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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
序触・触手さん原始編
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触7・触手さん温いのを見つける

汚れて臭い触手を洗うべくその辺をウロウロ這いずっているのだが、いい感じの場所が見つからない。

ポタポタと水が垂れているのは結構あるんだが水量が全く足りてないのよねぇ...

口潤すくらいにはなるんだけどなぁ。


幸いあれからゾンビの姿は見当たらず、更に汚れるということにはなっていないがさっさと洗ってしまいたい、臭いのは嫌じゃ。


どっかに無いかな~と周囲をキョロキョロしていると...おんやぁ?

サーモアイに妙なものが遠くに見える。


動きからして水っぽいんだけど、明らかに温度が高い。

まさかこれは...ずりずりと近寄って行くと、上から垂れ下がった鍾乳石を伝って湯気を吐き出しながらそれはチョロチョロと地面に流れていた。


「お、お湯だー!!!」


思わずごぼぼーと叫ぶ、まさか洞窟の中でお湯が流れているとは。

しかし、お湯があるってことはここ火山か何かか?上から流れてきてるってことは今居る場所は結構下の方...?


...まあ考えても答えは出ないし、今はそんなことどうでもいい。

温かいお湯で手、もとい触手を洗う、それだけだ。


湯気の量からして熱湯でもなさそうだしサーモアイで見ても熱いようではない、適温だろう。


早速触手をお湯で洗い始める。

お~、丁度いい塩梅、温かい湯が触手をジンワリ温めていく。

念入りに触手を洗って振り回して水気を切る、クンクン...うむ、臭いもバッチリだ。


さて、綺麗さっぱりしたし洞窟の探索を再開...しようと思ったのだが、ふと一つ思いついた。


「...風呂作れるんじゃね?これ」


触手を洗えるだけの水量はあるし、勢いも変わっていないので常に一定のお湯が出続けている様子、つまりこのお湯を溜められればお風呂が作れる。


問題はどうやって溜めるかなんだけど...

見るとこの辺りは不揃いながらも大小様々な石があちこち落ちている。

これ等を積めば出来そうだな...よし。


早速私はお湯が流れている箇所を中心に、円形状に石を積み始めた。

しかし何でここはこんなに石落ちてんだ...?まあいいや。


大きな石の間に小さな石を挟んで隙間無く埋めていく。

とはいえ流石に多少は穴が出来てしまうので、周囲を何重にも重ねておく。

そんなこんなで作業を繰り返し...


「出来た~!!」


半径2M高さ1Mくらいの、楕円形の石風呂だ。

あ、ちなみに私の身体結構でかくてねぇ、こんくらいのサイズ無いと入らないんだな。

体重とスリーサイズは秘密だ、というか私も分からん。


さて、それから暫く待ってお湯も充分溜まり始め。


バスターイム!!


もぞもぞと湯船に入り触手まで浸かる、目だけは湯から出してるけど。


「ふぉおぉぉ~...」


あったけぇ...やっぱ風呂はいいねぇ...

全触手を伸ばしてリラックスする。

まさかこんな洞窟で風呂入れるとは思わんかったわ、風呂最高~

これで酒でもあればな~、アイスでもいいぞ、まあ無いので仕方ないが。


ん~、折角風呂作ったしここ拠点にすっかなぁ...ただ問題はスライムはともかくゾンビだよなぁ...襲撃される可能性充分あるからなぁ...


よし、この辺一帯に壁でも作るか~、石まだまだあるし。

向こうの方で山積みになった石をちらりと見る、対ゾンビ用に集めてみたのだが、予想外に沢山集まった、拾っても拾っても点々と落ちており、まだ拾い切れていないのだ。


「よ~し風呂あがったら作業開始しよ~っと」


風呂の中でごぼぼぼ言いながら私はもう暫く浸かっていた。

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