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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第一章 動き出す神界
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第2話 名前をつけた!!

この回で、神様(創造神)と神様もどき一号の仲の良さが伝われば良いなと思います。


会話でのやり取りに???と疑問に思う事があるかと思いますが、そこはサラッと流して下さい(人´ω`;)


神様が神様もどき一号を完成させ暫くのこと…



『あの…ちょっとお尋ねしたい事があるのですが…』


『ん?どうした、何でも聞いてくれ!』


神様もどき一号が徐ろに神様に尋ねました。

神様は今度はどんな話だろうと目をキラキラさせて、神様もどき一号を見つめる。


神様もどき一号は、そんな期待に満ちた神様をじっと見つめ答えます。


『あの…貴方の事は何と呼べば良いのでしょうか?』


『……は?』


『いえ、ですから…貴方には名前があるのかとお聞きしているのです…』


『…名前?』


『はい。貴方が創り出したものには、どれも名称が付いておりましたのでこれまで気にならなかったのですが、貴方自身をお呼びする時何と言えば良いのか分からず…』


『確かに…言われてみればそうだな。頭で創造したものには何となく浮かんだものを名称として付けていたが、自分の事は気にした事がなかったな……』


神様は、神様もどき一号が出来るまではずっと一人だった為、自分と他とを区別する必要性がなく気付かなかったのです。


『お前凄いな!今迄特に気にした事が無かったが、お前もいるし、またお前みたいなのを増やすつもりでいるから、これからは必要だな!

よし!今から名前を考えよう!』


『分かりました。では早速…

あ、目は閉じないで下さいね。片付けるの大変なんで…』


『あ…わ、分かってる!』


『貴方の目がキラキラしてる時は危ないんですよね。すぐ目を閉じちゃうから…』


ジト目で神様を見る神様もどき一号。

神様の記憶を頭に詰め込まれた神様もどき一号は、本人よりもよく分かっている様で、短期間で神様の操縦が上手くなっていました。

自分を客観的に見ると冷静になれるとでも言うのか…何故か神様もどき一号は、神様の好奇心に対してのみ直情的になる部分には引っ張られないのです。


神様もどき一号は、どうゆう訳か神様と思考というか思念が繋がっており、神様の感情が伝わってくるのです。

その為、神様と離れた場所で片付けなんかをしている時に、神様のワクワクした感情がさも自分が感じている様に思えて、同じ様にワクワクしてしまうという事を何度か経験していました。


その感覚を不思議に思いながら神様の元に戻ると、辺り一面が大変な事になっていて、また片付けをする羽目になる…を繰り返していたので、引っ張られないと言うより学習した…と言えるのかも知れないが。





『よし!決まりだな!』


『そうですね。もうこれでいいでしょう…やっと決まったぁ……』


『ん?何だ不満か?もう一度考えな『いえ!素晴らしい名前です!』…おしても…そ、そうか?』


『はい!とっても素敵な名前です!』


『そうだな、そうだよな!じゃあ決まりだ!』


神様はとっても満足気な顔で、うんうん頷き目を輝かせています。

神様もどき一号はぐったりと頭を擡げ、何とか決まった事に安堵し、ふぅ…と息を吐き神様の出来たてホヤホヤの名前を呼んでみました。


『アンゼス様』


『っ!!も、もう一度呼んでくれ!!』


『アンゼス様』


『〜〜〜っ!!イイな!!アンゼス…アンゼス…』


余程嬉しかったのか、神様…アンゼスは、何度も自分の名前を呟き…目を閉じてしまいました。


『あ…』


神様もどき一号は……項垂れました。


しかし、アンゼスの嬉しさは伝わっているので、今回は大目に見ようと思うのでした。


嬉しくて目を閉じたアンゼスの気持ちを表すかの如く、辺りに一気に虹色の花が咲き乱れ、大きな噴水が出来たと同時に水が噴き出し、水飛沫はキラキラと光り虹を作り出しました。

上空には真っ青な空が広がり、白い鳥が飛び交い、更にその上には太陽と月が現れました。


緑の山々が聳え、川が流れ、湖が出来、更にその向こうには海が出来、大きな入道雲もある。


これらはアンゼスが箱庭に投げ入れた世界で見た風景の中で、特に好きだったもの達でした。(虹色の花はアンゼスのオリジナル)


