第四話 イネスの悩み④
お読み頂きありがとうございます。
ちょっと長めです。
『え〜、では先ず彼を紹介しよう!
彼は神界のご意見番である「神様ならぬ亀様 レオン」です!!皆ヨロシクね〜!!パチパチパチ〜』
全員がポカン…とした。
『…えっ、何?皆ポカンとしてどうしたの?
ビックリしちゃった?そうだよね、そうだよね、うんうん、分かるよ〜。ビックリしちゃったんだよね♪』
いち早く正気に戻ったのはアデスだった。
『カメ様…レオン…まさか…いや、やっぱり…ダジャレなのか…?「御」が付かないだけマシ…なのか?』
『オイッ!アデス!!何か文句あるか!!』
『別にありませ〜ん…ふっ…やっぱ、そうなんだ…』
『オイッ!やっぱ何か言った!!』
『アンゼス様。』
『あ、はい。ごめんなさい…
チッ!…アデスめ、覚えてろよ!』
しれっとイデスの後ろに隠れてほくそ笑むアデス。
どこかから音がする……ブブーッ!!
『アンゼス様、その「ご意見番」とは何ですか?
そもそも、亀様?レオン…様?は……』
『もう〜、イネスはせっかちだなぁ。でもまあ、気になるよね。ごめん、ごめん。
ではでは……
このレオンは、イネスとイデスが覚醒した事で偶然出来たもので『『っ!!ちょっと待った!!』』……ん?どした?』
『アンゼス様、今、私とイデスが覚醒したと仰いましたか?』
『うん、言った。』
『え?覚醒…したんですか?…私達……』
イネスとイデスはお互いを見て、どこにも変化が無い事を確かめ再度アンゼスに問うた。
『見た目に変化は感じられないのですが、本当に私達覚醒したんですか?』
イデスもアンゼスを見る。
『あ〜、見た目は変わってないよ。だって条件付き覚醒だから。』
『『条件付き覚醒?』』
『そ。条件付き覚醒。』
『それはどんな条件なのでしょうか…』
『イネスは水の中でだけ力が使えて、イデスは…とりあえず体が丈夫になった…みたいな?』
『水の中でだけ…』
『体が丈夫になった?…え、何か俺ショボくない?』
『アハハ…イデス、安心して。其方は凄く丈夫になったんだ。これって凄いんだよ!!
それに、レオン殿の背に乗ればイデスも水の中に入れるからね♪』
『『えっ!!ホントですかっ!!』』
『うん!ホントだよ♪』
『イデス…』
『イネス…』
『『良かった…』』
二人は見つめ合い互いの手をギュッと握る。
『ねぇねぇ…お二人さん、イチャイチャするのは後にしてくれない?私だってイレスとイチャイチャしたいのに……イレスぅ〜』
『っ!……アンゼス様、続きをどうぞ。』
内心嬉しいイレスだが、恥じらいが勝る。
『俺だけ一人ぼっちかよっ!!』
……アデス、残念っ!!
『……さっさと説明終わらせて、イレスとイチャイチャしよ!
じゃあ、サクサク説明するよ!!』
『『はい!』』
『イデスの能力については、今のところ体が丈夫になった事とレオン殿の助けがあれば水の中も問題ないって事は分かった?』
『『はい。』』
『それから、イデスは体が丈夫になる事で出来る事が増えたと思うけど、それは何かは分からない。イデスが自分で見つける事だね。』
『丈夫になったから出来る事…分かりました。自分で探してみます。』
『うん、頑張って。
次にイネス。其方は海の中で体の一部が変化してた事には気付いてた?』
『えーーーっ!!私、変化してたんですか?』
『あぁ、やっぱり気付いてなかったか。
そうだよ、下半身が魚になってた。』
『えーーーっ!!下半身が魚っ!!』
『そ、魚♪なかなか似合ってたよ〜。』
自分の足を見るがイマイチ想像がつかないイネス。
『…アンゼス様、その変化してた時の映像って観れないですかね?』
『観たいの?』
『『『観たいですっ!!』』』
『え〜、アデスも〜』
『何で私は駄目なんですかっ!!』
『アンゼス様。』
『あ、はい!ごめんなさい!冗談です!!
