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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第二章 神界と箱庭の世界
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第十一話 亀レオン始動

お読み頂きありがとうございます。


とうとう亀レオンが動き出します。


『レオン…様?』


『………………』


『あ、その感じ…レオン様で間違いないですね。

何が…いや、大丈夫ですか?何か体がキラキラしてます…あっ!背中も何かツルツルしてません?でも何か黒光り…プッ…』


『………………しい。』


『ん?』


『喧しいわっ!!この馬鹿もんがっ!!』


『……え…喋った…』


『バカだバカだと思っておったが、ホントにバカだとは。お前の無駄口のせいで目覚めるのが遅くなったのだ!どうしてくれるっ!!』


『え〜、折角喋ったと思ったら第一声がバカって…酷くないですかぁ?』


気にするとこがそこなのか!と言いたくなる、アデスの反応に亀レオンはガックリする。


『……はぁ……バカは疲れる…。』


『あっ!またバカって言った!!バカって言う奴がバカなんですよ!!』


『はぁ……』


溜息しか出ないとはこの事か…と、亀レオンは項垂れる。するとそこへ見計らったかのようにアンゼスとイレスが現れる。


『やあ、何か楽しそうだね!私も混ぜて〜』


『ふふ…。レオン殿、漸くのお目覚めおめでとうございます。』


『これはこれはイレス様、アンゼス様。

遅くなりましたが、漸く目覚める事が出来ました。』


『うん。予想よりちょっと長かったけど、無事目覚められて良かったよ。』


『はい。私もこのまま目覚められないかと心配しておりましたが、何とか無事に…。

それもこれも、このバカが…』


『あっ!また言った!!』


『喧しいわっ!お前は黙っておれ!!』


『何だよ、誰が世話してやったと思ってるんだよ…』


ブツブツ文句を言いながらも、会話の邪魔にならない様声を落とすアデス。

……意外と空気は読めるのであった。



『で、調子はどう?不具合とかはない?』


『はい。今のところは特に問題ありません。』


『そっか、なら良かった。

じゃあ、お願いした様に頼むね。』


『畏まりまし『ちょっと待った!!』…た…ってお前!!話してる最中でしょうがっ!!』


ルールル…と何処からか聞こえる…気がする。


『レオン様、話しの途中割って入ったのはすいませんが、私にも聞く権利はあると思うんですけどっ!!』


『まぁまぁ、レオン殿。アデスの言い分も一理あります。説明してあげては如何ですか?

ね?アンゼス様?』


『まぁ、それもそうか。レオン殿の世話をしてくれたのはアデスだしな。いいだろう。』


『……はぁ…分かりました。アンゼス様がそう仰るなら私に異論はありません。』


『じゃあ、説明するね。


レオン殿は…亀です!』


『『『知ってます!!』』』


『あ、そうだね…ハハ……

ゴホン……それでだね……レオン殿には神界のご意見番…つまり先生になってもらおうと思って、元々私の中で構想を練っていたんだよ。


鶴は千年亀は万年…って言うだろ?』


『は?何ですか、それ?』


『やっぱバカだったか、アデス。』


『何でっ!!』


『まぁいいや。

で、姿形は亀と決めてたから良かったんだけど、どこまでの知識を入れるかは悩んでいてね。

イレスですら私の半分位しか入らないのに、それ以上は無理だし、かと言って少な過ぎても意味がないからどうしようかな…って思ってて。


それで思いついたのが、先ずは余分な機能を外して記憶に特化した脳を創る事。本と同じで、必要な情報のみを記して後は読み手の想像に任せる…みたいな感じ?』


『いや、本って何ですか?』


『あ〜もう!其方の脳には無い知識だから、いちいち気にするな!』


『え〜、それじゃ分かんないじゃないですかぁ〜』


『うるさいっ!黙って聞け!!


コホン……続けるぞ!


で…簡単に言うと、イレスの脳と同じ位の領域に知識のみを目一杯入れて、一割程度の余白に私やイレス、イネスにイデス、クジラ達と其方の情報を入れた。

それでいざ創造…と思った時に、偶然イネスとイデスが半覚醒したから丁度いいと思って、そのタイミングで創造したのだ。

だから、亀の形は私の予定通りだが、色はイネスとイデスに影響されたって訳。アデス、分かった?』


『ん〜、何となく?で、先生ってどんな事するんですか?』


『おっ!アデスにしては良い質問!!』


『いちいちバカにするのやめてもらえます?』


『ハハ、それは無理だ!私なりの親愛の印だ、ありがたく受け取れ!!』


『嫌ですよ!もっと優しい親愛希望します!!』


『却下!!

あ〜もう!其方のせいで、話しが逸れるではないか!!