神様もどき一号も、今回のアンゼスの創造には手を叩いて絶賛し、このままの姿で残そうと思いました。


神様もどき一号は、長い時間アンゼスと会話をする事で、アンゼスから与えられた「意思」がどんどん成長していたのです。

それには、神様もどき一号自身は勿論、アンゼスさえも気付いてはいませんでした。

それくらい彼等にとって、お互いの存在が当たり前で自然な事になっていたのです。



アンゼスの歓喜の創造が落ち着き、目を開けたアンゼスは目の前の光景に驚き、直ぐ様表情を変え神様もどき一号を見ました。


『あ…その…これは…すまない』


『アンゼス様。今回は大丈夫です。この景色はアンゼス様の嬉しい気持ちがそのまま表現されていて、尚且つとても素晴らしい景色になりましたから。片付けるのは勿体無いと思います。』


『っ!!そ、そうか?良かった!

うんうん!いいな、この感じ…うん、いいな…』


暫しの間彼等はその風景を黙って眺めていました。



『……?

……なぁ、お前の名前は?』


『あ……』


自分の名前が決まった事に気を取られ、神様もどき一号の事を忘れていたアンゼスは、わなわなと体を震わせ膝をつきました。


『すまない…』


『いや、そんな大袈裟な……』


やれやれと首を振りながら、自分は大丈夫だとアンゼスの肩に手を置き宥める神様もどき一号。

当然アンゼスの気持ちは伝わっているので、自分の事を思ってくれているアンゼスの気持ちに、何だかこそばゆく感じていました。



『では、これから一緒に考えてくれますか?』


『ああ!!そうしよう!!』


嬉しそうに顔を上げキラキラした目をするアンゼスに、目を閉じないよう釘を差しながら、彼等はまた長い相談という会話を楽しむのでした。




そうして決まった神様もどき一号の名前は…



『決まりだ!!

お前は今からイレスだ!!

改めて宜しくな!

イレス!!』



創造神アンゼスの一番弟子…一番の理解者であり、後に代理神となるイレスが誕生したのです。





お互いの名前が決まり、暫くの間彼等は何処かのバカップルの様でした。


『イ〜レス♪』


『ア〜ンゼス♪』




『イ〜レス♪』


『…アンゼス』




『イ〜レス♪』


『……アンゼス様』




『イ〜レス♪』


『………何ですか?』


『もうイレスはつれないなぁ〜。

ア〜ンゼス♪って呼んでくれよ〜♪』


『はぁぁ…いつまでその不毛なやり取りを続けるつもりですか?』


『んなっ!!

不毛なだなんて言うなよ〜、イ〜レス♪』


『はぁぁぁぁ……』


プイっとそっぽを向いて、アンゼスが散らかしたものを黙々と片付けるイレス。


『イ〜レス♪

なぁ〜、イ〜レス♪

イ〜レスってばぁ〜♪』



アンゼスの自分に対する好意がヒシヒシと伝わっているイレスは、嬉しくもありこそばゆくもあるが、デレデレ顔で擦り寄ってくるアンゼスを見ると、冷静な自分が顔を出し言うのです。


「お前もあんな顔してたぞ…プププ」


それからイレスは頭がスゥーっと冷え、目を細めてアンゼスを見て小さく頭を振る。


『人の振り見て我が振り直せ…

冷静になれ!イレス!!』


イレスはアンゼスより理性が強いのでした。



『イ〜レス♪』


『お〜い、イ〜レス♪』


『仕事の邪魔です!

ちょっと、あっち行ってて下さい!!』


『え〜っ!相手してくれなきゃつまんな〜い!

なぁなぁ、イ〜レス♪

イ〜レスってばぁ〜♪』


『あぁ〜もう!

うるさーーーいっ!!』



アンゼスとイレスの関係は、主従でもあり、兄弟でもあり、親友でもある…そんな感じなのです。




因みに、アンゼスとイレスの容姿は男性です。

顔は中性的ですが、体格としては細マッチョですね。

アンゼスのコピー版と思って頂ければ良いかと…

二人の違いは、アンゼスは無から有を創り出す力があるけど、イレスには出来ない。

知識はアンゼスとほぼ同等レベルなので、有から有を創り出す事は出来ます。

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