いいよ、じゃあ皆で観よう!』
イネスの体が人魚に変わった時の映像を全員で観る。
イネスは自分の体が変化する様に驚愕し、イデスは時折眉を上げるもののほぼ無表情、アデスはずっと口が半開きで固まっていた。
イレスはアンゼスの【遠隔透視】により、その時の状況を見ていたので驚く事はなかったが、再確認する様にじっと観ていた。
『……えっと…なんて言ったらいいのか…ホントにこんな事があったなんて……』
『驚くのも無理ないと思うけど、これがイネスの覚醒した姿だよ。条件付きではあるけどね。』
イネスは信じられないと困惑の表情を見せるが、イデスは違った。
『……綺麗だな。』
『……え?綺麗?』
『あぁ。綺麗だ。』
『……っ!!あ、ありが…とう…』
真顔でイデスに綺麗だと言われ、恥ずかしいやら嬉しいやらでイネスは顔を真っ赤にして俯く。
イチャイチャモードになりそうな予感がして、アンゼスは慌てて話しを続ける。
『イ、イネス!まだ説明の途中だぞ!』
『あ!はい、すみません!!』
『うむ…あぶない、あぶない…これ以上イチャつかれたら堪らん。
映像観て分かる様に、現時点では変化すると泳ぐ速度が驚異的に上がる位の能力しかない。
それと、其方が叫んだ時に発した白い光は、覚醒した時に起きる現象でそれ自体に特別な力はない。
海全体が一時停止したのは、生まれたばかりの海産物では波動…つまり覚醒波動に耐えられなかったからだろうな。
イデスが止まったのは、体の半分が水に浸かり固まっていたせいで、本来の状態より弱っていたからかな……多分だけど。
まあ、今回イネスもイデスも半覚醒したって事。
二人共、以前より能力は底上げされてるから、出来る事は増えてる筈だけど、それが何かは分からないし何処まで出来るかも分からない。さっきイデスに言ったけど、自分達で探して見つけるしかない。
……そうゆう事で、説明は終わり。』
これでイレスとイチャイチャ出来ると思い帰ろうとしたアンゼスだったが、それを引き留める者がいた。
『ア、アンゼス様!!』
『……何だ、アデス。』
ジロリとアデスを見て溜息を吐くアンゼス。
『えっと…亀様?レオン様?は……』
全員がその場で動かない亀レオンを見る。
『あ……』
アンゼスは完全に忘れていた。
『先程、レオン様はご意見番だと仰ってましたが、見たところ動いてない様ですが、お話しは出来るのですか?』
『ア、アデスにしてはよく気が付いたな!』
忘れていた事を誤魔化そうとしたアンゼス。
『『『『絶対忘れてたな……』』』』
『そ、そうだ。レオンはご意見番だから当然喋るぞ。今は、なんだ、その…準備中?というやつだ!
だから直ぐには動かん!そのうち動く。』
『何ですか、それ……』
アデスのジト目に、ちょっとだけ怯むアンゼス。
『レオンには私の知識を相当量詰め込んだから、まだ定着が終わってないのだ!知識定着が終われば動く!それまで待て!!』
『レオン様は、このままここに置いておくという事ですか?』
アデスの言葉にグッと詰まるアンゼス。
『な、ならばアデス。其方がここに残りレオン殿を見ていろ。動き出したら私に知らせろ。』
『えーーーっ!
私はイデス様と『うるさい!!』…一緒に…は行けないのです…ね。』
しょんぼりするアデスに、イデスがそっと近寄り囁く。
『アデス。私は今回の半覚醒を色々考えたいから、直ぐに何かをするつもりはない。だから、それまではお前も暇になるだろうから、レオン様の傍にいる事は丁度いいと思う。
レオン様を頼めるか?』
『……分かりました。残ります。』
イデスに諭され渋々了承したアデス。
『オイッ!イデスの言う事はすんなり受けて、何故私の言う事には文句を言うんだ!!』
『……それ聞きます?』
『…むっ!……フンッ!別に聞きたくない!!
とにかく!レオンが動いたら知らせろ!!』
『はいはい、分かりました〜。』
『何だその生意気な態度はっ!!』
ムキ〜ッ!!と目を吊り上げプンプン怒るアンゼスを、イレスがまぁまぁと宥め背中を押し、後は宜しくと連れて行く。
アンゼスとイレスを見送り、残った者は動かないレオンを囲む。
『まったくあの神様は…凄いんだかポンコツなんだか…』
『アデス、それは言っちゃダメよ。あのちょっと抜けてるとこがアンゼス様のカワイイとこじゃない。』
『カワイイかはよく分からんが、あの方が凄い事は間違いない。俺は尊敬してる。だからアデス。アンゼス様をバカにする様な事は言うな。』
『……分かりました。すいません…。』
何故皆がアンゼスを特別視するのか、納得出来ないアデスは口を尖らせ不貞腐れる。
鳥だけに口は元々尖っているが…。
『さて、レオン様はいつ頃動き出すんだろうか…。』
亀レオンをじっと眺め、暫く無言になる二人と一羽。
神殿に戻る二人は…
『アンゼス様、あんな説明で宜しいのですか?
もう少し細かく説明してあげた方が良かったのでは?』
『それではあの子達の為にならない。
…どうしたいか、どうなりたいか、その為に何が必要か…それ等を自分で考えて初めて「個性」が出るんだ。何でもかんでも教えて手伝っては、唯の言いなりと同じだろ?』
『……そうですね。私は少し…過保護でしたね。』
『ふ…過保護。そうだな。でも、そのイレスの過保護なとこも、イレスの「個性」の一つじゃないか?
まあ、度が過ぎるのは良くないが、それ自体は悪くないしイレスが「優しい」って事だろ?』
『そうだと良いのですが……』
『うん。それで良いよ。イレスは優しい!!
でも、過保護は私だけにしてほしいな〜♪』
『アンゼス様……はい。そうします…ふふ』
突き放し雑にするのもアンゼスなりの優しさで、ある意味「個」各々に合わせた付き合い方なのだろうとイレスは思った。
唯一、アデスに対する態度だけは、イマイチ分からないが…。
新しいキャラが登場しました。
亀レオン…カメレオン…(*´艸`)ププ
能力は……ある程度ご想像は着くかと思いますが。
何度も言います。ファンタジーです!!