で!先生とは…だったな。

レオン殿には、神界のあちこちに出向いてもらい、知識を切に欲する者に授けてもらうというのが役割だ。しかし、レオン殿は一人しかいないから、広い神界を回るのは大変だろ?そこで、助手としてこの者達を創った。子機ならぬ「子亀(こき)」だ!!』


『『『え…そこは子亀(こがめ)じゃないの?』』』


アンゼスが指差す方を見ると、小さな亀…ミニ亀レオンが沢山いた。ビシッと並び前鰭を頭に添えて敬礼している。


『この者達はレオン殿と念話が出来る。勿論私とも。

それで、レオン殿の代わりにあちこちに配置して、基本情報を常に掲示する。映像と音声で知る事が出来て、より深く知りたい者はその旨を子亀に伝えれば、レオン殿に繋がり教えてもらえる…という仕組みだ。


これなら、広く早く神界の皆に知識を与えられるだろ?こんな事を考えちゃう私って、凄くない?』


イレスとレオンは「それ地球案でしょ」と思っているが、アデスは分からないので黙っておく事にした。


『……何か途中からよく分からなかったけど、凄いって事は分かりました。』


『其方はそれでいい!』


『……何かバカにされた気がする……』


『大丈夫だ。褒めてる!!』


『あーそうですか……』


『あと、レオン殿は基本的に自由に動き回るから、決まった場所には居ない。それと、騒がしいのが嫌いだから姿を隠す技を持っていて、私とイレス以外には簡単に見つからないと思う。』


『何ですか、その便利な機能!!』


『騒がしいお前には必要なかろう。』


『え〜、良いなぁ〜』


『アデス、其方には必要無い。』


『無いですね…』


『何でっ!!』


『姿が消えてもそのお喋りで居場所がバレるだろ。』


『あ…なるほど。』


『分かったか、アデス?』


『はい。悔しいけど納得です。』


『うん。素直でよろしい。』


『では…子亀達!!』


ビシッと居住まいを正す子亀達。


『其方達にはこれから各地に向かってもらう。

場所は既に頭に入ってるはずだから、そこに各自向かっておくれ。

それでは出発!!』


『はいっ!!』


『えっ!子亀も喋るんだ!!』


『当たり前だろ。お前の様に無駄口を叩かないだけじゃ。少しは見習え!!』


そうして、子亀達は各地に向かって歩き始めた。


『遅っ!!』


子亀の歩みは小さかった……。





子亀達がゆっくり歩みを進める傍ら、アデスとレオンは暫しの別れの挨拶をしていた。


『儂はそろそろ行く。まぁ、何だ、その…

世話になったな。お前の話は殆ど愚痴か愚痴だったが…『愚痴か愚痴って、結局愚痴じゃん!!』……儂にはそう聞こえたが?』


『まぁ、否定は出来ないけど…』


『……お前はバカだが、それがお前の良さであり強みでもある。』


『何だよ、それ……』


『バカは裏を返せば素直だ。物事を素直に捉える事が出来るのは悪い事では無い。捻くれた考えをすると、簡単な事が分からなくなる時があるからな。お前の大好きなイデスの様に。』


『え…イデス様?』


『彼奴は少々捻くれ者と言うか、大事なとこで難しく考えて迷子になる傾向がある。

アンゼス様を見てみろ。あの方の考え方は、良くも悪くも単純で簡潔。

そうゆうのを「シンプル」…と言ったかな。


それが、悪い方に転ぶ事も勿論あるが、その時はそれを補う者が傍にいればそこまで酷くはならない…アンゼス様にとってイレス様はそうゆう存在だと儂は思っておる。


お前もイデスにとってそうゆう存在になれる…と儂は思うぞ。

まぁ、精々頑張れ。』


『……俺がイレス様みたいになれるのか…?』


『そうそう、それから……

お前はバカだが、勘はいい。その勘の良さを上手く使えば、お前の悩みもある程度解消出来るだろう。

……自分をあまり卑下するな。直感を信じてやりたい様にやってみろ。

じゃあな。これで世話になった借りは返したぞ〜』


そう言って去っていくレオンを見ながらアデスは…


『えっ!早くない!?!?!?』


サササササーーッと、物凄い早さで去って行くレオンに驚愕する。


『見た目と違い過ぎるだろ……ふっ…』


見た目とのギャップに驚きながらも、レオンのアドバイスに感謝しアデスはこれからの事を思い、空を仰ぐ。そして、力強く一歩を踏み歩き始めた。



亀レオンはイレスと同じ位の膨大な知識を持っています。代わりに、感情面の情報はあまり無いので、必要な情報を淡々と語る……が基本です。アデスに対しては長く一緒にいた為、ある程度の感情が芽生えています。

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