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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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第一話 二人目の創造神①

お読み頂きありがとうございます。


もう一人の創造神の出現です。






◆◇◆創造神は一人だけ……


……そんな事誰が言ったのか◆◇◆







俺は創造神 イアレス。


気が付いたら真っ暗な中にいた。自分が何者で、此処は何処で、何をしているのか、何故此処に居るのか、何も分からなかった。


ただ此処に存在するだけ。


俺は早々に思考放棄した…考えるだけ無駄だからだ。



何も無い此処でただ存在するだけの時間が永遠と続くのかと思ったら、うんざりして消えたくなった。


『消える…どうしたら俺は消えるのだろう……』


それからは「自分の消し方」だけを考え続けた。


そして思い至ったのが、形の無いものをどうやって消すんだ?という事だった。


『……そうか。俺は存在していても形は無い……。

……なら、消すのも無理な話だな……ははは…

……やはり考えるだけ無駄だったか……はは…』


そうして全てを諦めようとした時、目の前に何か光るものが現れた。


『……っく!!』


眩しさに目を閉じ腕で顔を隠した。そして、ゆっくり目を開けるとそこは真っ白な世界だった。


『……っく!!』


真っ暗な世界から真っ白な世界に変わった事で、また眩しくて目を閉じた。


『あぁ、暗い方が落ち着くな…』


その時ふと思った。俺はさっきから何を言ってるんだ?そもそも「目を閉じる」とは?「目を開ける」とは?……腕?顔?何だそれは?

「暗い方が落ち着く」……どうゆう意味だ?


そう疑問に思ったら、頭の中に一気に色んな言葉が押し寄せる。頭の中がグチャグチャに掻き回された様な感覚と同時に、そうゆう事か…と何故か無数の言葉がストンと体に馴染む感じがした。


そして再び「目を開ける」。



真っ白な世界に俺は立っていた。

目の前に最初に見た光がいる。そして俺を照らし、俺の後ろに影を創った。


その影の存在に気付き、何故だかその黒い色に安堵する。影がある事で「自分はここにいる」と思えた…からだろうか。


視線を目の前の光に戻すと、その光はゆっくり俺に向かって動き出し俺の体…胸の中に吸い込まれた。


ドクンッと鼓動するのを感じ、胸に手を当てる。


よく分からない高揚感に満たされた俺は、思わず目を閉じる。そして、答えのない事をあれこれ考えてフッと笑い目を開ける。


すると目の前には、さっきまで頭の中で考えていた事が形を成して溢れていた。


何が起きたのか訳が分からなかった。が、どこかでそうゆうものだとも思った。

そして頭に浮かんだ言葉は……



『創造神 イアレス』



そうか、俺は創造神イアレスというのか…なるほど?



またしても高揚感に満たされ、訳もなく納得する。


そうゆうものだ…と。




それからは楽しかった。創っては消し創っては消しを繰り返し、何でも出来た。思うがままだ。


しかし、ぽっかり胸の中に穴の様な隙間を感じる。


『これは何だ……』


暫くその原因を探し考え、答えが見つからないまま辺りを見回す。


『……あぁ、そうゆう事か。

どんなに物が溢れても…俺は一人…誰もいないのは変わらないのか……はは…』


自分の出した答えがしっくりくる。

心が…さも正解だとでも言うように…。



そして俺は「創ればいい」と結論付けた。


自分と同じような「存在」を創ると決めてからは楽しかった。

何度も何度も何度も何度も試行錯誤して、とうとう自分に似た「存在」を創る事に成功した。


歓喜に震えた。姿形は自分と瓜二つだが、自分以外の「存在」の誕生だ。それがこんなに嬉しいものなのかと、自分でも初めての感情に驚く。


改めて対面すると、どこからどう見ても俺そっくり。


漆黒の腰迄伸びた艶髪に、太くはないが少し上がり気味の髪と同じ色の凛々しい眉。その眉と平行に位置するくっきり二重で金色の瞳を持つ目。鼻筋は綺麗に整っていて、薄い唇。背は高く足も長い。胸板も厚く、体躯全体は筋肉質で引き締まっている。


