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触手さんは今日も這いずる  作者: トイレの花子
一触・触手さん魔大陸編
77/82

触76・触手さん迷宮七層目

 鏡からぬらりと這い出てきたそれは私達と瓜二つ、ご丁寧なことに人数も同じだった、成る程写し身ってことか。

 そしてそいつ等はこちらと対峙する、どうやら向こうはやる気満々の様子。


「これは⋯ドッペルゲンガーみたいなものかな」


 クオが興味深そうに呟く。うーんドッペルゲンガーか〜こういうのって結構厄介だったりするんだよなぁゲームとかだと。さてどうしたもんかと考えていると、向こうから先に動き出した。

 各々見た目が同じ者と対峙する、成る程そういやドッペルゲンガーって模倣した相手を殺すとかそんなんだったな、私の相手は私のドッペルゲンガー、しっかし直接自分と同じの見せられると⋯結構ヤバそうなクリーチャーだよなぁ私⋯まあ分かってるけどさ。


 私のドッペルゲンガーがク゚ボボボボー!と叫ぶと炎の槍が発生して大量に撃ち出してきた、私はそれを水の壁で防ぐ、熱で発生した水蒸気で周囲の空気がムワッと膨れ上がるのを肌で感じる。

 普通に魔法使ってくるか、魔法なら無効化するんだけど、一瞬嫌な予感がしたんで一応防いだ、もし無効化出来なかったらダメージヤバそうだしなあ。


 遠距離攻撃が効かないと判断したのか今度は風ブーストで突っ込んできて、続けざまに全部の口から出した超水圧ブレードで乱斬りをお見舞いしてくる。

 こちらも超水圧ブレードで応戦、ブレードで受け流す度水と水がぶつかり合い飛沫が辺りに飛び散っていく。


 ⋯⋯想像してたけどやっぱ攻撃方法もこっちと同じか、これは実に厄介だな、恐らく実力は同じ普通にやり合ってたんじゃあ何時までも決着つかねーぞこれ。となると何か方法考えないといかんのだが⋯うーむ⋯


 考えながら風ブーストで一旦距離を離して今度はこちらが炎の槍で牽制、複数の槍がドッペルゲンガーに飛んでいき⋯⋯直撃、一瞬身体が揺らぐ。


 ⋯⋯え、回避しなかった?何で?


 もう一回炎の槍で攻撃するもやはり避けずに被弾、槍が当たった触手が僅かに焦げている。どういうこっちゃ?ていうか魔法無効化されないな。

 ふと思いつた事があるので今度は魔法ではなく直接殴りにいってみる、風ブーストで一気に接近、複数の触手で思いっきり殴りかかる。


 と、今度はドッペルゲンガーが風クイックブーストで真横に緊急回避、カウンターで超水圧ブレードで斬りつけてくるが風クイックブーストで後方へ下がる。


 ⋯⋯今度は避けたな⋯⋯もしかして⋯⋯


 確認の為、次は超水圧ジェットをドッペルゲンガーへ噴射する、だが先程同様避ける様子もなく胴体に直撃、浅くだが裂けて傷が付いた。

 ⋯⋯そうか、こいつ魔法避けようとしないんだ、もしかしたら私が魔法無効化するからかもしれん。最も向こうは魔法しっかり効いてんだけど、模倣が完璧じゃないのかどうかまでは分かんねーけども。


 だがこれで活路が見えた、ひたすら魔法を叩き込んでやればいい。


 避けないのであればそれは案山子と同じである、攻撃出来ないように水の渦でドッペルゲンガーを封じ込め、雷球をこれでもかと投げ込んでやる。

 過度に帯電した渦は雷を撒き散らしながら急激に温度が上がり、回転が増していく。渦の中はさながら木星の大気のように荒れ狂っているだろう、身体が捻じられ超高圧の電撃が襲いかかる、普通なら耐えきれるものではない。


 3分程したのち魔法を解除すると、黒焦げになり無惨に触手がバラバラになったドッペルゲンガーが横たわっていた。


 ⋯⋯うーん⋯⋯見た目自分と同じだから気分良いもんじゃねぇなぁ⋯⋯


 見てると死体は直ぐ様塵と化して崩れていった。ヤレヤレ面倒な相手だったわ、さて他の皆は⋯⋯

 あっちも全部終わったのか倒されたドッペルゲンガーは全部塵の山になっている。よしよし皆お疲れ様、んじゃ先に進もっか。


 来た道を戻り分岐路で別の方向へ、何度か行き止まりに当たり行ったり来たりを繰り返していると次の階段が見えてきた。それを下って七層目へ。

 階段を降りていると何かやたら暑くなってくる、何でだと思って辿りついて納得した。


 そこは一面溶岩だらけ、あちこちの岩壁からも溶岩が流れ出ていた、なんか既視感あるなあ。


「これは⋯中々にキツイですね⋯」


 ビノセが額から流れる汗を腕で拭う、立ってるだけでも体力奪われるレベルで暑い、こりゃ普通に進むと皆危ないなあ、スケルトンコマンダー達は骨だし温度あんんま関係無箚そうだけど。

 というわけで水魔法の出番だ、周囲を氷の薄い膜で覆って熱を防ぐ。これで中はひんやり冷えて快適。もっとも直ぐ溶けるから常時張り替えないといかんが、常に貼るから些か魔力消費が大きくなるけど仕方あるまい。


 グツポコ泡の上がる溶岩を尻目に進んでいく、なんか懐かしいなあ、一人で溶岩地帯移動してたのが昔のようだわ、んな経ってねーけど。

 炎を纏った蝙蝠がたまに飛んでいるが襲ってくる様子はない、つかあの蝙蝠どうなってんだ、普通の蝙蝠が燃えてるわけでもなさそうだし。


 まーしっかし溶岩と岩以外なんもね〜な〜、行けども行けども真っ赤な世界。道も分岐なくて広い岩道一直線だしな〜

 ⋯⋯ん?

 特に襲撃もなく変わらぬ光景に飽き始めた頃、眼の前に壁が見えてきた。近づいていくとそれは焔の壁だった。激しく燃え盛る壁は道を完全に塞いでおり、これ以上先に進めなそうである。


 ん〜⋯⋯道ってこれしか無いよな?どうすんだこれ?


 降りてきた階段周辺には来た道しか無かったので他のルートは無いはず、でもここで終わりってことありえないよな⋯⋯

立ち止まって皆も悩んでいると、唐突にコ゚コ゚コ゚コ゚コ゚と地鳴を上げながら周囲が揺れ始める。なんだ、地震か!?


その時だった、眼の前の壁から巨大な手が現れ、少しづつ焔の巨人が這い出してくると立ち塞がった。


『この先進みたくば力を示せ』

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