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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第二章 神界と箱庭の世界
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第十四話 イデスの悩み③

お読み頂きありがとうございます。


アンゼスの突然の呼び出しに驚いたアデス。


『何なんだよアンゼス様は。念話送るのに怒鳴るって酷くないか?あ、でもビックリしたお陰でちょっとだけ飛べたな…フフン♪』


飛んだのではなくて跳躍だが……

そしてスキップしながら、イデスの元に向かう。

そのスキップも跳躍だが、それは飛んだと勘違いしないのは何故だろう…。



『……遅いっ!!アデスはまだなのか?』


『アンゼス様。アデスは何処に居たのですか?』


『知らんっ!!』


『えぇ〜、それじゃ何時戻るか分かんないですよね?瞬間移動で連れてきたら良いのに…』


『………………ふむ。』


即座にアンゼスが消える。


そして即座に戻ってきた。アデスを連れて…。


『ちょっと!アンゼス様っ!!何すんですかっ!!いきなり目の前に現れたと思ったら、首根っこ掴んで瞬間移動なんて!!』


『はぁ?其方の帰りがあまりにも遅いから迎えに行ってやったのに、何だ、その言い方は!!少しは感謝しろ!!』


『んなっ!何たる理不尽!!そもそも、私はアンゼス様みたいに瞬間移動も飛ぶ事も出来ないんですよ。時間かかるに決まってるじゃないですかっ!!』


『フンッ!!何だその言い訳は。

そもそも其方、まだ飛べないのか?今まで何をしてたんだ?』


『〜〜〜っ!!仕方ないじゃないですかっ!!

レオン様と別れてから、私も色々思う事があったので、勉強がてらあちこち回りながらこちらに向かっていたんですよ!!

それにさっき、少しだけですが飛べました〜♪』


べ〜っと舌を出し得意気な顔をするアデス。


『…………其方…あれは飛んだのではなく「跳躍」だぞ?あの程度、イデスでも出来るわ。』


『……え?……跳躍?……飛んだんじゃ……』


『ないな。』


『えぇーーーーーーーーーっ!!』


やれやれ…とアンゼスは首を横に振る。


『……そんな……飛んだと思ったのに……うぅぅぅ…』


ちょっとだけ可哀想に思えたアンゼスは、一つ助言をしてやる事にした。


『アデス。其方、何故飛べないか理由は分かるか?』


『…分かりません。分かってたら飛んでますよぉ…』


『……其方、見たところ脚は大分鍛えられてる様だが、肩は鍛えたのか?』


『……肩?』


『ふむ。肩だ。腕を上げるにも肩の力が必要だろ?

当然、翼を広げたり動かすにも肩の筋肉が無ければ動かせないだろ。』


『……肩の力…』


『その軟弱な肩の筋肉で、其方のデカいからだを持ち上げれる筈なかろう?』


『……っ!!何と!そうゆう事かっ!!』


『やはり……気付いていなかったのか…』


バッサバッサと翼を動かし「なるほど…ここの筋肉か」とブツブツ独り言を言い始めた。


『アデス。其方の脚はアホみたいに鍛えられてるから、踏ん張る力は充分ある。後は肩の筋肉強化だけで飛べる様になるだろう。だから今はイデスの……

ってオイッ!聞いてるのか!アデス!!』


『え?イデス様の何ですか?私直ぐに肩の鍛錬したいんですけど。』


『……その羽根全部毟り取ってやろうか?』


『……あ…いえ…はい。イデス様のお手伝い?ですよね?やります、やります!

えっと…私は何をすれば宜しいですか?』


『フンッ。分かればよい。

今からイデスの水に対する鍛錬…耐性を付ける訓練をする。其方もついでに加われ。』


『あ!はい……ついでかよ…』


『何か言ったか?』


『いえ!有難く参加させて頂きます!!』


『うむ。』


『……何で俺にだけ偉そうな態度なんだ、この人…』


『何だっ!』


『何でもありませ〜ん』


この感じ久しぶりだな…と微笑ましく感じるイデス。

顔は全く笑ってないので、傍から見ると呆れている様に見えるが…彼なりにホッコリしているのであった。




それからイデスとアデスは鍛錬についてのレクチャーを受け、それに殆ど全ての時間を費やした。

イデスの休憩時間中にアデスの肩の鍛錬もあり、念願の「飛ぶ」が出来る様になったアデスは、体が一回り大きくなっていた。


『アデスは最近、大きくなったな。

……俺より背が高くなってる。』


ボソ…っとイデスが呟いた。


『そうですかね?そんなに変わらないと思いますが、体は確かに前より大きくなったかも…。』


『私のお陰だな!』


『アーソウデゴザイマスネ。』


『オイッ!!何だその、言わされましたみたいな言い方はっ!!』


『ソンナコトアリマセンヨ〜』


『ホント、其方は可愛げがない!!』


『……俺も大きくなりたい…』


『『……え?』』


『アンゼス様、私も肩の筋肉鍛えたら大きくなれますか?』


『あ〜、まぁ〜、ならなくはないが…大きくなってどうするんだ?』


『……どうする……ただ…大きい方がカッコイイ…かなと思って…』


『『……カッコイイ?』』


『…アデスが私を見下ろすのも何か気に入らないし…』


『『本音はそっちだな…』』


『頑張れば私も飛べますか?』


『いや、それは…どうだろう。断言は出来ないが、翼が無ければ難しいな。』


『イデス様!イデス様が飛ばなくても、私がもっと鍛錬してイデス様を乗せて飛べる様になればいいですよね?私の背中にイデス様が乗って空を飛ぶ姿を想像してみて下さい。カッコ良くないですか?』


苦し紛れに出した言葉が、イデスの心に響いた。


『…………っ!!いいな!確かにカッコイイ!!

イネス、驚くだろうな…フッ』


『あ〜、想像しちゃいました?』


『バカだな、アデス……プププ…』


ジロリとアンゼスを睨むが、その横でイデスの目がキラキラして見える。気のせいだと思いたいアデスだった。



こうして、ある程度の鍛錬を終え水への耐性もそれなりに付いてきたので、後は自分達でやれとアンゼスは去っていった。


アンゼスは、イレスにこれまでの事を話そうと御神殿に一度戻る事にした。





『アデス。まだ俺を乗せられないのか?』


『はい。まだ無理です…』


『アデス。そろそろ俺を乗せられるだろ?』


『無理です…』


『アデス。俺を…『まだ無理だって言ってるでしょうが!!』……そ、そうか。』



アデスに乗った自分の姿が頭から離れず、顔を見る度にまだかと詰め寄るイデスに、アデスはうんざりしていた。

良かれと思って言った事がまさか自分を苦しめるとは…と、自分の軽はずみな言動を悔やむアデスであった。


……残念っ!!



イデス…カッコイイに憧れるなんて可愛いですよね。

因みにイデスの悩みは水への耐性を付ける事で、カッコイイ云々は後から湧いてきたものなんです。

アデスの背中に乗ってイネスに逢いに行く事を想像しちゃったなんて…(*´艸`)ふふふ

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