触78・触手さん攻略法を探しに行く
宝珠の輝きが収まると、そこは迷宮入口横の空き地だった。いつの間にか出ていた足元の魔法陣が消え、宝珠がパキィと大きくヒビ割れた。そういや一回しか使えないんだったな、てか使い方すっかり忘れてたけどあれで合ってたわ、頭上に掲げろって言われてたの思い出した。
さて無事外に出られたのはいいがどうしたもんか、また八層目行ってもあのブラックホールどうにか出来ないと吸い込まれるだけだしなぁ⋯⋯現状今のままじゃあそこクリア無理ゲーよな。
むーん⋯⋯サターニャちゃんなら何か知ってるかな、拾ったカードリッジ渡すついでに聞いてみっか。
空を見るとだいぶ日が暮れたのか空はオレンジ色、太陽も結構高度が落ちている、日が完全に落ちるまであまり掛からなそうだ、ちょいと急ぎますか。
イーラが元のサイズに戻って皆を背中に乗せると彼女は羽ばたき上昇、城へ一直線に飛んで行く。私は身体大きいから足にしがみついた。
あっという間に城門に到着し、サターニャちゃんに謁見したいと門の警備をしている衛兵に伝えると直ぐ様連絡をし、別の衛兵が慌ただしくやって来て玉座の間まで同行してくれた。
「おー、思ったより早い帰還じゃのう、もう迷宮を攻略してしまったのかの?」
玉座に座るサターニャちゃんは扇子をパタパタ振りながら私達を迎い入れた。
【いやーそれがさー、八層目にブラックホールが在ってギリギリのとこで何とか帰って来たんだよね】
取り出したホワイトボードにさらさらっと何時ものように書いてサターニャちゃんに見せる。
「ふむ⋯⋯ブラックホール?はて、そんなものあそこにあったかのう⋯⋯?」
⋯ん?あれずっと有るんじゃないのか⋯?
「あそこまで辿り着けた者は極少数じゃが⋯そんな報告は今まで無かったんじゃがな、おかしいのう」
首を傾げるサターニャちゃん、てーことはどっかのタイミングでブラックホールが発生したんかな⋯
「他には何か無かったかの?」
【他にねぇ⋯ぶっちゃけ周囲完全に宇宙空間だったしなぁ⋯】
サターニャちゃんの眉がピクリと動いた。
「宇宙空間⋯?変じゃな、八層目は辺り一面真っ白で無駄にキラキラしてるはずなんじゃが何か起きたのかのう」
完全に真逆じゃん、んな神々しい場所だったんかあそこ。ってーことはあんなんなってる原因取り除かないと先進めないのか?つってもどーしたもんか、何かブラックホールだけの問題じゃなくなってきたなあ。
サターニャちゃんはウーンと唸って、膝を右手でポンと叩いた。
「よし、ならば光の神殿へ向かうのじゃ、そこに居る光の大精霊なら何とかしてくれるかもしれぬぞ」
光の大精霊か、てか大精霊って他にも居たのな、光が居るなら闇も居そうだなぁ。
「光の神殿は此処から南に行ったところに有る、馬車で三日くらいかのう、道中半ば辺りに小さな宿場町があるから寄って行くといいじゃろう。ただ街道があまり整備されてなくてのう、ときたま魔獣も出てくるから気をつけるようにの」
魔獣うろついてんのか、まあ魔大陸言うくらいだしおかしくはないか、隅々まで整備するのは流石に無理だろうし。
「ところで⋯⋯アレは手に入ったかのう?」
サターニャちゃんがソワソワとした感じで見てくる、ああアレねはいはい。袋からカードリッジを取り出すと彼女に手渡した。
「おおー、これじゃこれ!うむうむ色々拾ってきたようじゃの。⋯む?何じゃこれ」
例の謎カードリッジを見て訝しむサターニャちゃん、うん、何なんだろうなそれタイトル書いてないし。
試しとばかりに懐から取り出したゲー●ボーイにカードリッジを差し込むと、例の音がしてピー、ピー、とエラー音ぽいのが聞こえてきた。
つか常に持ってんのかゲー●ボーイ。
「⋯⋯むーん?うんともすんとも言わぬのう、画面もグチャグチャじゃ」
ドレドレと見せて貰うと、オントだ画面がすっげーバグってる、壊れてんのか?
「ふーむ、三本とも駄目じゃな。仕方ない、これは返しておこう持って行くが良い」
タイトル不明のカードリッジを私に手渡してくる、いやコレ貰ってもなあ⋯まあいいか。受け取って袋に仕舞い込む。
「もうすぐ日も暮れるし神殿へは明日向かうと良い、おっと報酬がまだだったな受け取るが良い」
横に居た黒いスーツの眼鏡の女性が呼び鈴を鳴らすと恰幅のいい大臣ぽいおっさんが入って来て、小袋を私に渡してくれた、結構ずっしり重いな袋。有り難く頂戴して用事も済んだので、城を後にし宿屋へ戻る。到着する頃には月が出始めすっかり夜になっていた。
各自部屋に戻って夕食タイム、今日は結構疲れたんでご飯は個室に持ってきて貰った。部屋に来た従業員がカートに載せてきた料理を手際よく並べていき、終わると一礼して出ていった。
今晩のメニューは鮭のムニエル、付け合せの炒めたほうれん草とスイートコーン、ロールパンにコンソメスープ。うんうん美味そう、ほんじゃ頂きま〜す。
食事を楽しんだ後はゆったりと部屋の風呂に入ってベッドにイン、明日は朝から移動だなぁ⋯⋯さてどうなることやら。




