side:優 気にしてないわけがない
私の名前は雨旗 優。私立安祥高等学校に通う二年生だ。部活には入ってはいないが、今から作ろうとしている。いや、作ろうとしているより復活させようとしているという表現の方があっているかもしれない。私は現在、学校に居場所がない。いじめられているとかそういうわけじゃ無い。私は中学生の頃から容姿にこだわるようになった。離れてしまった幼なじみをもう一度私の手に引き戻すためだ。容姿を整えはじめると周囲の扱いはすぐに変わった。正直言ってチヤホヤされるのは気持ちよかった。時々ちょっといきすぎてるなと思うことはあったが、まだ許容範囲だった。でも、その許容範囲を高校生は余裕で飛び越えてきた。彼と同じ高校に入るために、それなりに頑張った。県内有数とまではいえないまでも、進学校といえるだけの偏差値がある学校を彼は選び、私はそれについていった。入学式の日、彼と同じクラスではないとわかった瞬間に急速にやる気が失われた。それでも何とかして彼と接点をもとうと考えているうちに、私の周りには自称親衛隊と名乗る人たちが私を取り巻いていた。はっきり嫌だと言えない私も悪いが、親衛隊は思ったより私を信仰していた。彼と学校で話そうとしても親衛隊の目をかいくぐることはできなかった。ここでいう彼とは私の愛しの佐山 一のことである。素の私を唯一受け入れてくれる男の子を好きにならないはずがない。片思い歴絶賛10年目である。二年生となり、同じクラスになった時私は家で狂喜乱舞した。どうやって彼と話すかを頭の中でずっと考えていた。そんな時に読書部の話を思い出した。彼は図書館に毎日通っていると彼のお母さんから聞いたことがあった。私は慎重に計画を進め、何とか図書館で彼に声をかけることに成功した。そのあといろいろあったが、彼を図書館同盟に誘えた。本当はずっと二人がいいのだが、部員を集めるといった手前そうはいかない。ああ、できるだけ遅らせよう。絶対に、絶対に彼をものにして見せる。