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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
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触8・触手さん緑色と遭遇する

「ふぅ...こんなもんかな」


風呂タイムを満喫した後、私は壁の建築を始めた。

拾った石を積み上げた簡素なもの、ぶっちゃけ塹壕そのもの。

積んだだけなので簡単に崩れてしまうのだが、接着剤も無いのでレンガ壁のようなもんは作れない、でも視界防いだり足止め程度にはなるので無いよりはマシだ。


かくして高さ2Mくらいの壁が出来上がった、風呂の周囲をしっかり囲っておいたので、これで入浴を見られる心配もないぞ、はっはっは。


そういや作業してて気が付いたんだけど、触手がやたら伸びる。

正確には分からんけど5倍くらい伸びてたんで10M越えるくらい?

ちょっと遠い位置の石拾おうとして触手伸ばしたら、うみょーんって伸びてさ、試しにどんくらいまで行くのかな思ったらまぁ伸びること伸びること。

おかげで壁作りが非常に捗った、10本の伸びる触手、作業効率が段違いである。


さて、壁も出来たしまた探索すっかな~、他にすること無いしなぁ。

ちょっと離れた所で蠢いてるスライムを、触手伸ばしてしばいて補食する、労働後のスライムは美味いな、これ水で冷やしたらいい感じになるかな、今度試そう。


スライムを飲み込んでふ~っと一息ついていると、右手奥の方で何かが視界に入ってくる。

真っ暗なんでサーモアイでしか見えんのだけど、人型が二つ、子供くらいの高さか、ゾンビみたいにゆらゆらした動きではなくしっかりとした足取りだ。

高温の棒状の物を手にしている様子、これは松明か何かか?


こちらに向かって来てるようで、暫くするとぼんやりと火の灯りが見えてきた。

そしてそこに映し出されたものは...尖った長細い耳、ツルっ禿げの頭、緑色の肌。

これってゴブリンか?一気にファンタジー感上がったなぁ、ゴブリン居るんだ。

ゲームでもちょろっとだけ出てきたけど、よもや実物と遭遇するとは。

ほんとここ異世界なんだなぁ、ゲームの可能性も捨てきれないけど。


さてさてゴブリンか...ゴブリンつったらずる賢いのが相場ってもんで、スライムやゾンビと違い知性がある。考えて動いてくる訳だ。

相手は二匹、近くに仲間は居ないようだしいけるかね...


なんて思っていると、壁の近くまで寄ってきたゴブリンがギャギャギャと言い始める、何か話してるのだろうか、死角になっていて向こうからこちらは見えないはずだけど...っておぉぉぉいぃぃぃ!!?


ゴブリン達は右手に持っている、形状からして棍棒か何かか?で壁を壊し始めた。

折角作ったもん、壊すんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!!!


思わず叫んでゴブリン達の前に出る私、それを見るゴブリン。


あ、やっべ、つい出ちゃった。

ゴブリン達は一瞬動きが止まってこちらを凝視をすると...


「ギャ...ギャギャギャギャー!!!」


絶叫を上げると一目散に来た道へと逃げ去って行った。

あっれ...てっきり襲いかかって来ると思ったんだけどな...まあいいや。


やや肩透かしを食らって逃げてった方を見ると、地面に何か落ちていた。

片方はあいつらが持ってた松明なんだけどこっちは...石と...板?

拾い上げると、それは黒い石と小さな金属板だった。


この黒いのは黒曜石か?...あ、もしかして。

それに気がついて石を板に擦るように打ち付ける、すると、パチッっと火花が生じた。

お~火打ち石じゃん、いいもん拾ったわこれで火がつけられるね。

燃やすもんがあればだけど。


落としてった松明は既に火が点いてるからそのうち消えちゃうだろうし、何か無いかな~、前みたいに枝でも落ちてればいいんだけどな~。

つかあの枝どこから来たんだろ、洞窟の中に木なんか生えてないよな。

もしかしてゴブリンが外から?

まあそれはさておき...直すか...


ゴブリンによって崩れた壁を見てため息をつきながら壁の修復を開始することにした。


頑丈な壁作りたいなぁ...

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