うん…我ながらいい男だ。



鏡を利用して創ったのだからそれもそうか、とニヤけて納得する。が、弊害が一つだけある。



俺が右手を上げると、対面するそいつは左手を上げる。俺が左手を上げるとそいつは右手を上げる。


『……ッチ!!厄介だな、これは。』


どうやってこれを直すか暫し考える。そして閃いた。



等身大の鏡を一枚創り、奴の目の前に置き奴の視界から俺を隠す。そして、その隙に奴の後ろに回り込む。


後ろから奴の両肩を掴み鏡と距離を取らせ、俺も鏡に映る様に立つ。


鏡越しに動いてみる。

右手を上げると奴も右手を上げた。左手を上げると奴も左手を上げた。成功だ。


それからは鏡越しに色々試し、一通りの動きを教えた後、鏡を消し対面する。


右手を上げる。奴は右手を上げた。左手を上げると奴は左手を上げた。よし!これで動きは完璧だ!!


次に話し掛けてみる。


『オイ!』


『……オイ!』


『お前!』


『…お前!』


『……ッチ!!』


『ッチ!!』


最後の舌打ちだけ反応が早い気がしたが、そこは今問題じゃない。言葉も鏡同様?オウム返しとは…。


『……はぁぁぁぁ』


『……はぁぁぁぁ』


『真似すんなっ!!』


『真似すんなっ!!』


クソッ!!と言いそうになりグッと堪える。


言葉を一から教える事になるとは計算外だった。

しかし、これを何とかしない限り本当の「成功」ではないのだ。仕方なく、最短で言葉を覚えさせる方法を考える。


その場に胡座をかいて座り込み、右手を膝に置き頭を乗せて考える……二人並んで仲良く同じ体勢になる。

内心、真似すんなっ!!と罵りながら思案する。



『………………………………』


『………………………………』




『………………っ!!』


『………………っ!!』


同じ反応にイラつきつつ、閃いた方法を試してみる。


奴の能に記憶領域を構築する。そこへ自分の知識を植え付け定着させる。


これでイケるだろうと思い、奴の頭に手を置く。

奴も俺の頭に手を置くからその手を叩くと、俺の手も叩かれた。


『オイッ!!』


『オイッ!!』


イライラする!!が、これをやらなければ先に進まないから、我慢して再度奴の頭に手を置く。当然、奴も俺の頭に手を置いた。

向かい合って互いの頭に手を置く。

何だこの光景は…と、誰もいないのに何故か恥ずかしいと感じてしまう。


『後で覚えてろよっ!!』


『後で覚えてろよっ!!』


クソクソクソーーーッ!!

心の中で発狂するも、自分以外に誰もいない事にホッとする。





羞恥に耐えながら漸く知識定着が完了した。



『……オイ。』


『……何だ。』


『っ!!……ッチ!』


『何だと言ってる。』


『はぁ?お前、誰に向かって口きいてやがる!!』


『……お前しかいないだろ。』


『偉そうな口叩くなよ!!』


『……お前もな。』


『何だとーーーーーーーーーっ!!』



元知識がイアレスなだけに、この結果は当然の事だった。



残念っ!!



それから暫くは「喧嘩」という名の「会話」をして、互いの仲を深めるのであった。



『オイ。』


『あ?!』


『名前付けろ。』


『……そうだな…考えとく。』


『分かった。早めにな。』


『お前、いちいち偉そうだな!』


『お前のせいだから仕方ない。』


『クソッ!!』


『……フッ…』


『あ!お前、今笑ったな?バカにしてんのかっ!!』


『いや?別に……フッ…』


『オイッ!!』


『無駄口叩いてないで早く考えろ。』


『ムカツクーーーーーーーーーっ!!』


『……フッ…』


何だかんだで仲のいい二人であった。



アンゼスとイレスとはまた違った二人ですが、好きになってもらえると嬉しいです。

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