんな造りがいいか選んでよ。イレス、カタログ持ってきて〜♪』


『はい、ただ今。』


アンゼスは二人にカタログを見せて、好みや希望を聞いた。



因みにこのカタログは、地球の建物でアンゼスが気に入ったものをリストアップして纏めたもので、本ではなく立体映像だ。そしてそれを映し出す装置は、なんちゃってパソコン。タブレットに似た形で、絶対鉱石を板状に創り、そこに直接アンゼスの知識が込められている。

簡単に言うと「神界版タブレット」だ。



四人は暫くカタログを見ながら話し込んだ。


そして決まったのは…日本のお城だった。

イアレスとブルートは床に直接座るのが好きで、畳の柔らかい感じも気に入ったらしい。

また、城の外観も渋くて良い…と、案外ノリノリで決めたのだ。

アンゼスは自分達と同じ神殿タイプを選ぶと思っていたので、ちょっとガッカリしたのは内緒だ。


次は場所を何処にするかだが、これは神界の都合上、アンゼスの指定した場所にしてもらった。


そして早速移動する。


神界の北東に位置するそこは、岩山に囲まれた場所で草木も殆ど生えていない殺風景な場所。


『オイッ!何だ此処は!何も無いじゃないか!!』


『そうだね、何も無い。だから此処を選んだんだ。

だって…これから此処を、其方達が居心地の良いと思える場所に創り替えるんだから。』


『『……は?…創り替える?』』


『そうだよ!イアレスとブルート、其方達二人で!

二人には二人の落ち着ける環境があるでしょ?

先ずは二人でどんな風にしたいか話し合って、決まったらその為に何が必要か、何を創ればいいかを考える。そうして一つずつ創る事で、愛着も湧くし想像が広がる。分からない事があれば聞いてくれればいいし…先ずはやってみない?…自分達の居場所創りを。』


『『……自分達の居場所創り…』』


『この神界だって、私とイレスの二人で相談しながら創ったんだよ。其方達だって出来るさ!』


『『…………』』


イアレスとブルートは、出来る気がしなかった。

でも、やってみたいとは思った。


『あ!でも…イアレス其方、結構短気だろ?怒って神界壊されたら困るから、バリケードは張らせてもらうよ。それと定期的に様子は見に来るから、気になる事とかあったらその時に言って。

じゃ、二人のお城は私からのプレゼントって事で…』


そう言ってアンゼスは、あっという間にお城を創ってみせた。


『それと…これも!』


布団、枕、座布団、金屏風、肘置き…と、殿様セットも用意した。お城を創った時より、殿様セットの方が反応が良かったのは気のせいだろうか…と、若干不服ではあるが、二人が喜んでくれたので良しとしようと思った。


『じゃあ、私達はそろそろ行くね。二人でよく話し合って、頑張ってね。そのうちまた遊びに来るね〜♪』


アンゼスとイレスはその場を後にした。


残ったイアレスとブルートは、一先ずお城の中に入り中を見回った。三階建てのお城は最上階に寝所、二階に三部屋、一階は大広間と小部屋が二部屋、それと玄関があった。

二人には広過ぎるが、いつか人が増えるかも知れないので、それ迄使わなければいいかと思う事にした。


城の中を回りながら、二人はああでもないこうでもないとお互いの考えを語り合い、初めてに近い程の充実感を覚えた。


二人は暫く楽しかった。イアレスも思いつくままあれこれ創り…そして壊した。

ブルートは、直ぐに壊してしまうイアレスに段々腹が立ってきた。ブルートはアンゼスの言葉を覚えていたのだ。


『壊す為ではなく、創る為の想像』


ブルートなりにその言葉は理解出来るもので、なるほど…とも思っていたので、いつまでも「壊す」をやめないイアレスに徐々に不満が溜まっていった。


そして遂にその不満が爆発してしまった…


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