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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
一触・触手さん魔大陸編
82/82

触80・触手さん舞い踊る

 どう見てもラブホなんだが、どうやら此処が光の神殿らしい。値段書いてある看板の上にでっかく『光の神殿』ってあるんで間違い無いだろう、残念ながら。


 んで、周囲から飛んで来る色とりどりの、小さい光の珠がふよふよと中に沢山入って行くんだけど何だろうなアレ、蛍にしてはちょっとデカい上に明るすぎる、まあこの世界だしあのサイズのが居てもおかしくはないか。


 珠に付いていくように門から中に入ると、コンテナを停められる広い敷地があったのでそこに停車して降り、私達は神殿へと進んでいく。中は外以上にキラッキラと明るく、金ピカのシャンデリアが高い天井から垂れ下がっていて、広い廊下の左右にあるテーブルにはシャンパンタワーのグラスが並べられている。


 ⋯⋯う〜ん、趣味悪っりぃ⋯⋯


 何というか、昔のバブル時代の象徴みたいな光景を目にしながら奥へと進むと、何やら音が聞こえてくる。妙に軽快っつーか、どっかで聞いたことあるような⋯⋯


 徐々に近づいてくる音を尻目に先へ行くと、金色で縁取りされた赤い大きな扉が少しだけ開いていたので中に入る、と⋯⋯


『デン、デン、デン、デデデ、デッデッデッデデンッ、フォー!!』


 まんまジュリ●ナ東京だった。


 あの曲が重低音で流れる部屋の中心には大きなお立ち台、周囲では先程の珠達が集まり光のウェーブを作って激しく波打っている。んで、そのお立ち台の上ではピンク色の羽扇子を振り回して踊る白い人影が一つ。


『テンションぶちあげ〜!!あ〜しのクラブにしゃっせ〜!!』


 変にテンション高いのがこちらに叫んできた、それは全身真っ白で光り輝いており、つまりこいつが⋯⋯


『あ〜し光の大精霊、ひかりんって呼んでちょ、しくよろ〜!!』


 いや大精霊じゃなくてただのギャルじゃなかろうか。


『んであ〜し達とフィーバーしにきたって感じ〜?』


 話してる間も羽扇子を振り回して踊るのを止めないので凄まじく落ち着かない、止まると死ぬんかこいつは⋯⋯突っ込みたくなるのを堪えて事情を説明するか⋯⋯全部話すと長くなりそうなので要点だけを伝える。


『あっれ〜?あそこ雰囲気チョベリバだからテンションあげぽよにしといたんだけどな〜あ〜しが〜』


 サターニャちゃんも言ってたけどキラキラにしたのお前なんかい、てかんな何回も中身変わってんのかあそこ。


『ま〜いっか〜、んじゃあ〜しにダンスで勝ったら良いものあげちゃおっかな〜』


 光の大精霊ことひかりんが指を鳴らすと光の珠達がモーゼの如く左右に大きく割れる、ダンスで勝負ねぇ⋯⋯皆が顔を見合わせる、つか誰か踊れるんか?

 が、どれも顔を横に振る、どうやら皆そっちは駄目なようである。むぅ⋯⋯んじゃ私がやるか仕方ない。

 光の珠の間を通って踊り台に昇りひかりんの横に立つと、天井から何か四角く薄いのが降りてきてそれが点灯した。うおっ、これまさかモニターか!?そして同時に流れ始める⋯⋯EUROBEAT!!と、どっかで見たような車のアニメ。


『ランダム選曲の3本勝負、2本取った方が勝ちでオーディエンスはこの子達が公平にジャッジしてくるから、しくよろ〜』


 光の珠達が大きく揺れる、アウェイだが負ける訳にはいかぬ。さてダンスだが⋯⋯私には一つ大きな欠点がある、それは脚が無いこと、つまりステップは踏めないということだ。

 じゃあ踊れないじゃないかと思うだろう、だがしかし、私は複数触手がある。そして何も踊るのは脚だけではない、腕だけで踊ることは出来る、そうそれは⋯⋯


 パラパラ!!


 昔はパラパラ用のダンス筐体もゲーセンにあったくらいである、あの頃培った舞を見せてくれようぞ!!この触手で!!


 照明が暗くなりスポットライトで踊り台が照らし出される、そして始まったダンスバトル。


 正直なところ、ひかりんを甘く見ていたが⋯⋯考えを改めさせられた、明らかに羽扇子振り回していた時と動きが違う!

 デカい私が乗っているせいで、あまり広くないお立ち台が更に狭くなっているにも関わらず、軸が全くブレないのか派手に動いてるのに立ち位置が少しもずれないのである。これだけ動いたら普通こちらにぶつかっても可笑しくない。


 一本目はひかりんの圧勝、ダブルスコアをつけられた。次は無い、負けるわけにはいかん。


 二本目、先程は面食らったがひかりんの実力は理解した、私も全力を尽くそう。

 流れて来るはN●ght●F●re、これは好機、私が過去一番踊った曲である。そして今は【腕】が増えているのである、負けなどしない!


 二本腕では到底再現など出来ない舞を見せてやろう、複雑に動くも絡まる事のない触手が空に華を次々に咲かせていく、得点は僅差だが私の勝利で終わった。


 そしていよいよ最終ラウンド三本目、泣いても笑ってもこれで最後。

 開始と共にひかりんが仕掛けてきた、豪快なウィンドミルとブレイクダンス、流れるような動きは周囲を大いに沸き立たせる。ならばこちらも奥の手だ!

 私は触手を地面について身体を支え逆立ち、そしてキレッキレの動きでステップで舞ってやる!!


 これには度肝を抜かれたのか大喝采が巻き起こった、そして時間を迎えダンスは終わり結果発表。

 一本目と真逆の結果、私は大差をつけて勝利を収めた。


 ビクトリーぃぃぃぃ!!

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